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【微細線印刷技術】凸版印刷、レンズ不要のチェンジング印刷技術を開発

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 凸版印刷(株)は、マイクロメートル(μm 1000分の1ミリメートル)単位の微細印刷技術と高精度な位置合わせ技術の融合により、極薄透明フィルムへのチェンジング印刷技術を確立した。
 凸版印刷はこれまで培ってきた微細印刷技術をもとに基材表裏(両面)に微細線を高精度な位置合わせ技術で印刷して、見る角度によって印刷物の色や絵柄が変化するチェンジング印刷技術を確立した。この技術によって印刷のみで極薄透明フィルム上に形成できるレンズ不要のチェンジング印刷が可能となる。
 今後、この技術を活用し、偽造防止や真贋判定などのセキュリティ分野や導電性インキを使った高精度・高精細な印刷が求められるエレクトロニクス分野などへ製品開発を行う。

2020 02 26 toppan(図1)本技術で作製したチェンジング印刷 透明フィルム(厚さ 50μm)

凸版印刷の微細線印刷技術開発について
 微細線印刷技術は導電性インキを用いて配線パターンを形成するなどプリンテッドエレクトロニクス分野で主に研究され、これまでのフォトリソグラフィ方式よりも簡便なプロセスでの生産が期待できることから、実用化に向けて開発が進められている。
 これまで、凸版印刷はグラビアオフセット印刷(1)を用いた微細線印刷技術によって導電性材料である銀インキを使用して、線幅10μm(間隙10μm)の細線を600mm×600mmの大きさに形成する印刷技術を確立してきた。また、印刷物の線幅や間隔を任意に制御することで、単色での階調表現にも成功している。(2015年1月発表)。さらに、この技術をカラーインキへも展開しインキ組成の最適化を行うことで線幅10μm、間隙10μmを形成する技術を確立、その技術を応用して各色の線幅や間隙を自由に変え高精度に配置することで新しいカラー表現を行うことにも成功した。(2017年6月発表)。
 凸版印刷は、導電性インキ、カラーインキ、機能性インキ等を用いた微細線印刷技術の研究開発を進めていく。新しい色表現技術を用いた印刷、偽造防止や真贋判定などのセキュリティ分野、導電性インキを使った高精度・高精細な印刷が求められるエレクトロニクス分野などに向け、多彩な機能を持つ複合製品に幅広く展開することで付加価値を持たせた製品開発を進めていく。
※1グラビアオフセット印刷 グラビア凹版の版胴からブランケットに転移(オフ)した後、基材へ印刷(セット)する印刷方式。


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