三菱ケミカル(株)は、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に向けた取り組みの一環として、スイスにあるエンジニアリングプラスチック(エンプラ)のリサイクル会社であるMinger Kunststofftechnik AGおよびMinger Plastic AG(以下、総称して「Mingerグループ」)を、同社のグループ会社であるMitsubishi Chemical Advanced Materials(本社:スイス・チューリッヒ、CEO:Michael Koch、以下「MCAM」)を通して買収※1する。買収は2020年2月末を目途に完了する予定。
三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI Vision 30※2」のもと、サーキュラーエコノミーをKAITEKI※3実現のキーエレメントと位置付けており、プラスチックのリサイクルはその重要な取り組みの一つと考えている。
Mingerグループは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ナイロンなどのエンプラについて独自の優れたリサイクル技術を保有している。また、欧州域内に広域な原料回収ネットワークを構築し、リサイクル材の取引においては既に100を超える顧客と取引実績があり、欧州におけるエンプラリサイクルのビジネスモデルを確立している。
この買収により、三菱ケミカルは、エンプラの製造から販売・加工・回収・再利用に至る一貫したビジネスモデルを構築することになる。今後もエンプラ業界のフロントランナーとしてユーザーへのソリューション提案力を強化し続けるとともに、循環型社会の実現に向けて貢献する。
※1 この収は、株式取得ではなく、製造設備等の資産譲渡及び営業権その他一切の権利義務の承継を行う方式を採用している。
※2 三菱ケミカルホールディングスの次期中期経営計画の骨格となる2030年を見据えたサステナビリティビジョンを指す。
※3 同社は、KAITEKIを「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」と定義している。
■ Mingerグループの概要(2018年12月末時点)
所 在 地:スイス アッペンツェル
事業内容:スーパーエンプラ、汎用エンプラ廃材の回収、リサイクル材の製造販売
従業員数:26名
売 上 高:9.3百万ユーロ