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【高減衰フォーム】ヘンケルの「TEROSON HDF」、スズキの新型ハスラーに採用。車室内の静粛性が向上

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SnapCrab NoName 2020 1 31 6 54 45 No 00 ドイツの化学・消費財メーカーであるヘンケルの日本法人、ヘンケルジャパン(株)オートモーティブOEM事業部は、先般、スズキ(株)より発売された新型ハスラーに、同社開発の画期的な高減衰フォーム「TEROSON HDF(テロソン ハイダンピングフォーム)」が採用されたことを発表した。同製品の軽自動車量産ラインへの採用は世界初。

革新的な新素材―高減衰フォーム 「TEROSON HDF」
 TEROSON HDF(以下HDF)は、車体構造体の伝搬振動を効果的に減衰させることで車室内のノイズ低減を実現する、画期的な新素材。
 こもり音、雨音、ロードノイズなどのノイズは、ルーフなどの構造体を振動させながら車室内に伝搬される。一般的に制振材は振動する構造体と静止している構造体の間に挟むことで、素材内部のせん断応力が熱エネルギーに変換されて振動が抑えられる。HDFはこの応力の熱エネルギーへの変換が非常に効率的であるため、一般的な制振材と比較して優れた振動減衰性能を発揮する。また、HDFは自動車の一般的な使用環境温度においてその振動減衰性能を常に発揮できるという他の制振材と異なる優れた特徴を持っている。

スズキ、新型ハスラーの量産ラインに新素材HDFを初採用
 HDFは新型ハスラーの量産ラインにおいて、ルーフの制振材として採用された。HDFは車体溶接工程にてルーフ用ビームに自動塗布機で塗布され、車体塗装工程内の電着乾燥時の熱にて硬化、発泡を伴い接着する。ルーフとビームの間で発泡接着したHDFの制振効果により車室内で発生するこもり音や雨音、ロードノイズ等を効果的に低減する。通常、ルーフとルーフ内部のビームはマスチック接着剤で接着されている。このマスチック接着剤にはルーフの振動を抑える効果があるが、必要に応じてアスファルトゴムなどの制振パッド等を併用する。HDFは従来のそれら2つの材料を併用した場合と同等以上の優れた制振性能を1つの材料で発揮する。
 
静粛性の向上
 HDFは優れた制振性能を発揮し、車室内の静粛性を向上させる。この製品を含む各種NVH(騒音・振動・ハーシュネス)対策により、新型ハスラーの車内では、あらゆる環境でストレスの少ないコミュニケーションが実現している。また、マルチメディア、ナビゲーション、IoTシステムなど、車内エンターテインメントや音声通信サービスをより静かな環境で享受することも可能になった。

特定周波数域に絞ったカスタマイズ
 HDFはカスタマイズすることで特定の周波数帯を中心に振動減衰性を効率化させることが可能。新型ハスラーで採用された同製品は、人が聴き取れる周波数帯20~15,000Hzで最も効率的に振動を減衰させている。

燃費向上に貢献
 近年、環境負荷を低減するため、燃費向上が求められている。燃費向上には車体の軽量化やエンジンの燃焼効率の改善が必要となる。しかし、それらとこもり音はトレードオフの関係にある。こもり音はルーフの振動が重要な要素であることが分かっている。HDFを活用し、効率的にルーフの振動を抑えることで、制振材の削減と燃費向上が可能となった。

完全自動ライン化に対応
 HDFは完全自動ライン化に対応している。ヒケや塗装工程での材料流出を防ぐため、HDFの発泡倍率や粘度をヘンケル独自のエンジニアリングサービスにて最適化することで、自動ラインでの塗布が可能となっている。
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