サトーホールディングス(株)は、33.3%の株式を保有する英国のDataLase社の残りの株式(66.7%)のすべてを取得する株式譲渡契約を平成28年12月21日(英国時間)に締結した。
1.株式取得の目的
DataLase社の保有する印刷技術「インライン・デジタル・プリンティング」(IDP)は、特殊な発色顔料をコーティング剤にしてさまざまな素材に塗布することで、その塗布面を感熱素材に変えることのできる世界で唯一の技術。コーティング剤を塗布した部分にレーザーマーカーで熱を加えることで商品及び段ボール、フィルム等の包装資材にダイレクトに印刷ができ、従来の印刷方法やラベルと比較して印刷スピードとコスト面において優れている。また、医薬品、食品及び飲料等の各業界向けのアプリケーションをご用意し、デジタル処理で一つひとつの商品に可変情報を印刷できるため、必要なときに必要な分の製造を行うことで商品の在庫を減らすことも可能となる。
サトーホールディングスは、2015年10月にDataLase社に33.3%の出資をするとともに、アジア・オセアニア市場におけるIDPの独占販売権を持つ子会社(スペシャレース株式会社)を日本に設立。
サトーホールディングスは、このIDPが中期経営計画で掲げる新ドメインビジネスの開拓に資する技術であると判断し、次世代の柱として成長を加速させるため、このたびの株式取得に至りました。子会社化により、以下のようなシナジーを見込んでいる。
(1)ソリューション提案力の強化による売上増及び収益力改善。
(2)双方のネットワークを活用し、グローバル販路の拡大。
(3)経営資源を互いに最大限活用。経費の効率化。
同社は、IDP事業で新しい技術を順次提供し、5年後に250億円の売上げを目指す。加えて、IDPの更なる活用にて、素材ビジネスだけでなく、最適なプリンタやアプリケーション、シール・ラベルを組み合わせた自動認識ソリューションの提案の幅を広げ、多様化するお客様のニーズに応えていく。
2.異動する子会社の概要(平成28年12月21日現在)
名称:DataLase Ltd.
設立:1987年
所在地:英国チェシャー州
代表者:Christopher Wyres
資本金:£441,000(約6,400万円)
売上高:£1.9百万(約2.8億円)(2015年度)
事業内容:レーザーによるマーキング原料の開発・製造・販売
3.株式取得内容
異動前の所有株式:33.3%
異動後の所有株式:100%
既存株主:大株主のNew Hill Growth Fund I.LP(37.7%保有)、Global Reach Investments Ltd(18.6%保有)及び個人株主26名
※既存株主と当社との間に記載すべき資本関係、人的関係及び取引関係はない。
取得金額:取得価額については、当事者間の守秘義務により開示を控えるが、公平性・妥当性を確保するため、独立した第三者機関から入手した株式価値算定報告書等を基に決定している。
※2015年度における当社のDataLase社への出資比率は、発行済株式ベースでの表示。今回の買収対象は既存株主保有株式及び潜在株式もすべて対象。
4.日程
契約締結日:平成28年12月21日(英国時間)
株式取得予定日:平成29年1月中
5.今後の業績に与える影響
今回の件により、中期的には当社グループの拡大が期待され、当社グループの業績向上につながるものと考えているが、平成29年3月期の連結業績に与える影響は、軽微としている。