(株)日本HPは、SOLIZE Products(株)と協力し、(株)JVCケンウッドの3Dプリンティングを活用したものづくりを支援している。このたび、JVCケンウッドで開発中の医療用カメラの部品に「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」で造形したパーツの採用が決定されたことを発表した。 3Dプリンティングによる造形受託サービスおよび3Dプリンター販売事業を行うSOLIZE Productsは2018年に「HP Jet Fusion 3D 4200 プリンティングソリューション」を導入し、製造業に対して3Dプリンティングの最終製品への活用の提案を行っている。同年7月には、自動車や家電メーカー向けに補給部品の生産や管理に関するコンサルティングサービスを日本HPと協力し開始した。
JVCケンウッドでは、以前より3Dプリンティングの可能性に注目し、形状試作や治具などのツーリング分野で活用してきた。このたび、最終製品への適用に向けSOLIZE Productsと日本HPと共同で3Dプリンティングによる造形に適したパーツの選定や、試作したパーツの技術的な検証を実施し、医療用カメラの内部部品として量産が決定した。この部品は、「HP Jet Fusion 3D 4200 プリンティングソリューション」の特長を生かした設計の最適化がされており、従来工法では製造が難しい複雑な構造を実現することで、機能改善とコスト削減を両立している。
また、長期にわたる補給部品の金型管理やメンテナンスコストの負担が業界共通の課題とされる中、JVCケンウッドでは、SOLIZE Productsと日本HPが提供する補給部品コンサルティングサービスを利用し、さらなる最終製品での適用範囲拡大に向け、生産終了製品の補給部品への適用の検証を進めている。
検証中の補給部品例(ラジオカセットレコーダー ハンドル部)
※補給部品適用のための試作、検討を行っている段階であり、
実際の製品の補給部品ではない
SOLIZE Productsでは、補給部品をはじめとする最終製品の需要に応えるべく、国内で初めての採用となる量産向けソリューション「HP Jet Fusion 3D 4210 プリンティングソリューション」を増設し、1月より3台体制で生産能力を大幅に強化する。
JVCケンウッド SCM部 スマートファクトリー推進グループ グループ長の佐藤直樹氏のコメント
「3Dプリンティングの最終製品への活用を推進するSOLIZE Productsと日本HPの取り組みに大変興味を持ち、今回の3社での協業が実現しました。『HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション』の造形物は、高い精度と低コストを実現していることはもちろん、異方性が少ないことにより、多くの最終製品への適用の可能性があると感じています。3Dプリンティングの最終製品への活用は、付加価値の高い製品作りにはもちろん、サステナビリティの観点からも非常に重要になってくると考えていますので、より多くの最終製品への適用を実現出来るように、3社での協業を進めてまいります」
「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」は、30年以上にわたり革新を続けるHPのプリンティング技術を基に開発され、圧倒的な造形スピードと高い精度により製造業に変革をもたらしている。ボクセル単位でパーツに機械的特性を持たせることができるHP独自のテクノロジーにより、実用的なパーツを圧倒的なスピードと低コストで造形する。SOLIZE Productsは3Dプリンティング/Additive Manufacturing技術の総合展「TCT JAPAN 2019」と「第1回次世代3Dプリンタ展」に出展し、HPの3Dプリンティングソリューションで造形した様々なパーツを展示予定。展示サンプルには今回発表のJVCケンウッドのパーツも含まれる。
〈「TCT JAPAN 2019」開催概要〉
日程: 2019年1月30日(水)~2月1日(金) 10:00~17:00
会場: 東京ビッグサイト 東6ホール
ウェブサイト: https://tctjapan.jp/
SOLIZE Productsのブース:6V-13
〈「第1回次世代3Dプリンタ展」開催概要〉
日程: 2019年2月6日(水)~2月8日(金) 10:00~18:00 (最終日のみ17 :00終了)
会場: 東京ビッグサイト
ウェブサイト: https://www.japan-mfg.jp/3dpt
SOLIZE Productsのブース:西1-40