濱田酒造(株) は、主力工場である傳藏院蔵において、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000の認証を鹿児島県の焼酎メーカーで初めて取得した。
同社は、明治元年の創業以来、長きにわたり伝統の技と味を守りながら、常に新しい焼酎の可能性を追求してきた。高品質な焼酎の生産性向上を実現するため、最新鋭の技術と設備を導入した焼酎製造蔵として2000年に「傳藏院 壱の蔵」を建設、2005年には「傳藏院 弐の蔵」が稼働開始した。マネジメントシステムにおいては、顧客満足向上、品質/環境マネジメントシステムの強化を図るために、2006年に営業拠点を含む全社でISO9001/ISO14001の認証を取得し、高品質と環境負荷低減の両立に努めている。今回のFSSC22000は、より精度の高い食品安全管理の実践を目指し、2016年から取り組んできた。
■「FSSC 22000※1」とは
食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000※2に具体的な要求事項が補強された(ISO/TS22002-1※3)、世界最高水準の認証制度。国際食品安全イニシアチブ(GFSI※4)のベンチマーク承認規格。最近関心が高まっているフードディフェンスなどの考え方も盛り込まれ、よりレベルの高い食品安全管理が要求されている。
※1 FSSC:Foundation for Food Safety Certificationの略。
※2 ISO22000:ISO9001に食品衛生管理の国際標準HACCPの概念を取り入れた食品安全マネジメントシステム規格。
※3 ISO/TS22002-1:食品製造分野における前提条件プログラムについての具体的な要求事項を規定した技術仕様書。
※4 GFSI:Global Food Safety Initiativeの略。イオン・コカコーラ・ウォルマート・英テスコ・仏ダノン等、世界の流通・食品大手約650社が加入。GFSIに承認された規格は、食品安全に対する世界基準の仕組みとして認められ、認証を取得した工場で製造された商品は、国際的な立場から信頼性を訴求できるとされている。
■濱田酒造について
鹿児島県いちき串木野市に本社および工場を置く、明治元年創業の焼酎・清酒・リキュール・スピリッツ類の製造・販売を行っている酒類製造メーカー。創業の地で昔ながらの木桶蒸留器を使い、甕仕込み、甕貯蔵という明治・大正時代の製法を守っている「伝兵衛蔵」。最新鋭のシステムを導入し高品質の焼酎を量産する「傅藏院蔵」。そして濱田酒造が誕生する前、江戸時代から掘られた金山坑洞跡で当時の仕込みも再現、また坑洞内貯蔵する「薩摩金山蔵」。この3つの蔵を柱に、顧客への感謝の気持ちを忘れず、「本格焼酎を真の國酒へ、更には世界に冠たる酒へ」という目標実現に挑戦し続けている。