宇部興産(株)の連結子会社である宇部マテリアルズ(株)は、2016年9月、タイ・バンコクに塩基性硫酸マグネシウム「モスハイジ」の製造・販売会社「Ube Materials(Thailand)Co., Ltd.」を設立した。
モスハイジは、自動車の軽量化に寄与する樹脂添加剤*1。地球温暖化対策やCO2排出量削減に向けた世界的な自動車の軽量化ニーズを背景にモスハイジの需要は拡大しており、2012年、2015年と二度の増強工事を経て現在の生産能力は3,000t/年。
モスハイジは現在、山口県宇部市の工場で一極生産しているが、宇部マテリアルズでは今後も見込まれる需要増や海外顧客である樹脂コンパウンドメーカー等の現地調達ニーズに対応するため、アジアにおける自動車産業の中心であるタイにおいて、現地法人を設立し、工場の建設準備を進めることとした。
工場の建設場所は、同じくUBEグループのUBE Chemicals(Asia)Public Company Limitedの拠点内(タイ・ラヨーン県)を予定しており、2019年を目処に工場完成を目指す。
*1 モスハイジ
宇部マテリアルズの水酸化マグネシム製造技術をベースに水熱合成により製造しているウィスカ(針状結晶)であり、自動車用ポリプロピレン(PP)への添加剤として使用されている。補強材として使用されているタルク(滑石)と比較して、約1/3の添加量で剛性を維持できるため、比重の高いフィラーの添加量を低減でき、自動車用樹脂のさらなる軽量化が可能。
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【塩基性硫酸マグネシウム】宇部マテリアルズ、タイ現地法人設立
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