ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの技術が、平昌オリンピックにおけるモジュラー住宅やオリンピック村など、複数の施設に採用されている。選手や観戦者、メディア、運転手の居住スペースを快適かつ省エネ性に優れた場にするため、ダウのソリューションが役立てられている。
モジュラー住宅の暖かさを実現する科学
平昌の2月の平均気温は氷点下であるため、効果的な断熱材が必要。オリンピック開催都市周辺で人々を送迎する運転手が滞在するモジュラー住宅の壁面や屋根には、 ダウの「PAPI™(パピ)」ポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)が 配合されたPIR(ポリイソシアヌレート)パネルが使用されている。モジュラー住宅は、ボード、断熱材およびフォームで構成されたパネルを使って建設されており、通常のコストの半分以下で数時間のうちに建設することが可能。エネルギー効率に優れた構造により、標準的なEPS(発泡スチロール)と比較して必要なエネルギーは約半分で済むとともに、98%をリサイクルできるため、環境保護に役立つ。
また、モジュラー住宅には、耐候性と耐火性を備えたシリコーンシーラント、DOWSIL™ 1001 Perimeter Silicone Sealantが使われている。同シール材は太陽の紫外線(UV)によるダメージを受けず、硬化後は-40℃から+150℃に対応する耐候性を備えている。
「SY Panel社をはじめとする韓国のパートナーと提携することで、最先端の断熱技術を用いてコストパフォーマンスが高く、持続可能な次世代のモジュラー住宅を作り上げました。2018年平昌オリンピックにおいて、モジュラー住宅は建築環境分野において大きな変化を生み出しています」と、ダウ・オリンピック&スポーツ・ソリューションズのアジア太平洋コマーシャルディレクターであるフィリップ・オー氏は述べている。
オリンピック村の快適さを追求する科学
オリンピック村の住居にもまた、シリコーンシーラント、DOWSIL™ 1001 Perimeter Silicone Sealantにより耐候性がもたらされている。内壁の仕上げでは、3つのダウ製品を組み合わせることで、滑らかで耐久性が高く塗装可能な壁面を実現する壁面用 パテが使われている。「ACRYSOL™(アクリゾール)」粘性調整剤が高品質な粘度特性を実現し、低VOC(揮発性有機化合物)かつ低臭設計の水系アクリル「PRIMAL™(プライマル™)」エマルションポリマーは、耐水白化性、耐洗浄性に優れた塗膜形成に寄与する。また、セルロース誘導体である「WALOCEL™(ウォルセル™)」は、極めて高い接着性、耐久性および可使時間の向上、メンテナンス費用の削減など、さまざまな性能付加に貢献する。
ダウは、より快適な睡眠環境の整備にも貢献している。選手が力を発揮するためにはさまざまな要素が必要とされるが、睡眠の質は必要不可欠なもの。オリンピック村で採用されているマットレスの一部には、ダウの「VORANOL™(ボラノール™)」ポリオールが採用されており、選手たちに必要な睡眠の質や量の向上に貢献する。「VORANOL™」技術は、開催都市のホテルで使われる多くのマットレスでも採用されている。
「より快適な睡眠環境を支援するためにAlfome社と協力することで、選手たちに十分な睡眠を提供することが可能になりました。『VORANOL™』技術により、圧を受けたフォームの形状維持が向上するとともに、肌触りが良く、臭いも少ない、快適で通気性の高い柔軟なマットレスを作ることができます」とオー氏は述べている。
モジュラー住宅およびオリンピック村で使用されたダウの技術は、持続可能性、耐久性、効率性の面で画期的な性能を発揮するだけではなく、手ごろな価格により高いコストパフォーマンスを実現する。
「オリンピック競技大会は、パフォーマンスやスポーツマンシップを発揮するための最高の舞台であるだけではなく、より良い会場やインフラの整備に貢献する、革新的な 素材科学の力を示す上でも最高の舞台となります。オリンピックムーブメントにおける公式化学会社として、顧客とパートナーシップを築き、冬季オリンピックのために、 断熱性と快適さを追求する科学を提供できることを光栄に思います」と、ダウ・オリンピック&スポーツ・ソリューションズのバイスプレジデントであるルイス・ベガ氏は述べている。