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【PPA】BASF、自動車および電子産業で用いられる精巧な部品向けの新たなポリフタルアミド製品投入

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BASFは半芳香族ポリアミドの製品ラインアップを拡大し、新たなポリフタルアミド(PPA)の製品ポートフォリオを市場に投入する。この製品群はUltramid® Advanced N(ウルトラミッド アドバンストN)という名称で、非強化、ガラス短繊維、長繊維で強化された複合材、難燃性のグレードで構成されている。これらの製品は100°Cまで安定した機械的特性(ガラス転移温度: 125°C)を維持し、優れた耐薬品性、低吸水性を備えているだけでなく、低摩擦、低摩耗であり、従来のPPAプラスチックの特性をはるかに超えた製品。Ultramid® Advanced Nはサイクル時間の短縮を実現し、プロセスウィンドウを拡大する。この新たな製品群は、綿密な材料特性データ、BASFによって培われてきたアプリケーションノウハウと共に提供される。BASFは今後、世界各地のユーザーのプロジェクトに対し、厳選されたグレードを提供していく。

イノベーションの幅を拡大
 技術的に精巧さが求められるエンドユーザー向け製品の開発において、この新たなポートフォリオは様々な業界のお客様の革新性をより一層高める。Ultramid® Advanced Nは、顧客の小型化や機能統合、設計の自由度に対する要求を満たすことができる。また、エネルギー効率、安全性の基準といった市場の要求に求められる機械的特性、耐薬品性、寸法安定性に対する高い基準を、幅広い温度帯で満たすことができる。
 パフォーマンスマテリアルズ事業本部欧州担当シニア・バイスプレジデントであるメラニー・マース ブルンナー氏は次のように述べている。
 「Ultramid® Advanced Nは、より厳しい使用環境で使用されるプラスチック需要の高まりを受けて、BASFが市場投入した製品群です。Ultramid® Advanced Nのような特殊製品を開発することは、お客様に幅広いソリューションを提供するというBASFの戦略とも合致しています。私たちは様々なPPA製品を提供することに全力で取り組み、今後も高性能プラスチックのさらなる市場投入を行っていく予定です」

多くの業界で幅広い用途
 Ultramid® Advanced Nを使用することで、他の材料では限界に達してしまうような困難な環境向けに、より軽量で強度の高いプラスチック部品を設計できるようになる。この新たなPPAの特殊な特性が組み合わさることで、ユニークな製品の製造が可能になり、様々な用途で使用する際の問題を解決することができる。Ultramid® Advanced Nは白物家電や消費者向け電子製品、モバイル端末に使われている小さなコネクタや機能統合型のハウジング部品等、高温で腐食性の媒体や様々な燃料と接触するエンジン、ギアボックス周辺の自動車部品や構造部品にも使用することができる。またギアホイールや、その他の摩耗性のパーツへの適用も可能。
 Ultramid® Advanced Nは鉛フリーはんだのリフロープロセスにも適しており、例えば、SMD(表面実装デバイス)技術を使用した回路基板アセンブリなど、電気電子産業での利用も可能。パフォーマンスマテリアルズ事業本部欧州のPPA事業を率いるアブドゥラ・シャイフは次のように述べている。
 「私たちは、お客様の抱える課題を理解し、用途開発や製品ノウハウにおけるBASFの専門知識に基づいてそれぞれに合ったソリューションを見つけるため、積極的にお客様に働きかけていきます。2016年10月に開催されるK-Fairでは、当社のポートフォリオへの理解を深めていただき、お客様と様々な用途について議論したいと考えています」

優れた機械的特性、卓越した難燃性
 BASFの新たなポリフタルアミドの剛性と強度は、125°Cという高いガラス転移温度まで安定しており、湿度変化などの外的要因による影響が非常に低くなっている。同等のPA66グレード(ガラス転移温度: 60°C)と比較すると、Ultramid® Advanced Nの応用範囲はさらに広く、機械的特性も優れている。
 Ultramid® Advanced Nの電気的特性も、室温やそれ以上の温度での水分含量にはほとんど影響を受けない。これも脂肪族ポリアミドとは顕著な違い。
 また、融点が300°Cと高く、吸水性も低いことから、Ultramid® Advanced Nは鉛フリーはんだのリフロープロセスに最適。高温条件における材料の軟化、ブリスターの発生を抑止することが可能。また、吸水性が低いことで、優れた寸法安定性を提供する。試験では、吸水性、吸湿性ともにPA6Tと比べ、約50%減らすことができた。ガラス繊維を35%配合して強化したUltramid® Advanced Nのグレードの場合、飽和状態になるまで吸収する湿度はわずか1%未満。
 各種耐候性試験では、ガラス繊維を30%配合して強化した難燃性グレードは、市場にある同様のPPAグレードよりも、耐マイグレーション性の点で優れていることが確認された。このグレードは非常に優れた難燃性(0.4 mm厚でUL94規格のV-0等級)を持ち、ハロゲンフリー難燃性が備わっている。また、耐クリープ性や表面平滑性も優れており、レーザーマーキングが可能。
 Ultramid® Advanced Nは化学品、特に熱油やグリサンチン®のような熱媒、塩化カルシウムや、メタノール含有量が高い燃料などに対する耐薬品性が極めて高いのが特徴。個々のグレードには様々な熱安定化技術が適用されており、自動車産業、電気電子産業の特殊な要件に合わせたテーラーメイドのソリューションとなっている。

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