創包工学研究会は、来る12月22日(金)午前9時30分~午後5時まで、フォーラムミカサ エコ7Fホール(東京都千代田区内神田1-18-12 内神田東誠ビル)において、第69回講演会「医薬品包装の危険性・安全性と犯罪防止」を開催する。
包装は医薬品用のみならず安全かつ衛生的でなければならないことは当然で、包装の基本でなければならない。しかし医薬品包装には、現在でも憂慮すべき問題点が残っており、そのうえ昨今は、犯罪や事故の防止機能も負荷せざるを得ない状況になりつつある。たとえば誤飲問題・改ざん問題・万引き問題などがますます深刻さを増してきている。残念ながら、表示・識別・試験法・コアリング・アンプルカット片発生・無菌性保持などにも不十分な点があり、危険性を助長しているように感じられる。また、包装機械自身の安全性も改善すべき点がある。さらに、昨今の万引問題は社会全体に暗い影を落としている。そこで、“危険性・安全性と犯罪防止”テーマに、関係各位の関心を高めるとともに解決策の糸口を探る。
<第69回講演会プログラム>
(1)09:30~10:30
演題:プラスチック材料に含まれる化学物質と衛生安全性への影響
講師:西 秀樹(前 日本包装専士会会長)
要旨:プラスチックに含まれる化学物質と健康影響要因、医薬品・食品包装における規制の考え方、クレーム事例、厚労省のPL制度化方針、企業における留意点などについて述べる。
(2)10:30~11:30
演題:注射薬調製における不溶性微粒子の発生要因とその対策
講師:河崎陽一(岡山大学病院薬剤部)
要旨:注射薬調製時に不溶性微粒子が混入する要因について研究データを交えて紹介し、医療現場における対応策を紹介するとともに医療従事者が求める医薬品容器について提案する。
(3)12:30~13:30
演題:PTPに求められる安全性
講師:野田尚彦(CKD(株) 自動機械事業本部 開発部 部長)
要旨:PTPに求められる安全性として、小児誤飲防止機能と医療過誤防止を目的にした表示についての動向と取り組んでいる最新技術を紹介する。
(4)13:30~14:30
演題:日本における万引犯罪の実情とその対策
講師:稲本義範(NPO法人全国万引犯罪防止機構 理事)
要旨:万引犯罪の認知件数の全犯罪に占める割合が1割を越え、国内の万引被害額は年間推定4,600億円に達し莫大な経済的な損失となっている。最近では組織的な窃盗団の被害も増加している。近年、万引防止機の普及は進んでいるが、防犯タグの貼り付けは時間的にもコスト的にも負担が増大している。これを解決するための欧米のプログラムがソースタギングであり、同時に消費者の快適なショッピング環境を作り出すことを目指している。
(5)14:45~15:45
演題:医薬品包装の危険性と安全性
講師:三浦秀雄(創包工学研究会)
要旨:医薬品包装に関わる安全性すなわち試験法と安全をはじめとして、ゴム栓コアリング・アンプルカット屑・注射剤無菌性・表示・識別・誤飲問題・偽造防止問題等、クレームなどに関わる危険性とと安全性の関係を広く議論し、解決策を提案する。
(6)15:45~16:45
演題:マイクロプラスチックによる環境汚染とその有害性
講師:高田秀重(東京農工大学大学院 農学研究院 環境資源科学科 教授)
参加費は27,000円/人(消費税込み)。