(株)クラレは、10月16日~23日までドイツのメッセ・デュッセルドルフで開催される世界最大規模のプラスチック・ゴム産業展である「K 2019」に出展する。ブース番号はHall 7a / D06。
バイオ由来水素添加スチレン系エラストマー「セプトン®」BIO-シリーズ、EVOH樹脂・フィルム「エバール®」、バイオマス由来のガスバリア材「PLANTIC™」、人工皮革「クラリーノ®」、水溶性PVAフィルム、熱溶融成形が可能なPVA樹脂「MOWIFLEX ™」など、クラレの特長のある製品を紹介する。
主な出展製品は次の通り。
(1)バイオ由来水素添加スチレン系エラストマー「セプトン®」BIO-シリーズ
バイオ由来の新規共役ジエンモノマーである「β-ファルネセン」を原料とした、水添スチレン-ファルネセン共重合体。「セプトン」BIO-シリーズは、ウェットグリップ性に優れ、濡れても滑りにくいという特長を有す。
(2)ガスバリア性樹脂「エバール®」
プラスチックの中で最高レベルのガスバリア性(気体遮断性)を持つEVOH(エチレンビニルアルコール)樹脂。その優れたバリア性により、食品の保存期間延長と、食品ロスの低減に貢献する。展示会では、リサイクルしやすい新グレード品を紹介する。
(3)バイオマス由来のバリア材「PLANTIC™(プランティック)」
「PLANTIC」は、バイオマス由来の生分解性ガスバリア素材。優れたガスバリア性による食品の品質保持や賞味期限の延長、カーボンニュートラルによりCO2削減に貢献する。他のバイオマス、生分解性素材との組み合わせによる環境性能の高い包装材の設計も可能。
(4)人工皮革「クラリーノ®」
天然皮革のような自然な外観・風合いを有する人工皮革。環境にやさしい製法で製造された製品を紹介する。
(5)水溶性PVAフィルム
生分解性を有する水溶性PVAフィルム。水に速やかに溶解し、環境負荷が小さいという特性を活かして、衣料用洗剤や食器洗い機用洗剤、農薬など、粉体・液体の個包装用途で採用が拡大している。
(6)熱溶融成形が可能なPVA樹脂「MOWIFLEX™」
「MOWIFLEX」は生分解性と、水溶性を特長とするクラレのポリビニルアルコール(PVA)樹脂。この製品を使用した3Dプリンター用フィラメントは、優れた印刷適性に加え、空気中では吸湿しにくく、かつ冷水には溶解する特長を有す。
【K2019】クラレ、世界最大規模のプラスチック・ゴム産業展に出展
【紙ストロー、植物由来原料を使用した液体紙容器】DNP・SIG Combibloc、販売開始
現在、世界的に海洋プラスチックごみの削減や地球温暖化の抑制といった環境問題の解決が急がれているなか、人々の暮らしに身近な食品や飲料、日用品などのパッケージにも、環境への配慮が強く求められている。そうした状況に対してDNP・SIG Combiblocは今回、日本市場に向けて、SIGの無菌充填システムに対応した、紙ストローと植物由来原料を使用した液体紙容器の販売を開始する。本製品はSIGが既に海外で展開しており、DNP・SIG Combiblocが製品のラインアップを拡充し、日本へも環境に配慮したパッケージを提供する。

今回SIGが開発した植物由来原料を使用した液体紙容器「SIGNATURE PACK100」は、森林認証紙をベースとした環境負荷の少ない製品で、紙以外の樹脂についても植物由来原料を使用しており、より一層の環境負荷の低減を可能にした設計となっている。
また、バリア性の必要な製品向けとして、SIGNATURE PACK100にアルミ箔を付加した「SIGNATURE PACK FULL BARRIEER」もラインアップしている。
DNP・SIG Combiblocは、飲料メーカーに向けて、2020年度中に本製品の供給を開始する予定。
また、まっすぐなストレート型の紙ストローに加え、U字型や伸縮可能な紙ストローの開発も進めていく。
今後もDNP・SIG Combiblocは、環境に配慮した紙容器の提供を通じて、プラスチックごみの削減に努めるとともに、日本市場におけるSIG無菌充填システムの導入拡大を進めていく。
なお、この紙ストローのサンプルは10月10日、11日に東京駅で開催される「暮らしの包装商品展2019」のDNPブースで紹介する。
【K2019】日精樹脂工業、PLA製シャンパングラスを成形実演
日精樹脂工業(株)は、10月16日~23日まで、ドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大級のプラスチック・ゴム産業展「K2019」において、環境負荷を減らし持続可能な社会を実現するための環境対応技術、また、顧客が抱える「成形加工における煩わしさ」を解決するためのソリューション技術など、最新の射出成形機と成形システムによる成形実演で多彩な提案を行う。ブースは、ホール13のC93。
K2019では、「Injection for Innovation 継承から革新へ」をメインテーマに、1947年の創業以来累計13万台を超える販売実績から蓄積してきた技術ノウハウを継承しつつ、さらに新たなシーズに基づく技術開発や従来技術のブラッシュアップによって成形現場に革新をもたらすような各種ソリューション技術を提案する。
具体的には、日頃ユーザーが成形現場で抱えている課題や今後の成形業界におけるトレンドを捉える上でヒントとなるようなテーマとして、「環境対応技術」「自動化・省力化」「IoTによる工場管理」などの視点に立った成形実演を行う。
出展内容のダイジェストは以下の通り。
(1)環境対応技術
持続可能な資源循環型社会の実現や脱炭素による地球温暖化抑制に向けた取り組みとして、植物由来の環境対応素材「ポリ乳酸(PLA)」の用途を拡大する射出成形技術を実用化、同技術を搭載した射出成形システムを出展する。
海中を漂うマイクロプラスチックやプラスチックごみが世界規模での課題となっている中、世界各国でレジ袋や使い捨てプラスチック容器に対する規制が強化されている。ただし、環境意識の高いヨーロッパでも廃プラスチックの処理方法は、1)埋立て、2)廃プラスチックを燃料として焼却し、その時に発生する熱エネルギーを回収・利用するサーマルリサイクルが大半を占めている。
日精樹脂工業は、資源の有効利用の手段として最も普及している、3R(Reduce, Reuse, Recycle)とは異なるアプローチとして、植物由来でかつ生分解性を有するプラスチックの利用促進を積極的に展開している。生分解性樹脂の場合、廃棄処理はコンポスト化によって生分解処理され自然界に還ることから、プラスチックごみの海への流出を防ぐことが可能となる。
生分解性樹脂の中でも、石油系プラスチックに代わる素材として有望視されているのがPLAだが、耐熱性と耐衝撃性が低い点(耐熱温度は60℃前後)、また流動性や離型性が悪く深物成形や薄肉成形が難しい点が課題となっており、射出成形での用途はまだ限られている。
そこで同社は、ディスポーザブル用途のプラスチック容器を石油系の素材からPLA100%に置き換えることを視野に、射出成形による薄肉容器成形技術を開発、実用化した。通常のPLA成形では、流動性が著しく低いため、薄肉成形ではショートショットが発生しやすくなるが、新技術では、超臨界状態のCO2を溶融状態のPLAに混入し射出することで流動性を確保し、射出成形では世界最薄レベルの0.65mmの薄肉容器成形を実現、しかも優れた透明性を確保した。 展示会場で成形実演を行うPLA製の薄肉容器(シャンパングラス)は、今年8月28日~30日まで、横浜市で開催されたアフリカ開発会議(TICAD7)において、アフリカ各国の首脳など同会議への参加者全員に配布された。
(2)IoT技術
第4次産業革命ともいわれるIoTへの対応として、日精樹脂工業は「N-Constellation」を提唱している。これは、IoT技術を活用し高品質な製品を提供するための社内自動検査システムなど、顧客の成形工場のスマート工場化に貢献する対応技術だが、同時に同社製成形機を制御する日精コントローラの第4次技術革新「NISSEI 4.0」と位置付けて取り組みを加速させている、同社のIoT技術開発におけるテーマの1つでもある。
K2019では、「見える化からサポートへ、繋がるから活用へ」をテーマに、成形機を軸にあらゆる周辺機器をネットワーク化し、単に「見える」「繋がる」だけではなく、収集したデータを有効活用することで、顧客が利益を創出するスマート成形工場の実現に向けた提案を行う。
N-Constellationの主な特長は次の通り。
1)欧州共通MES通信規格Euromap77への対応(Basic)、周辺機器接続規格Euromap82.x・86・79への容易な対応を可能とする、OPC UAを標準搭載した新コントローラTACT5を開発。
2)Euromapの各通信規格対応やEtherCATの採用により、取出ロボット・材料供給装置をはじめとするあらゆる周辺機器のネットワーク化が可能。
3)これによって、接続された周辺機器の設定条件も成形条件として一元管理することで、作業者負荷を低減及び効率化を図るとともに、省配線化によるカプラや線材といった使用材料の低減(環境負荷低減)にも貢献できる。また、保守面においてもダウンタイムの削減に繋がるリモートメンテナンスが可能になるほか、将来的にはAIによる成形条件の最適化や成形不良対策、歩留まり向上による生産性の向上、消耗部品の寿命予測、設備機器の故障診断などが可能な「スマート成形工場」を実現できる。
【冷凍冷蔵システム用冷媒】マックスバリュ西日本、ディスカウントストア「ザ・ビッグ鴨方店」にハネウェルの次世代冷媒「ソルスティスN40(R-448A)」採用
ハネウェル(NYSE: HON /日本法人:日本ハネウェル(株))は2019年10月10日、同社のソルスティス® N40(R-448A)冷媒が、マックスバリュ西日本(株)(本社:広島県広島市)が運営するディスカウントストア「ザ・ビッグ鴨方店」(岡山県浅口市)の冷凍冷蔵ショーケースシステムに採用されたことを発表した。この採用は、R-22冷媒を用いる既存設備の入替に伴うもので、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン、特定フロン)であるR-22冷媒は2020年以降、新規品の生産および輸入が廃止される。
マックスバリュ西日本は、国内流通最大手であるイオングループの企業で、西日本8県でスーパーマーケットなど185店舗を展開している。マックスバリュは、国内10社全体でおよそ900の流通小売店舗を運営する国内最大のブランド。ザ・ビッグ鴨方店は、マックスバリュで初めてソルスティスN40を用いるシステムを採用した店舗。
現在、HFC(ハイドロフルオロカーボン、代替フロン)の削減を目指すキガリ改正などの国際的な取り組みに則し、国内ではフロン排出抑制法(略称)※などによる規制の厳格化が進んでいる。このような中、食品流通産業では信頼でき、実践的でカーボンフットプリントを低減する代替技術に対する高いニーズがある。ハネウェルのソルスティスN40は、従来冷媒を代替する低GWP(地球温暖化係数)冷媒として、日本をはじめ世界の食品流通産業で最も選ばれている次世代冷媒。
日本ハネウェル、アドバンスド・マテリアル事業部の竹田 学部長は、「国内の食品流通業では環境にやさしく、持続可能な店舗運営に向けた積極的な取り組みが進む中、新技術の導入については経済性も大きな判断材料の1つです。今後は、再生R-22冷媒やHFC冷媒の流通量の減少化に伴う冷媒価格の上昇によって、設備管理コストも影響を受けることが予想されます」とコメントしている。
ソルスティスN40(R-448A)は、ASHRAE34基準 クラスA1(不燃・無毒)で、国内では不活性ガスに分類される冷媒。ソルスティスN40のGWPは1,387(IPCC、AR4)で、R-404A冷媒(GWP: 3,920)に比べてシステムのエネルギー効率性を最大16%向上する能力を有している。スーパーマーケットなどの冷凍冷蔵用途でR-404AおよびR-22(GWP: 1,810)を代替するソルスティスN40は、既に世界中で23,000店以上のスーパーマーケット店舗に導入されている。ソルスティスN40は、R-404AおよびR-22と類似した特性を有しているため、冷媒配管などの既存設備を継続して使用することができ、また設備メンテナンスについても従来冷媒と同様の方法で取り扱うことができる。
今回マックスバリュ西日本は、パナソニック製ショーケースシステムを採用した。
※ 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(略称:フロン排出抑制法):コンデンシングユニットおよび定置式冷凍冷蔵ユニット(圧縮機の定格出力が1.5kW以下のものを除く)の低GWP化目標は2025年度にGWP値1,500(製品区分ごとの加重平均にて達成)。
【アグリビジネス】BASF、特定の市場においてイノベーション主導型の成長を目指した農業分野の戦略発表
「BASFが経済的、社会的、環境的な側面から社会に貢献することが、世界中の農業生産者、規制当局、消費者から求められています。農業におけるイノベーション主導の戦略では、お客様や社会のニーズに焦点を当てて、この課題に取り組んでいます。私たちは、生産者や農業に対して、そして将来の世代に向けても、成功のための適切なバランスを見つけられると信じています」と、取締役のサオリ・デュボーグ氏は、9月27日、ベルギーのゲントにあるBASFの農業イノベーションセンターで開催された資本市場デーのイベントで述べた。
BASFの農業における戦略は、生産者が人口増加に対応する十分な食料を供給することを可能にし、限られた耕地、病害の圧力、気候変動などの課題に対処することを可能にするイノベーションに基づいている。2019年に約9億ユーロに増額した研究開発予算は、BASFの農業におけるイノベーションパイプラインを支えている。BASFは2028年までに30以上の新製品を上市し、ピーク時の売上高は60億ユーロにのぼる見通し。これには、8つの有効成分に加えて、小麦交配種、大豆、キャノーラ、綿および野菜のユニークなトレイト(形質)および高性能な種子が含まれる。BASFは、全ての事業やポートフォリオの決定の際にサステナビリティを検討することで、生産者や農業に対する持続可能な解決策の提案を積極的に主導している。「生産者と環境の両方に有益な化合物を特定し、開発を進めるために、サステナビリティの基準は研究開発プロセス全体にしっかりと組み込まれています」とBASFのバイオサイエンスリサーチのプレジデント、ピーター・エックス氏は述べている。
「私たちの戦略では、すべての活動の中心に生産者のビジネスを据えています」と、BASFアグロソリューション事業部門のプレジデント、ヴァンサン・グロ氏は述べている。「生産者は、異なる栽培サイクルおよび栽培要件を持つ、多種多様な作物を組み合わせて栽培しています。そのため、私たちはクロップシステム と呼ばれる特定の作物の組み合わせに焦点を当て、優れた製品を提供しています。このように、収穫量の最大化、気象や病害のリスクの低減など社会からの要請に対応することでお客様をサポートします」。
2018年8月にバイエルから買収した事業と資産の統合を1年以内に完了し、BASFは、種子、形質、農薬からデジタル技術まで、幅広いソリューションを生産者に提供できるようになった。BASFは農業のソリューションを提供する世界有数の企業として、「南米と北米における大豆、トウモロコシ、綿」「北米とヨーロッパの小麦、キャノーラ(アブラナ科)、ひまわり」「アジアの米」「世界各地の果物、野菜」という4つの主要な戦略的顧客セグメントとそのクロップシステムに重点を置いて活動する。これらの作物は合計で世界市場の約70%を占めている。
BASFは農業分野におけるデジタル技術から新たな収入源を創出する。農業における先駆的なデジタル専門知識とパートナーシップへの強いコミットメントに基づき、生産者がBASF製品を使用し、農場を管理し、製品やサービスにアクセスし、購入する際に付加価値を与えるデジタル分野のソリューションを提供する。さらに、BASFは精密技術とデジタル化を活用し、農業における将来のイノベーションの機会を得られるようになる。これには、新たな成果ベースのビジネスモデルも含まれる。
2019年上半期、アグロソリューション事業部門の売上高は前年同期比38%増の44億ユーロとなった。これは主に、2018年8月にバイエルから事業と資産を買収したことによるポートフォリオ効果によるもので、アグロソリューション事業部門の特別項目控除前EBITは、主に買収した事業の貢献により、2019年上半期に23%増加し、8億6100万ユーロとなった。
【ロボット】NEDOと熊本大学、人の皮膚感覚と同等の性能を有する皮膚センサー開発
そして今般、従来のゾルゲルスプレー法を改良し、連続塗布プロセスとスプレーガン自動駆動システムを確立、均一で再現性の良い大面積の圧電膜を作製することに成功した(図1)。さらに、圧電感圧センサーからの信号を安定して取得する回路システムを開発し、人の皮膚と同程度の空間分解能や周波数感度を有することを確認した。これらの成果は従来のロボット皮膚センサー技術の課題を解決し、人と同等の性能の皮膚感覚を持つロボットの実現に大きく貢献するもの。

(1)ゾルゲルスプレー法の連続塗布プロセスの確立
ゾルゲルスプレー法は主に超音波探傷用のトランスデューサー(交換器)作製のために用いられてきたため、従来のプロセスでは塗布可能面積が小さくロボットや、より大型の機器への適用ができなかった。そこでゾルゲルスプレー法の作製プロセスを大面積に拡張するための連続塗布プロセス(連続ゾルゲルスプレー法)を確立した。この連続ゾルゲルスプレー法を自動コーティング装置に適用し、大面積でも均一な製膜が可能であることを実証した。今回確立した手法は、原則的に塗布対象の基材サイズの制約なく大面積へと拡張し均一塗布を実現することができる(図2)。



また、本事業において、工業的に拡張可能なロボット皮膚センサー実現のための大面積・曲面塗布プロセスが確立され、ゾルゲルスプレー法を多様な用途へ事業化展開するための素子生産技術の目途が立ったことから、熊本大学は、ゾルゲルスプレー法で作製するセンサー(ゾルゲル複合体圧電センサー)の事業化を推進するための大学発ベンチャーである、(株)CAST(熊本大学発ベンチャー認定)を9月26日に設立した。
なお、熊本大学CASTは、10月15日~18日まで幕張メッセで開催される「CEATEC 2019」のスタートアップ&ユニバーシティゾーンに出展し、今回の曲面塗布技術を用いたさまざまな形状の圧電デバイスやフレキシブル・薄型圧電センサー、生体の心拍・呼吸に連動した超音波エコー信号の取得、耐超高温超音波トランスデューサー(変換器)などのサンプル展示を行う。

<注釈>
※1 事業
事業名:次世代人工知能・ロボット中核技術開発/革新的ロボット要素技術分野/研究開発項目〔4〕革新的なセンシング技術(スーパーセンシング)
事業期間:2015年度から2019年度
※2 ゾルゲルスプレー法
圧電材料溶液と圧電セラミック粉体を混合した塗液をスプレー塗布し熱処理・分極工程を経て圧電膜を作製する手法。粉体の混合とスプレー塗布の効果により膜中に空孔を含むため、フレキシブルで熱衝撃に対しても壊れにくい特性を有する。
【性的マイノリティ】日立化成、「PRIDE指標2019」で最高ランク「ゴールド」受賞
日立化成(株)は、企業・団体等におけるLGBT等の性的マイノリティに関する取り組みへの評価指標である「PRIDE指標2019」に初めて応募し、最高評価の「ゴールド」を受賞した。
「PRIDE指標」は2016年6月に任意団体「work with Pride*1」が、企業・団体等の枠組みを超えて「LGBT」の方々が働きやすい職場づくりを日本で実現することをめざし策定した指標で、「PRIDE」の各文字に合わせた以下の5つの指標の総合点に応じて、ゴールド、シルバー、ブロンズの3段階で評価・表彰されるもの。
1.Policy(行動宣言:性的マイノリティに関する方針を明文化・公開)
2.Representation(当事者コミュニティ:性的マイノリティに関する意見を言える機会の提供(社内・社外の相談窓口、意識調査等))
3.Inspiration(啓発活動:性的マイノリティへの理解を促進するための研修の実施や社内発信)
4.Development(人事制度・プログラム:人事制度上の同性パートナーやトランスジェンダー社員の扱い)
5.Engagement/Empowerment(社会貢献・渉外活動:LGBTへの社会の理解を促進するための社会貢献活動や渉外活動)
日立化成は、ダイバーシティ推進(Diversity & Inclusion)を経営戦略の1つとして位置づけ、さまざまな取り組みを行っている。性的マイノリティに関する取り組みの例としては、社員の理解向上を図るため、「職場におけるLGBTハンドブック」を作成したことや、手当、休暇等の社内制度を利用しやすいよう、「事実上の配偶者」届出手続きを改訂したこと等が挙げられる。
日立化成におけるLGBT等の性的マイノリティに関する最近の主な取り組みは、以下の通り。
「ダイバーシティ&インクルージョンステートメント」および「日立化成グループ行動規範」の中で、「性的指向」に対する尊重と差別の禁止を明文化。
社員の理解向上を図るため、LGBTに関する基礎知識や困りごとに直面している当事者の声、職場としての対応等を記載した「職場におけるLGBTハンドブック」を作成。
当事者の心理的不安を緩和するため、「LGBT Ally*2シール」を制作し、賛同する社員に配布。
手当、休暇等の社内制度を利用しやすいよう、「事実上の配偶者」届出手続きを改訂し、同性パートナーシップ証明書を認定書類に追加。本人の希望により、秘匿のうちに認定手続き可能とした。
採用のためのエントリーシート、社内意識調査等の性別欄に「男・女」のほか、「その他・または回答しない」を選択肢として追加。
*1 「work with Pride」について(http://workwithpride.jp/)
*2 アライ(Ally):味方、同盟者。LGBT AllyはLGBTについて理解し、支援する人。
【医薬品包装】創包工学研究会、12月20日に第77回講演会「医薬品包装分野における注目技術・材料及び品質」開催
講演プログラムは次の通り。
演題:医薬品のサプライチェーンをRFIDで変える仕組みづくり
講師:堀田泰治 氏(大成化工(株))
要旨:医薬品を取り巻くサプライチェーンでは、在庫管理や処方確認など、人手不足の中でも正確な業務が求められ、業務の省力化が課題となっている。また、偽造防止のため、サプライチェーン全体のトレーサビリティが求められるのと同時に、来るべき少子高齢化の進行と医療サービス人材の不足に備えた「遠隔診療」や「オンライン服薬指導」の普及のため、今後は医薬品も使用者のもとへ直接、正しく運ばれる仕組みや、薬剤師が使用者の服薬状況を正確に管理できる仕組みが求められている。これらの課題に対して、カプセル、ボトル、薬液バッグといった医薬品の資材製造から製薬工場、物流、病院や調剤薬局、使用者にわたる医薬品サプライチェーン全体においてRFIDを活用したソリューション「Tag 4 Link™」について講演する。
演題:市場ニーズに貢献する機能性PTPアルミ箔
講師:久保田 清 氏(三光アルミ(株)顧問)
要旨:PTP製品は国内における全医薬品生産額の4~5割以上を占める極めて重要な包装形態である(企業の顔)。 従ってPTP製品機能の向上は、製品差別化のみでなくメーカープレゼンス向上に繋がる喫緊の課題である。今回、将来にわたり包装に求められる様々な機能について、アルミ箔によるソリューションを紹介する。具体的には、各技術(商材)の基本コンセプトとして、生産部門及び購入部門の負荷をゼロまたは極力削減し、かつ、医療従事者及び幅広い患者の安全・安心使用を配慮した内容、すなわち小児誤飲事故防止・偽薬防止・CSR確立支援他について述べる。
演題:柔らかいPTP「やわらかプスパ」に関するZACROSの取り組み
講師:岡本 大 氏(藤森工業(株)研究所 樹脂加工技術グループ)
要旨:近年日本では少子高齢化社会の到来により、医薬品包装における誤飲の問題や偽薬・偽造問題、残薬問題など、これまでとは社会環境が変化してきている。そのなかで、ZACROSは、医薬品包装のうちPTPについて、万が一誤飲したとしても、消化管を損傷するリスクを低下させる可能性のあるPTP「やわらかプスパ」を開発している。このPTPは軟らかく、PTPを開封する動作において、中身の取り出しにくさを解消し、ユーザビリティの向上に貢献できると考える。本講演では「やわらかプスパ」を中心に、医薬品包装におけるZACROSの取り組みについて紹介する。
演題:PTPアルミ箔の品質・規格
講師:菅野圭一 氏(東洋アルミニウム(株)製造部 生産技術課)、加籐久弥 氏((株)UACJ製箔 技術本部加工箔イノベーションPJ)
要旨:PTP(Press Through Package)は錠剤やカプセルの流通において最も優れた包装材料の1つである。日本国内の医療機関、製薬企業の要望に応えるかたちで包装資材、機械メーカーは極限までのミニマイズと、高度な品質を実現してきた。翻って、海外製品と比較して過剰な品質やカスタマイズは、資材や包装機械の価格高騰と製薬企業の生産性の低下を招くだけでなく、世界的に注目されている環境問題に対して逆行しているともいえる。PTP機械・材料研究会では、上記のような状況を可能な限り改善し、より適切でグローバリゼーション時代に即した基準・規格を提案すべく検討を重ねている。本講演では、PTPアルミ箔の製造方法、品質・規格を解説し、関係者の意見を仰ぐものである。
演題:持続可能な社会の実現のために~DNPの考える環境配慮の提案~
講師:柴田あゆみ 氏(大日本印刷(株)包装事業部マーケティング戦略本部事業開発部)
要旨:DNPは今、「P&I」(印刷と情報)の強みとパートナーの強みを掛け合わせて、社会課題を解決するとともに、新しい価値の創出に取り組んでいる。海洋プラスチック問題の解決や循環経済の実現、地球温暖化を抑制するソリューションの開発などにも取り組み、グループを挙げて環境配慮製品・サービスの提供に力を入れている。人々の暮らしに身近なパッケージについては、循環型社会の実現および環境負荷の低減につなげるため、環境配慮パッケージシリーズ「GREEN PACKAGING」を展開している。「GREEN PACKAGING」が顧客や社会に提供する価値そしてソリューションを、医薬業界の関係者にも紹介する予定である。
演題:SDGsと包装材料
講師:松本 博 氏(凸版印刷(株)パッケージソリューション事業部販促本部)
要旨:環境破壊への危機感の高まりから、2015年国連による持続可能な社会のための共通目標として、2030年までの達成を目指し、17の目標、169の具体的目標が設定された。その後、海洋プラスチック汚染の社会問題化も加わり、包装材料にも変化が求められている。変化の内容、それに基づく包装材料の方向性・注目材料や技術について講演する。
テーマ:医薬品包装の適正品質を考える
著 者:三浦秀雄 氏(創包工学研究会)
要 旨:我が国の医薬品包装の品質が海外に比較して著しく高いことは周知のとおりで、特に外観品質に対する要望が高いことが特徴的である。生産量の最も多いPTPを例にすると、異物・色調・ポケット形状・カール・印刷などに対して苛酷とも思えるような要求がなされ、結果的に材料価格高騰・廃棄材料増大・国際競争力低下などというような事態に立ち至っている。このような事態は海外から“日本品質”と揶揄されるほどである。厳しい薬価引き下げが行われている状況下では、過剰な品質を排して適正な品質・価格などを指向することが求められる。
本資料は本年10月31日に開催する『Japan Pack2019 専門セミナー』において発表予定の内容を一部変更したものである。
【新しい印刷ビジネス】ハイデルベルグ・ジャパン、北陸サンライズと日本国内初のサブスクリプション契約
ハイデルベルグ・ジャパン(株) は、石川県にある商業印刷会社である(株)北陸サンライズと、国内初となるサブスクリプション契約を締結した。
サブスクリプションとは、従来のように顧客が機械に投資するのではなく、導入した機械に対して月額の固定費と印刷した用紙枚数の代価を支払うというビジネスモデル。印刷機だけでなく、ワークフロー、サービスパーツ、紙を除くすべての最適な印刷必需品、継続的なオペレータのトレーニングが含まれており、印刷機の生産性の最大化に向けてハイデルベルグが包括的に顧客のサポートを行う。これにより、顧客は、より多くの時間をクライアントのために、また営業活動に使うことが可能となる。
ドイツのハイデルベルグ本社では、すでにドイツをはじめとするヨーロッパ、アメリカ、中国、インド、オーストラリアなどでサブスクリプションの事業展開を進めており、印刷機導入の選択肢の1つとして、顧客のビジネスのさらなる成長に貢献している。
北陸サンライズは、石川県白山市に本社を構える従業員34名の商業印刷会社で、企画・枚葉印刷が主なビジネス。サブスクリプションという日本の印刷業界では例のないビジネスモデルを導入したきっかけについて、代表取締役社長の木村賢一郎氏は、「初めてこのビジネスモデルの話を聞いた時は『そんなことできるわけがないだろう』と思いました。しかし、何回か話を聞いていくうちに、徐々に興味が増していき、『これはいけるかもしれない』と思い始めました。大きな投資をすることなく、世界最高の印刷機とワークフローを導入でき、さらに機械に最適な消耗品を使用して、オペレータもハイレベルなトレーニングを受けながら、メーカーとともに最大限のアウトプットを目指していける。こんな最高なことはないじゃないですか。そこで、これまでの自社の製造コストや会社の財務状況などもすべてをハイデルベルグと共有し、契約することを決断しました」と説明。
今回、同社に導入された印刷機は、菊全判4色印刷機「スピードマスターCD102」。すでにあった菊全4色機1台と2色機1台、合計2台を入れ替えての導入となった。9月28日より搬入が始まっており、10月23日には実稼働がスタートする見込み。実稼働に必要なワークフロー、最適なサフィラブランドの印刷必需品もすでに準備が整い、オペレータのトレーニングも進んでいる。今後、印刷必需品の発注には、ハイデルベルグのオンラインショップeShopが利用され、在庫管理は、デジタルシステムによって常に最適な在庫を監視するハイデルベルグの「ベンダーマネジメントインベントリー」が用いられる。
北陸サンライズの木村賢一郎社長
【フレキシブル基板】三井化学とエレファンテック、インクジェットによる量産プラントを設置
三井化学(株)とプリンテッド・エレクトロニクス分野のスタートアップ企業であるエレファンテック(株)は、インクジェットによる新しいものづくりの生産技術開発と量産化を推進するため、戦略的提携に合意した。
今回の提携で、ICT 材料新事業の創出を目指す三井化学はエレファンテックに対し出資を行うと共に、三井化学名古屋工場(愛知県名古屋市)内の建屋および工場インフラをエレファンテックに提供する。エレファンテックは三井化学の支援のもと、2020年9月完工を目途にインクジェットによるフレキシブル基板製造の量産ライン(最大で5 万m2/月)を構築するとともに、新たなものづくりを実現するインクジェット製造ラインの開発を行う。両社は、インクジェットによるプリンテッド・エレクトロニクスおよびAdditive Manufacturing のための生産技術および材料開発を推進し、ものづくりの可能性の拡張を目指す。
エレファンテックは、「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」という企業ミッションの実現に向け、これまでの15分の1 のエネルギー量、13分の1の水消費量でフレキシブル基板の製造を可能にするインクジェットによるフレキシブル基板製造事業を拡大している。さらに、立体樹脂上への配線形成やバイオセンサ材料の印刷など、同技術の応用範囲を広げる開発・市場開拓を実現していく。
三井化学は、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングをターゲット事業領域として幅広く事業を展開している。さらに、新事業・新製品創出に向けてはベンチャー企業との連携などオープンイノベーションを積極的に推進している。
エレファンテック社長の清水信哉は、次のようにコメントしている。
「桁違いに少ないエネルギー消費量、水消費量での製造を実現するインクジェット生産技術は、将来的に必ず生産技術のスタンダードとなっていきます。一方で、我々のような技術系スタートアップがスケールアップする上で、量産体制の確立は大きな課題でした。今回、三井化学の工場インフラをそのまま使わせて頂くことで急速な量産体制を行い、かつ技術開発面でも協力するというスキームは、大企業とスタートアップのあるべき連携の姿としてもエポックメイキングな事例になると考えております」
三井化学代表取締役専務執行役員CTO の松尾英喜は、次のようにコメントしている。
「三井化学は、新たな顧客価値を創造し、事業活動を通じた社会課題の解決を目指しています。環境貢献価値の高いインクジェットによる革新的なものづくりプロセスは、これからのものづくりが目指す姿のひとつであるとともに、素材に求められる可能性の拡大でもあります。当社の加工技術が集約する名古屋という地の利を活かして、プリンテッド・エレクトロニクス分野を皮切りに、インクジェットによるAdditive Manufacturing の拡大と社会実装に向けて、素材から革新を起こしていきます」
名古屋工場内、エレファンテック量産プラント設置予定建屋
【伸縮性フィルム】東レ、優れた柔軟性と高い復元性を両立した製品を開発、折り畳みや巻き取り可能なディスプレイやウェアラブルデバイスに期待
東レ(株)は、容易に変形できる優れた柔軟性と、変形させても元通りに戻る高い復元性を両立した伸縮性フィルムを開発した。この開発品は加工適性も優れており、折り畳みや巻き取り可能なディスプレイ、ウェアラブルデバイスなどの幅広い分野への適用が期待される。現在、量産技術確立を進めており、今後、2020年を目処に本格展開を行う。
近年、折り畳みや巻き取りが可能なディスプレイや、衣服や肌に装着させて生体情報を収集するウェアラブルデバイスが実用化されている。これらのデバイスは、様々な環境下で繰り返し変形した時の復元性、衝撃吸収性などを必要とするため、容易に変形できる優れた柔軟性と変形させても元通りに戻る高い復元性を両立するフィルムが求められている。しかし、従来技術では柔軟にしようとすると、復元性に必要な分子構造上の"つなぎ止める部分"が不足し、柔軟性と復元性がトレードオフの関係になるため、両立させることは困難であった。
東レは、独自のポリマー設計と製膜技術を用いることで、非常に柔軟で変形させても元通りに復元する伸縮性フィルムを開発した。さらに、低温から高温の幅広い温度範囲でこの特性を維持することも確認している。また、このフィルムはフィルム表面への塗布、印刷、貼り合わせなど様々な加工に求められる、耐熱性、印刷適性(密着性)、表面形状の自由度を有しており、今後、各種デバイスへの適用が期待できる。
今回開発した伸縮性フィルムの特徴は下記の通り。
1. 優れた物理特性
わずかな力で変形できる優れた柔軟性と、元の長さの2倍に引っ張る変形を繰り返してもヒステリシス(*)なく、元通りに復元し、変形後、長時間保持しても復元する高い復元性を両立した。
また−20℃~80℃の広い温度範囲でもこの特性を維持することに成功した。
2. 優れた加工適性
150℃での乾燥、熱処理が可能な耐熱性とスクリーン印刷やインクジェット印刷が可能な印刷適性を実現した。また、高平滑からマット(ツヤ消し)や凹凸形状まで、用途や加工工程に合わせてさまざまな表面形状への対応を可能にした。
<語句の説明>
ヒステリシス:材料を変形、次いで復元させる一連の操作において、力と変形量の関係が変形時と復元時に一致しないこと。これに対して、「ヒステリシスがない」とは、力と変形量の関係が、変形時と復元時で一致することを指す。
【地熱発電】東芝エネルギーシステムズ、インドネシアで小型設備「Geoportable」受注
東芝エネルギーシステムズ(株)は、インドネシアの電力会社であるPT Geo Dipa Energi (Persero)(以下、GDE社)が計画するジャワ島中部のディエン小型地熱発電所向けに、同国大手のEPC事業者であるPT Inti Karya Persada Tehnik(略称、IKPT社)から地熱発電用の蒸気タービン・発電機1セットを受注し、設計・製造に着手した。2021年3月に運転が開始される予定。
ディエン小型地熱発電所は、GDE社が2002年から商業運転を開始しているディエン地熱発電所1号機が立地するディエン高原内に新たに建設される10MWの地熱発電所。東芝エネルギーシステムズは、この発電所向けに小型地熱発電設備「Geoportable™」を納入する。
「Geoportable™」は、1~20MW級の小規模な地熱発電向けに東芝エネルギーシステムズが開発した地熱発電システム。洗練されたデザインで、耐腐食性の高い材料技術や、高性能化を実現するタービン蒸気通路部の設計などの先進的技術を採用している。小型のため従来の発電設備では設置が困難であった限られた敷地にも設置することができ、地熱資源の有効活用が可能となる。さらに、標準化された機器をスキッド注上に組み上げることによって、工場での製造期間や現地での据付期間を短縮することができる。今回、これらの「Geoportable™」の特長が高く評価され契約に至った。
インドネシアは、約29,500MW相当の地熱資源量を有する世界第2位の地熱資源国と言われ、同国の「電力供給総合計画2019~2028年」においては、2028年までに約4,600MW相当の地熱発電所を新規に開発すると計画されている。さらに、同国の多くの島々では、現在、ディーゼル発電機が多用されているが、その代替として軽油などの温室効果ガスを排出する化石燃料が不要で、かつ設置も比較的容易なコンパクトな小型地熱への期待も高まっている。
東芝エネルギーシステムズは、既にインドネシアにおいて、同国最大の地熱発電所であるサルーラ地熱発電所や、パトハ地熱発電所1号機向けに累計239MW相当の大型の地熱発電設備も納入しており、インドネシアの電力の安定供給に貢献している。
今後も、1MWから200MWにわたる、小型から大型までの幅広い製品ラインアップをベースに、顧客ニーズに応じた最適な製品・ソリューションを提供するとともに、持続可能な社会の実現に不可欠なクリーンエネルギーのさらなる普及に向けて国内外で地熱発電事業を展開していく。
注 スキッド:それぞれの機器を一体化して輸送しやすくするための土台のこと
【超低損失ナノ結晶薄帯】東北マグネットインスティテュートに委託していたJST研究成果最適展開支援プログラム、量産製造装置開発
東北マグネットインスティテュートは、電気エネルギーの損失を最小限に抑える新しい材料として、東北大学で研究開発された超低損失ナノ結晶注1)薄帯の商業ベースでの量産化を実現するためのプロセス技術と標準設備を開発した。
超低損失ナノ結晶薄帯は、鉄損が低く(エネルギー効率が良い)、飽和磁束密度が高い(小型化が可能)という優れた特徴がある。本開発では、製品板厚35μm、板幅250mmの薄帯を生産できる技術の確立および装置の製作を目標とし、生産設備のるつぼ、ノズル、冷却ロールなどの耐久性を飛躍的に向上させる技術開発も併せて行った。
その結果、試作レベルでは幅245mm、厚さ30μm、さらに量産実証レベルでは生産安定性を加味して幅127mm、厚さ27μmの薄帯の製造に成功した。
今後はナノ結晶薄帯の生産、販売を開始し、さらなる品質向上と低コスト化および生産安定性強化について検証を続け、幅広く電磁鋼板を代替できる応用製品への適用を目指す。
背景
近年の地球温暖化や資源枯渇といった地球規模の問題を背景に、省エネルギー化への取り組みは極めて重要になっている。モーターやトランスにおいては、電気エネルギーの動力への変換や電圧変換の際に、部品の材料(鉄や銅)に起因する電気エネルギーの損失(鉄損、銅損)があり、これらの損失を削減する材料の開発が必要とされていた。
本開発では、東北大学で開発された超低損失で高磁束密度のFe(鉄)基ナノ結晶薄帯をシーズとしている。これは、電磁鋼板に匹敵する高飽和磁束密度に加え、通常はトレードオフの関係にある低鉄損を両立した革新的な軟磁性材料注2)。薄帯の量産化において、品質、コスト、生産安定性を強化できれば、幅広く電磁鋼板を代替できる応用製品への適用、需要拡大が見込まれる。
開発内容
1.薄帯製造装置の開発
まず、薄帯形成のプロセス原理の検証用装置をベースに、規模拡大のための設備設計をした。低コスト化と不純物の混入防止のため、溶解炉は傾斜型ではなく直立型のるつぼ構造を採用。250kgの原材料を60分以内に完全に溶解できる。また、中間容器にタンディッシュ炉注3)構造を採用し、冷却ロールとノズルのギャップを自動制御できる構造とした。
次に、薄膜の幅広化と増厚化を実現する大型冷却ロールの設計仕様や、溶解した合金の湯面を安定化させる中間容器のタンディッシュ炉の仕様を、CAE(Computer Aided Engineering)を使って設計し、加熱源であるIHヒーターの誘導加熱注4)の能力や冷却ロールの冷却能力についてもシミュレーションで決定した。
一方、低コスト化のための要素技術開発として、これまでの薄帯製作では、予め成分調整をした母合金を作製し、溶解から薄帯形成を行っていたが、本開発では薄帯製造装置に異なった成分(鉄、ケイ素、ホウ素、リン、銅)を直接投入し、炉内で成分調整をすることで、材料費を約90%削減する目途を得た。るつぼやノズルなどの耐火物の長寿命化は、上記の装置検証の過程で、最適材料を選定、作製した上で、現物で繰り返しテストして耐久性を確認した。
これらの製造装置(図1)で、業界初の広幅245mmの薄帯形成に成功し(図2)、量産化のめどを付けた。


2.熱処理装置の開発
薄帯製造装置で形成された薄帯は所定の熱処理を施し、ナノ結晶粒を成長させ仕様に合致した磁気特性となる。熱処理技術の開発においては、実験機での温度プロファイルや結晶化度のデータをもとに、従来の4倍の速度で処理できる装置を開発した。装置性能として、炉内温度制御:500±2℃、材料の昇温能力:400℃/分を満たすことで、送り速度200mm/秒において設計通りの温度プロファイルを達成した。得られた薄帯の磁気特性は、飽和磁束密度:1.77テスラ(T)、保持力:8.3アンペア毎メートル(A/m)を示し、ユーザーの要求仕様を満たしていることが確認された(図3)。

期待される効果
一般家庭の生活から排出されるCO2の量は、エネルギー種別では電気の使用によるものが69%と大半を占める(環境省、平成30年度)。中でも、24時間稼働している冷蔵庫と、200Vの電圧を要するエアコンは消費電力量が大きく、消費電力の約2割がこの両者によるものとされている。仮に、これらの消費電力が3%削減できたとした場合、72万トンのCO2排出量削減が可能であるという試算になる。
また、世界で使われる電力量の約半分がモーターの電力消費量が占めると言われており、高効率のモーターが求められている。現在、モーターに用いられている電磁鋼板の代替として、超低損失ナノ結晶薄帯の厚板化、幅広化、低価格化が進めば、民生機器用モーター以外にも用途が拡大する。例えばEV化が進む自動車では電力損失の削減が直接走行距離に結び付くためニーズが高く、また産業機器やインフラ用途でも各種トランス、リアクトルなどの主要部品へ本材料を適用すれば省エネルギーにつながる。
軟磁性材料世界市場規模としては平成29年度において約3兆円で、そのうち本開発品の薄帯が代替できる領域は38%で1兆1400億円に相当する。今後、日本の産業に大きく貢献できると期待される。
注1)超低損失ナノ結晶
鉄を質量比で93~94%を含む高鉄濃度の材料で、構造は10nm程度のα-鉄(α-Fe)のナノ結晶粒の周りにアモルファス磁性層を持つ高鉄濃度型の超低損失ナノ結晶磁性材料。アモルファス磁性層の組成はケイ素(Si)やホウ素(B)、リン(P)、銅(Cu)など一般的な元素で構成されている。
注2)軟磁性材料
磁場が変動するモーター、トランス、リアクトルのコアおよび磁気シールド板などに用いられる、保磁力が小さく透磁率の大きい材料。
注3)タンディッシュ炉
連続鋳造の際、溶かした金属を鋳型に流し込む前に貯蔵する中間容器としての炉。
注4)誘導加熱
導電性材料(主に金属)を加熱するための非接触の加熱方式。
【二酸化バナジウムナノ粒子】AISTとADMAT、NEDOプロジェクトでマイクロ波加熱による高速合成法開発
今回、急速加熱が可能なマイクロ波反応容器を用いた水熱合成法により、サーモクロミック特性を示す二酸化バナジウム(VO2)ナノ粒子を従来の30分の1程度の短時間で合成する手法を開発した。この手法により、合成時間を大幅に短縮できるだけでなく、粒子径が揃い、粒子径の小さなVO2ナノ粒子を合成できる。さらに、VO2ナノ粒子の物性を変化させるための元素を従来よりも高濃度に添加することもできる。
今後は、計算(予測・材料設計)・プロセス(試作)・計測(評価)の技術開発を三位一体で進めることにより、機能性ナノ粒子分散材料の開発を高速化するための基盤の構築を目指す。

ハイブリッド自動車や電気自動車などの次世代自動車では、エンジンの排熱などが利用できないため冬場の暖房負荷が大きい。そのため、夏場の冷房負荷と冬場の暖房負荷の両方が航続距離の減少の大きな要因である。そこで、夏場は冷房負荷と日射のジリジリ感を低減し、冬場は太陽光の日射エネルギーを利用してポカポカ感を得るという観点から、光の透過率を制御できるスマートウィンドウが注目されている。現在市販されているスマートウィンドウは可視光域の調光に主眼が置かれているが、自動車で用いる際には視認性を確保するため、可視光域は調光せず(見た目が変わらない)、近赤外光域の熱線だけを調光する特性が望まれる。また、設置やコスト面から自律的に調光する材料が望まれている。そのため、最近は環境温度によって近赤外光域の光学特性が自律的に変化する二酸化バナジウム(VO2)を用いたサーモクロミック方式のスマートウィンドウの研究が盛んに行われている。
AISTではVO2のサーモクロミック特性に関して、実用化の観点から、低コストで大量生産に対応可能な水熱合成法によるVO2のナノ粒子の合成技術開発に取り組んでいる。VO2は良好なサーモクロミック特性を示すが、次世代自動車用のスマートウィンドウに適用するには、視認性の観点からフィルムの濁り度と可視光域の透過性に改善の余地があった。濁り度の改善には、できるだけ粒子径が揃っており、小径化されたナノ粒子が必要である。また、可視光透過率の改善にはVO2の物性を変化させるための元素の添加が有効であることが示唆されていた。
AISTとADMATは、計算科学技術・プロセス技術・先端計測技術の三位一体によるVO2などの酸化物ナノ粒子を分散させた樹脂フィルムの高速製造プロセスに関する研究開発に取り組んでいる。特に計算科学技術によって、可視光域での光学特性を向上させるための元素を添加したVO2の光学特性を予測し、プロセス技術によって作製されたナノ粒子やナノ粒子分散樹脂フィルムの光学特性を実験的に実証している。今回、このような計算による予測から実験による実証までを迅速に行うために、マイクロ波を用いた水熱合成法によってVO2ナノ粒子を高速に合成するプロセス技術の開発に取り組んだ。
なお、この研究開発は、NEDOの受託事業「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」(平成28~令和3年度)による支援を受けて行った。
通常加熱の水熱合成法では、熱伝導により周囲温度が合成容器に伝わり、主に対流によって容器内の反応溶液の温度が上昇する。この方法では、溶液の温度を急速に上昇させることが困難である上、溶液温度が空間的に不均一になるといった欠点がある。そのため、サーモクロミック特性を示すVO2ナノ粒子を合成するには30時間程度の時間を要し、粒子径の揃った小径のナノ粒子の合成は困難であった。これに対し、マイクロ波を用いた水熱合成法は、高密度のエネルギーを合成容器内の溶液に直接照射することで、極めて短時間で均一に溶液の温度を上昇させることができる。また、反応容器はマイクロ波によって殆ど加熱されないので、降温時間も大幅に短縮され、通常加熱よりも合成温度をより高温にできる。しかし、通常加熱の水熱合成で用いてきた原料溶液を、マイクロ波水熱合成で用いると、目的外の結晶相も形成されてしまうために、良好なサーモクロミック特性を示すVO2ナノ粒子が合成できなかった。そこで、均一加熱・急速加熱・高温加熱というマイクロ波水熱合成法の利点に適した原料溶液を調製することで、結晶核生成と結晶相形成に至る過程の制御が可能となり、良好なサーモクロミック特性を示すVO2ナノ粒子の合成に要する時間を、従来の30分の1程度の1時間以内まで短縮できた。さらに、短時間で合成が終了するため、粒子の成長を抑えることができ、従来よりも小粒子径で粒子径が揃ったナノ粒子が合成できた。図1に通常加熱とマイクロ波加熱で水熱合成したVO2ナノ粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。通常加熱水熱合成では、一次粒子径が25~50nm(平均粒子径37.2nm)であり、一部ではあるがロッド状の粗大粒子(長径80~120nm程度)も観察された。これに対しマイクロ波水熱合成では、一次粒子径が15~25nm(平均粒子径19.1nm)であり、粒子径の揃った小粒子径のVO2ナノ粒子が合成されたことがわかる。


次に、サーモクロミック特性を調べるため、マイクロ波加熱で水熱合成したVO2ナノ粒子の分散液を透明樹脂フィルムの表面に塗布したサーモクロミックフィルムを作製し、10℃と80 ℃で分光透過率を測定した(図3)。VO2ナノ粒子が絶縁体相である10℃に比べて、金属相である80℃では近赤外光域全域(780〜2500nm)にわたって透過率が減少しており、例えば太陽光強度が比較的大きい波長1250nmにおける10℃と80℃との透過率の差(調光幅)は47.9%であり、VO2を用いたサーモクロミック方式のスマートウィンドウの研究分野でのトップデータとほぼ同等の大きな値を示した。また、人間の目が感じる可視光領域(380〜780nm)の10℃での透過率は54.%であり、比較的高い可視光透過率と良好なサーモクロミック特性が両立されていると言える。


粒子径
ナノ粒子の直径を指す。一次粒子径は走査型電子顕微鏡写真の目視の粒子径、平均粒子径は市販の粒子径解析ソフトを用いて走査型電子顕微鏡写真から求めた平均の粒子径。分散粒子径は粒度測定装置で求めたナノ粒子分散液中の凝集体の粒子径。一般的に、分散粒子径は一次粒子径よりも大きくなる。
マイクロ波
300MHz~30GHz(波長:1m~10mm)の周波数範囲の電磁波。今回の合成装置では、電子レンジと同様の周波数2.45GHz(波長:約12cm)を用いている。
水熱合成法
100℃以上で1気圧以上の高温高圧の熱水存在下で行われる物質合成法。
サーモクロミック特性
光学特性(透過、反射、吸収など)が環境温度に依存して可逆的に変化する物質の特性。
二酸化バナジウム
サーモクロミック特性を示す代表的な物質。68℃を境に絶縁体相から金属相への相転移が生じ、この相転移に起因してサーモクロミック特性を発現する。
スマートウィンドウ
電気、光、熱などの外的刺激によって光の透過率、反射率や色調を変化させることができる素材を用いた窓で、太陽光や熱の出入りを制御することにより空調負荷を減らすことできる。
可視光
人間の目で見える波長の光であり、その波長範囲はおよそ380~780nmである。
近赤外光
波長が比較的短い赤外光であり、その波長範囲はおよそ780~2500nmである。太陽光の約半分は近赤外光であり、近赤外光は熱線である。
可視光透過率
可視光(波長:380~780nm)に対する人間の目の感度を考慮した光の透過率。
変動係数
標準偏差を平均値で割った値。平均値に対するデータとばらつきの関係を相対的に示す。
第一原理バンド計算
実験で得られた結果を用いないで行う、物質の電子構造(バンド構造)を求める計算。この結果から物質の光学特性等を見積もることができる。
【バイオ合成】住友化学、米スタートアップ企業へ出資
住友化学(株)は、このたび、コナジェン(Conagen)社を中核とする米国のスタートアップ企業グループの1社で、機能性食品素材である次世代ステビア甘味料を事業化したスィージェン(SweeGen)社に10百万USドルを出資した。今回の出資により、両社をはじめとする企業グループとの戦略的協業関係を強化し、合成生物学と住友化学の技術とを融合させた革新的技術を確立することで「環境負荷低減」や「ヘルスケア」といった重点分野における次世代事業の創出を加速させる。
住友化学は、気候変動や環境保全問題を社会が直面する重要課題と捉え、これらの課題を解決するため、化学合成だけではなく、化石資源への依存度が低いバイオ合成にも着目してきた。合成生物学に強みをもつスタートアップとの協業をグローバルに進めることにより、環境負荷低減に資するコスト競争力のある新プロセスの開発や、化学合成では困難とされた高機能素材の開発を目指している。その一環として、数年前より、微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化までを一貫して行うことができるコナジェン社との間で、既存化学品のバイオ合成に関する共同研究を開始するとともに、新規な高機能素材の開発についても協議を重ねてきた経緯があり、今回の出資を決定した。
スィージェン社は、機能性食品素材としての新たな甘味料市場の創出を目指し、コナジェン社からの技術ライセンスに基づき、次世代ステビア甘味料を事業化した。同製品の特長は、自然物由来の原料を用いて生産され、Non-GMO、ノンカロリー、かつ従来型のステビア甘味料と比較して砂糖により近いおいしさであることで、飲料・食品業界からも注目されている。一方、人々の健康への関心の高まりに加え、生活習慣病や肥満の予防対策として2016年に世界保健機関(WHO)が砂糖を多く含む清涼飲料への課税を呼びかけたことから、欧州や東南アジア等の国々で砂糖税が導入されるなど、砂糖の代替として低カロリーな甘味料の使用を促す動きが世界的に広まっている。こうした背景から、次世代甘味料の急激な需要拡大が見込まれるため、スィージェン社は、新工場の建設および開発・販売体制の拡充を進めている。
住友化学は、事業の本格的な立ち上げ期を迎えたスィージェン社への出資を契機とし、これまで進めてきたコナジェン社およびスィージェン社との協業を深化、拡大させる。将来的には、スィージェン社の工場を実証実験の場として活用することにより、ダウンストリームプロセス(精製、廃液処理)に関する革新的技術開発や、それを適用して新設する自社プラントでの高機能素材などの生産を目指す。
住友化学は、現中期経営計画において「次世代事業の創出加速」を基本方針の1つに掲げ、「環境負荷低減」「ヘルスケア」「食糧」「ICT」の4重点分野で新規事業を実現するため、独自のイノベーションエコシステムの構築を進めている。引き続き、スタートアップ企業やアカデミア等とのオープンイノベーションを通じて、非保有技術を獲得し、自社技術と組み合わせることで、サステナブルな社会の実現に向けた技術開発と新たな事業領域の開拓に取り組んでいく。
■コナジェン(Conagen)社について
2010年に設立されたコナジェン社は、バイオテクノロジー産業の中心地であるボストンを拠点とする、同分野で高い実績を持つバイオテクノロジー企業。合成生物学を活用したソリューションを幅広い産業に提供しており、微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化まで一貫して行うことにより、食品、栄養剤、香料や医薬品など多岐にわたる製品の生産性向上や競争力強化に貢献している。
■スィージェン(SweeGen)社について
2013年にカリフォルニア州で設立されたスィージェン社は、合成生物学を活用した技術により、食品、香料、飲料業界向けの低カロリー、ノンカロリー、Non-GMOの次世代ステビア甘味料の開発、生産、販売を行っているスタートアップ企業であり、多くの製品群、知財ポートフォリオ、専用製造設備、研究開発力を有している。
【K2019】日精樹脂工業、電気式射出成形機の次期グローバル戦略機「NEX-Vシリーズ」初公開
「NEX-Vシリーズ」の最大の特長は、成形工場のIoT化の推進を主眼に開発した新型コントローラ「TACT5」を搭載している点。同社は、1984年に成形工場の生産監視・集中監視システムを開発以降、「工場の視える化」を推進しており、高度化・高速化するデジタル社会、情報化社会に対応しつつ技術開発を進め、今回「TACT-5」を開発。IoTへの対応技術を「N-Constellation」として提案を開始する。この新型コントローラの搭載により、射出成形機をハブに各種周辺機器をネットワーク化することが可能となり、稼働情報のリアルタイム収集はもとより、遠隔でのモニタリングやリモートメンテナンスサービスを実現する他、将来的には予知保全の実現も見据えている。
NEX-Vシリーズの主な特長は次の通り。
(1)IoT技術によりスマート工場を実現する最新コントローラ「TACT5」搭載
OPC-UA※1標準搭載により、Euromap77・83※2への対応を標準化。MES(製造実行システム)対応をはじめ、周辺機器接続用の通信規格対応を容易とし、成形機をハブとして、取出ロボットや材料供給装置、金型温度調節機等の周辺機器の一元管理が可能となる。
*操作パネルはフラットシートとし、水濡れ・埃に強いタッチパネルを搭載。ユニバーサルデザインを採用し、作業者に優しい視認性に優れた操作パネル。
*画面は15インチLCDの縦長配置で、同社独自の上下2画面表示により、見やすく直感的な操作が可能な画面デザイン。
*稼動履歴や成形モニタデータによるトレーサビリティを容易にするなど、充実した品質・生産管理機能やメンテナンス機能を搭載。
(2)射出成形機の世界統一の安全規格ISO20430(国際標準化機構にて制定中)に準拠。統一規格を先取りし、同社のグローバル戦略機と位置付けて開発
(3)小さな機械・大きな金型
*機械全長は業界最小クラスを維持しつつ、業界トップクラスのワイドプラテンとロングデイライトを実現。近年、複合一体化ニーズや製品形状の複雑化によって大型化している金型やホットランナ金型、長尺成形品の金型等にもフレキシブルに対応。
*同社独自の低圧成形システムとの組み合わせにより、従来使用している金型に対して、1クラス下の型締力の成形機を選択することも可能。
(4)より速く・より精密に
*ハイサイクル動作を実現した、現行シリーズの型締トグル機構を継承。型開閉等のハイサイクル動作により、生産性の向上に貢献。また、従来信頼性の高い「フラットクランプ型締機構」は、面圧の均一性とねじれに強い構造設計である他、可動盤スライド部に標準装備したリニアガイドにより、型締直進精度が優れており、バリなどの成形不良を防ぎ再現性に優れた精密安定成形を実現。金型や型締機構の長寿命化にも寄与。
*耐摩耗性に優れたトグル機構とリニアガイドの採用により、グリスの煩わしさを低減。クリーン度が向上しており、容器や医療業界からのクリーンルーム対応ニーズにも、より威力を発揮する。
日精樹脂工業は1983年、世界で初めて電気式射出成形機を開発、その後も継続して基礎技術の開発、基本性能の向上を実現してきた。NEXシリーズは、2003年の販売開始以来、累計約2万台超の販売実績を有する主力機種で、今回開発した「NEX-V」は第5世代にあたり、2016年5月に販売を開始し、高い評価を得ている現行シリーズ「NEX-IV」の後継機種。
新シリーズのラインナップは、型締力294kN(30トン)~3530kN(360トン)まで9機種で、2020年5月から順次量産開始予定。
標準本体価格は、型締力2740kN(280トン)の「NEX280V-71E」で2170万円(消費税別)。

※2 Euromap(ユーロマップ):ヨーロッパのプラスチック関連業界の団体。そこで規格化されたものは「Euromap XX」(XXは追い番)という形で表される。最近は、「OPC-UA for Plastics and Rubber Machinery」協会を設立し、全世界にIndustry4.0を広める取組みを実施している(日精樹脂工業も同協会に参加)。上記OPC-UAをベースとした、MESや周辺機器接続用の通信規格を策定、制定している。
<EuromapXX通信規格世代の流れ>
成形機 Euromap63→Euromap77・83〔MES(製造実行システム)接続がターゲット。制定済み〕
ロボット Euromap79〔規格策定中〕
周辺機器 Euromap82.1 金型温度調節機〔制定済み〕、Euromap82.2 ホットランナ〔策定中〕
【バイオマスナイロンフィルム】東洋紡、「バイオプラーナ 二軸延伸ナイロンフィルム」を開発、製品化
東洋紡(株)は、原料の一部にバイオマス(植物資源)由来のナイロン樹脂を使用した業界初(※)の包装用フィルムとして、「バイオプラーナ(R)二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)」を開発した。今月中にサンプル出荷を開始し、2019年度中の量産開始を目指す。
二軸延伸ナイロンフィルムは、優れた耐ピンホール性や耐衝撃性が特長で、液体包装、詰め替えパウチ、レトルト包材などさまざまな用途で使用されている。近年ますます環境意識が高まる中、このたびバイオマス由来の樹脂を使用した包装用の二軸延伸ナイロンフィルムを新たに開発。石油由来原料のみを使用したナイロンフィルムと同等の性能を実現した。バイオマス由来のナイロン樹脂を使用した包装用フィルムが製品化されるのは業界で初めて(※)。
「バイオプラーナ® ONY」の原反 「バイオプラーナ® ONY」のイメージイラスト
同社は 2011 年にバイオマス由来のポリエステル樹脂を使用した「バイオプラーナ(R)PET フィルム」を上市。食品包装用途を中心に幅広く採用されてきた。また、電気・電子部品や自動車関連素材用として、バイオマス原料を使用した高融点ポリアミド樹脂「バイロアミド(R)」など、環境に配慮した製品を積極的に展開している。バイオマス由来の二軸延伸ナイロンフィルムを新たにラインアップに加えることで、環境負荷の低減に貢献する製品の拡充に努めていく。
※2019 年 10 月 15 日現在、同社調べ
■包装用「バイオプラーナ(R)二軸延伸ナイロンフィルム」について
バイオマス由来のナイロン樹脂を使用しながら、石油由来原料のみを使用した従来品と同等の性能を有する、包装用の二軸延伸ナイロンフィルム。
・サンプル出荷:2019 年 10 月中
・量産開始:2019 年度中(予定)
・ラインアップ:15μm(片面コロナ処理/両面コロナ処理)
・主な用途:液体包装、詰め替えパウチ、レトルト包材など
【K2019】SONGWON、新規難燃助剤発表、プラスチック業界発展へのコミットメント確認
50年以上にわたる業界のリーディングカンパニーであるSONGWONは、着実に業績を伸ばしてスペシャルティケミカルの開発、生産、供給におけるグローバルリーダーに成長した。同社の成功は、業界における経験、革新力、より多様化かつ複雑化する顧客のニーズに応えるハイパフォーマンスソリューションを提供すると同時に、進化する市場動向にも応えられる対応能力との相乗効果に基づいている。
K2019において、SONGWONは、数多くの川下産業における難燃剤の需要増加を背景に、グローバルの難燃剤市場からの要求に応える良い機会と捉え、その添加剤の専門知識を活用し、難燃剤の新規製品を上市する。SONGFLAME* 難燃剤(FR)は、その相乗効果により、幅広い用途においてハイパフォーマンスと競争の優位性を発揮するもので、発泡体から、ポリオレフィン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)などのさまざまなポリマーまで、多種多様な素材向けのハロゲンフリーソリューションを促進する。SONGFLAMEのテクノロジーは、熱硬化性樹脂、木材、コーティング、接着剤の用途にも推奨される。
SONGWONは、戦略的コラボレーションの価値を十分に理解しており、木材の非毒性FRのヨーロッパ大手メーカーであるNordtreat社との提携を歓迎した。今後、両社は協力しながら、木材市場向けに安全性に優れ、かつ環境に優しいFRソリューションを開発する。K2019のSONGWONブースを訪れると、すべてがNordtreat社製品でコーティングされているブースの木材を見て、両社のコラボレーションを体感できる。
また、SONGWONは、プラスチック業界の他の主要各社とのプロジェクトにも参加している。ハロゲンフリー素材の新しい可能性を見出し、さらに持続可能なソリューションを提供することで、プロジェクトの成果が期待されている。
* 商標登録申請中
SONGWONは、プラスチックに関連する主要な課題と傾向を注視する戦略を維持しながら、最適なソリューションを提供し続ける。SONGWONは、サステナビリティ、製品の安全性などのプラスチック素材に関連する重要な課題に対処する新しいソリューションを顧客に確実に提供し続けるために、新たなテクノロジーの開発に注力する。
PP-Rパイプ向けの新たなソリューションであるSONGXTEND(r) 2151 / SONGXTEND(r) 2152の採用で、プラスチックパイプメーカーはSONGWONが長年培った専門知識を活用することができる。この添加剤は、軽量、高速かつ信頼性の高い溶接接合と耐食性に対する効果により、暖房、配管、家庭用水道管に最適。
SONGXTEND(r) 1105は、フェノール系酸化防止剤とハイパフォーマンス亜リン酸塩をベースにした新しいブレンドで、Cr-HDPEブロー成形樹脂の安定化における樹脂メーカーの要求に対応する。このブレンドによって、色彩が改善され、単独またはブレンドで使用される他の一部のハイパフォーマンス亜リン酸塩と比較しても、優れた加水分解安定性が保証される。
SONGWONでは、自動車業界がその用途別の課題に対応できるよう特別に配合したソリューションも公開している。欧州の自動車OEMの内装、ボンネット内部に使われる部品用途に要求される高い長期熱安定性(LTTS)を満たすように設計されたSONGXTEND(r) 2721は、再生ポリプロピレンコンパウンドの長期熱安定性を向上させる。
農業用向けに特化して開発された革新的で信頼性の高い光安定化システムも紹介される。SABO(r) STAB UV 216は、優れた耐熱性および耐UV性を備えているため、高濃度硫黄が存在する環境でも使用できる耐農薬性温室フィルム用途に適合した製品。
SONGWONは、これらのイノベーションに加えて、スズ中間体、PVC安定剤、ポリマーにおけるその実力と長年の専門知識も披露する。
SONGSTOMER(tm) ポリエーテルTPU製品であるP-3280A10/P-3285A10/P-3285-A10U/P-3290A10/P-3295A10/P-3254-D10は、ケーブル、チューブ、フィルム、プロファイル、コンパウンド、マスターバッチなど、数多くの用途に最適で、長期の熱老化、熱可塑性加工において変色が少なく、加水分解および微生物に対する高い耐性など、従来よりも高い機械的物性を安定的に確保し、コンパウンドにも優れた性能を生み出す。
SONGSTOMER(tm) ポリエステルTPUシリーズの2つの新製品で、TPU/POMコンパウンド分野におけるその専門知識を紹介する。エンジニアリングバックル、チューブ用クリップ、スポーツ用品、レジャー用品などの射出成形部品に最適のSONGSTOMER(tm) P-3175AおよびSONGSTOMER(tm) P-3180Aは、射出成形、押出成形が可能で、より小さな顆粒サイズも使用することができるため、迅速かつ容易に融けることで、コンパウンドの生産性を高めることができる。
SONGWONは、最近の開発実績を実証するとともに、サステナビリティ戦略を強調し、実際のソリューションのベースであるイノベーションの強さと世界クラスの専門知識に注目している。同社は、循環経済の確保とプラスチック産業における循環経済への移行に向けてキープレイヤーとして自らを位置付け、持続可能な発展への貢献度を強調する。
インダストリアル ケミカルズ ディヴィジョンリーダーのエレナ・スカルトリッティ氏は、「当社は持続可能なイノベーションに取り組む業界のリーダーとして、お客様が直面する課題に耳を傾け、それを把握することで、プラスチック業界の付加価値の創造と発展のサポートを目指します。K2019は、お客様と直接お会いして、最新の業界の動向を把握したり、他の主要各社と情報を共有したり、当社のスペシャルティケミカルの卓越したノウハウを示す絶好の機会と考えています」と述べている。
【Printing】コダックジャパン、商業印刷向け完全無処理CTPプレートの新製品「SONORA CX2」発表。パッケージ印刷市場にも本格参入
SONORA CX2は、商業印刷や出版印刷向けの完全無処理CTPプレートで、現行品と比べてUV印刷における耐刷性が50%向上していることに加え、視認性・耐傷性も現行品よりさらに20%向上していることが最大の特長。UV耐刷性が大幅に向上し、様々な印刷資材や印刷条件への対応幅が大きく広がったことで、パッケージ印刷の市場ニーズにも柔軟に対応することが可能になる。今回の製品改良は、2016年秋に視認性を従来品より1.5倍に高めた改良と、2018年初頭に耐刷性を2倍にまで飛躍的に高め、耐傷性も大幅に向上させた2回目の改良に次ぐ、3回目となるもので、今回の大幅な性能アップを機に、製品名称を「SONORA CX2」へと改めた。
コダックの完全無処理CTPプレートのSONORAシリーズは、コダックジャパンの群馬事業所の研究開発部門で開発され、2015年6月に日本市場向けに最適化した製品としてリリースされた。2015年の販売開始以来、日本国内47全都道府県に普及し、日本国内での導入社数は2019年5月には500社を超え、数多くの顧客から高い評価を得ている。コダックでは、完全無処理CTPプレートの製品開発に大きな投資をしてきており、市場のニーズに合わせた製品改良にこれまでも継続的に取り組んできた。今回の更なる製品性能の向上によって、より幅広い分野で完全無処理CTPプレートの活用がさらに加速するものと予測している。
SONORA CX2の性能改良ポイントは次の通り。
(1)UV耐刷性が50%アップ
SONORA CX2は、耐刷性と耐傷性を飛躍的に向上させるために2重の陽極酸化被膜層を採用しているが、今回の製品改良では、露光部の反応効率を大きく高める重合性化合物を新たに採用し、光硬化システムを最適化したことで、UV耐刷性が50%アップされている。市場でのテスト結果では、耐刷性能が従来よりも4倍にまで向上したという高い数値の実績も報告されている。今回の更なる耐刷性アップにより、SONORA CX2の基本仕様では7万枚の耐刷性能を実現している(耐刷性は印刷条件によって異なる)。
(2)視認性と耐傷性も20%向上
SONORA CXで使用していた発色システムをファインチューニングすることにより、定評のある視認性を更に20%向上させた。また、視認性の向上と合わせて、視認性の持続時間も更に向上している。
耐傷性能に関しては、優れた耐傷性を持つSONORA CXの基板はそのまま継続採用しながらも、感光層の塗膜強度をアップさせることにより、耐傷性も更に向上している。
(1)定評あるPress Ready Technologyによる刷り出しの早さ
SONORAが市場で幅広く受け入れられている最大の理由は、従来の現像有りプレートと同様に何の違和感も無く印刷ができるという点にある。この利点の基盤技術となっているのがコダック独自の「Press Ready Technology」。これは、従来の高感度ネガタイプのCTPプレートに必須であった酸素遮断層を必要としない技術で、機上現像性を感じさせない、現像有りプレートと同等の刷り出しの早さを実現している。
印刷では1枚目よりインクがのり始め、10枚目では既に十分な濃度に達する優れた刷り出しの早さを実現しており、このため損紙の削減にも大きく貢献する。また、SONORAは、着肉性にも優れているため印刷時に水を絞ることができる。網点の再現性も高く、特に平網品質が向上し、よりシャープで高品質な印刷の仕上がりを可能にする。もちろんSONORAの使用によって印刷機のセッティングを変える必要は基本的にはない。
(2)メンテナンスフリーで環境に優しいクリーンな作業環境を実現
プレートセッターでの露光後、現像や水洗、ガム引き、乾燥などの一切の処理工程を必要とせず、そのままプレートを印刷機にセットできる。このため自動現像機やそれに付随する一切の刷版処理機が不要なため、初期投資コストからメンテナンスコスト、液管理の作業まで、現像処理工程に関わる一切の負担を排除できる。このため、刷版製造工程におけるコスト削減や作業負担の軽減に大きく貢献するとともに、自動現像機に関わる設置スペースが不要なため刷版製造現場の省スペースを可能にする。また、処理薬品を一切使用しないため、廃液を全く排出することなく、環境に優しいクリーンな作業環境を実現する。
コダックジャパンの藤原 浩代表執行役員社長は次のように述べている。
「日本をはじめ、世界的に完全無処理CTPプレートの潮流が大きなうねりをあげ始めています。コダックの出荷べ一スでは、日本も含め全世界的に3割以上がSONORAで、完全無処理プレートへの転換がここ数年で加速度的に進んでいることは明白です。印刷業界は、環境問題への対応と利益確保を同時に追求していくことが大きなチャレンジとなっていますが、SONORAは、この両方のニーズに完壁にお応えすることのできる最適なプレートです。今回の更なる大幅な耐刷性向上と視認性・耐傷性の向上は、新たにパッケージ印刷市場のお客様のニーズにも十分お応えできるものと確信しております。現行品でも印刷市場の約8割のお仕事がカバーできると言われておりますが、今回の製品性能の向上により、SONORA CX2であれば印刷市場の9割以上のお仕事はカバーできるのではないかと期待しております。しかし、今回の製品改良が我々のゴールではありません。コダックは、完全無処理CTPプレートのリーディングカンパニーとして、今後も引き続き更なる製品改良に取り組み、より一層の性能向上を図ることで、更なる普及拡大に努めて市場を牽引してまいります」
【プラスチックマテリアルリサイクル】 旭化成とライオン、再生プラスチック素材の製品に適用する革新的な技術開発を開始
旭化成(株)とライオン(株)の両社が参加するプラスチックの高度資源循環を実現する「マテリアルリサイクルプロセスの研究開発プロジェクト」が、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募する2019年度「NEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」(課題番号:I-D3)に採択された。
実施期間:2019年7月24日~2020年7月31日
<研究開発プロジェクトの概要>
地球環境の保全が重要視される中、環境に配慮しつつ利便性の高い製品を供給するために、使用済みプラスチックを資源として再利用するマテリアルリサイクルの技術開発が求められている。
旭化成とライオンは、福岡大学工学部化学システム工学科 八尾教授が主導している計18の企業や大学・研究機関が参画する本プロジェクトの中で、再生ポリエチレンをベースとした環境製品生産及び資源循環社会システム研究を行う。研究では、一般家庭等から廃棄・回収される容器・包装プラスチックなどを再生した原料を配合したペレット製品の開発から、当該ペレットを使用した容器の成形性評価、最終製品としての品質評価までを、各工程を専門とするメーカーと共同して実施する。この検討を通じて、旭化成とライオンは、プラスチックのリサイクルシステムを構築する技術を開発する。
<各社・法人の役割>
①容器・包装プラスチックなどの回収および選別(株式会社富山環境整備)
②リサイクル原料を使用した配合技術の開発(リサイクル樹脂の性能を回復する配合技術の開発)及びペレット製品の設計・開発(旭化成、福岡大学、神戸大学)
③リサイクルプラスチック成形加工技術の開発(配合ペレットから容器を製造)(メビウスパッケージング株式会社)
④リサイクルプラスチックを含む容器に、内容物を充填し最終製品として評価(リサイクル素材の製品適用可能性を検討)(ライオン)
これらのリサイクル素材を活用した技術開発により、バージン(未使用)素材と同等の物性を示す材料に再生する革新的な技術開発を行う。さらに、当該技術を社会実装して再生材料の利用拡大を図り、新産業の創出を目指す。