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【放熱材】トクヤマ、高純度窒化アルミニウム粉末の製造設備増強

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 (株)トクヤマは、徳山製造所において高純度窒化アルミニウム粉末の需要増に対応するため、製造設備の増強を決定した。
 同社は、放熱材事業を中期経営計画における成長事業として位置付けており、放熱材事業の主要製品の高純度窒化アルミニウム粉末は、伸長著しい放熱市場での需要拡大が見込まれており、市場のニーズに対応するため、製造設備を増強することで事業拡大を図る。
 今回の増強により、高純度窒化アルミニウム粉末の生産能力は40%増強される。
 高純度窒化アルミニウム粉末の製造設備は徳山製造所徳山工場内に建設し、2020年4月の営業運転開始を予定している。


【廃車プラスチック部品】産学連携による次世代型シュレッダー装置の開発スタート。リサイクル資源化に向け

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 自動車リサイクル事業を展開する会宝産業(株)(石川県金沢市)を幹事企業とし、(株)アール・トーヨー(長崎県長崎市)、(株)福山セコ(広島県福山市)、(株)桃太郎部品(岡山県岡山市)らは、産業機械の設計・制御を手がける(株)リバーヘッドシステムズ(石川県金沢市)、金沢工業大学と連携し、このたび破砕・粉砕・洗浄が一体化した小型破砕洗浄機の開発に連携して取り組むことになった。リサイクル業界では初となる試みで、これまで小規模な自動車リサイクル業者では処理できず「廃車ガラ」としてシュレッダー処理されていたプラスチック部品のリサイクル資源化に挑む。
 近年、プラスチックのリサイクルは世界的に関心が高まっているが、自動車のプラスチック部品は多くが焼却や埋設されているのが現状。開発グループでは同装置の開発を通じて自動車産業における「次世代循環型解体ビジネス」の世界展開を目指す。
 会宝産業は事業方針として「地球規模における資源循環型社会の一翼を担う」ことを掲げ、中古自動車部品を世界86カ国へ輸出している。新興国の現地政府に対する自動車リサイクル政策の立案サポートを行うほか、リサイクル工場設備、生産工程、リサイクル技術・経営のノウハウの3点を総合した自動車リサイクルシステムを各国に提供することで、国連全加盟国が合意したSDGsの、特に「12.つくる責任 つかう責任」の達成に貢献している。
 2017年にはその活動が評価され、金沢工業大学平本督太郎 SDGs推進センター長が中心となって進めている「SDGsビジネス・アワード」を受賞している。一方、金沢工業大学ではSDGsに関する各種の取り組みが評価され、内閣総理大臣を推進本部長とする第1回「ジャパンSDGsアワード」SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を昨年12月に受賞。SDGsの推進に全学で取り組んでいる。
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 日本国内で廃車になる中古車は年間約350万台とも言われている。そしてそのほとんどが国内に約2500ある解体業者により解体され、鉄くず、プラスチックくず、使える部品として仕分けられている。廃車部品の中でもフロントバンパー、リアバンパーといった外装部品や、ダッシュボードやドアトリムなどの内装部品は大きくかさばり、保管や可搬に難があるという理由で、シュレッダー業者やプレスせん断処理業者の大型シュレッダーにより廃車ガラとして処理され、ASR(Automobile Shredder Residue)と呼ばれるミックスプラスチックとして焼却や埋設されているのが現状。
 こうした背景から自動車リサイクル事業におけるSDGsの推進を世界規模で加速させるために考え出されたのが破砕・粉砕・洗浄一体化小型破砕洗浄機。企画構想は会宝産業が行い、同業のアール・トーヨー、福山セコ、桃太郎部品と連携して取組みを進める。設計製作はリバーヘッドシステムズが担当、金沢工業大学からはロボティクス学科の土居隆宏准教授が技術アドバイザーとして参画。
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 同破砕洗浄機は効率的に破砕、洗浄することでポリプロピレンやSABS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等、再利用可能な樹脂の選別を行うことができる。またフォークリフトでの運搬も可能で、小規模な自動車リサイクル業者でも導入できるため、これまで小規模な自動車リサイクル業者では処理できず「廃車ガラ」としてシュレッダー処理されていた部品のリサイクル資源化が可能となる。さらにネットワークを介してクラウドでデータが管理されているので、どの車両のどのプラスチック素材をどれだけ回収したかがわかり、より確実な再生プラスチックの生産が可能となる。
 またこれまでは再生事業者までの輸送コストが高く事業の採算性が取れないことや、再生事業者からみると中小の解体事業者からの受け入れは供給や品質の確保の面での不安から、リスクを加味した買取価格とならざるをえないという課題もあった。これに対して、同破砕洗浄機ではクラウドでデータ管理が可能で、解体業者が共同納入することで輸送コストが削減でき、また共同による価格契約の締結も可能となるため、採算性の向上に期待ができるようになる。
*この取り組みは「自動車解体業者が連携した自動車プラスチック素材再資源化促進事業」として、全国中小企業団体中央会の「平成29年度補正 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」の助成対象にも採択されている。

【フッ素樹脂】AGC、5G高速高周波プリント基板用材料「Fluon+ EA-2000」の生産能力を大幅増強

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 AGC(株)は、主に5G*1高速高周波向けプリント基板用材料として使用可能な、フッ素樹脂「Fluon+(フルオンプラス) EA-2000」専用製造設備導入による生産能力の大幅増強を決定した。2020年の5G本格実用化に向け、今後見込まれる需要の大幅増加に対応するため、供給体制を新たに同社千葉工場に構築し、2019年9月より稼働を開始する。
 あらゆるモノがインターネットに接続するIoTの時代を迎え、2020年を目途に5Gの運用が開始される見込み。高周波帯を利用する5G向けプリント基板用材料であるCCL*2には、伝送損失*3の低い材料が求められている。AGCのFluon+ EA-2000は、耐熱性、電気特性などフッ素樹脂の優れた特性を維持しつつ、接着性・分散性をプラスした製品。同製品を用いたプリント基板を使用した場合、既存材料に比べて伝送損失を30%以上低減することができる(28GHz帯で比較)。更に優れた接着性・分散性を持つため、ユーザーの加工形態によらずフッ素樹脂の優れた低伝損特性を活かすことが可能。
 またEA-2000の優れた低伝損特性は、フレキシブルCCL、リジットCCL共に適用が可能なため、スマートフォンなどのモバイル機器をはじめ、基地局、サーバー、車載用など様々なプリント基板に展開可能。今後5G実用化に伴い需要の大幅な増加が見込まれることから、この度EA-2000の生産能力を大幅に増強する。
 AGCグループは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」において、モビリティおよびエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付けており、中でも5Gを大きな事業機会と捉えている。今後も長年培ったガラス・電子・化学品・セラミックスの技術を複合化させ、次世代高速通信技術の発展に貢献すると共に、この分野で積極的に事業を拡大していく。
*1 5G:第五世代移動通信システム。「高速大容量」「超高信頼性・低遅延」「超大量接続」が要求特性。
*2 CCL:銅張積層板のこと。(Copper Clad Laminate)
*3 伝送損失:通信線路上を流れる電気信号の劣化度合いのこと。

【ミックスキシレン】出光興産、愛知製油所で商業生産開始

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SnapCrab NoName 2018 8 31 18 3 44 No 00 R 出光興産(株)は第5次連結中期経営計画においてFuel to Chemical※の推進を掲げ、 愛知製油所にて装置新設を進めてきたが、このたびミックスキシレン装置※2が完成し、2018年8月より商業生産を開始した。生産能力は17万t/年を有し、石油化学製品事業拡大への寄与だけでなく、燃料油と石油化学原料の需給動向に対し柔軟な対応が可能となる。
 ミックスキシレンは、日常生活でも身近なポリエステル繊維・PETボトルの基礎原料として使われており、旺盛な需要(成長率5%/年)があるアジアを中心に販売展開をしていく。
※1 Fuel to Chemical:ガソリン留分を化学製品に活用するなどして、 製造効率の最適化を図ること
※2 ミックスキシレン装置(改質ガソリンキシレン回収装置):ガソリンに含まれるアロマ成分を蒸留分離し、 ミックスキシレンを回収する設備

【環境対応型ビジネス】伊藤忠商事、TBMと資本・業務提携しLIMEX事業を拡大

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 伊藤忠商事(株)は、(株)TBMとの間で資本・業務提携を締結し、TBM社の「LIMEX(ライメックス)」事業の拡大に向けて協業する。

 「LIMEX」は石灰石を主原料とし、石油由来であるプラスチックの使用量を抑えたプラスチック代替製品となる新素材。

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    LIMEXの主原料である石灰石(左)とLIMEX製品例(右)

 近年、海洋汚染の主要因としてマイクロプラスチックの問題がクローズアップされており、欧州をはじめとする多くの国々においてプラスチックゴミの削減に向けた規制が強化されている。今後世界中の企業が、限りある天然資源の使用を削減し、環境負荷が低い代替素材への切り換えを行なっていくことが予想されている。

 TBMが開発・製造・販売している「LIMEX」は世界40か国以上で特許を出願し、日中欧米を含む20か国以上で登録済み。

 伊藤忠商事はESGを事業推進の重要課題と位置づけ、本資本・業務提携を通じて当社の強みである世界的なネットワークを活用したLIMEXおよびLIMEX製品の用途開発及び販売を推進する。

 また、世界各国にLIMEXの生産技術を付与するライセンス事業を支援することでTBMのLIMEX事業拡大に取り組んでいく。

■株式会社TBM

 代表者:山崎 敦義

 所在地:東京都中央区銀座 2-7-17-6F

 設立:2011年

 資本金:60億7,080万円(資本準備金含む)/2018年3月時点

 事業内容:LIMEX及びLIMEX製品の開発・製造・販売

 URL: https://tb-m.com/limex/

【アルコール飲料向け液体紙容器】大日本印刷、香気成分の吸着を抑制した「DNP低吸着包材」を開発

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 大日本印刷(株)(DNP)は、アルコールに含まれる香気成分がフィルムに吸着することを抑制し、風味を保持したまま、常温での長期保存が可能な口栓付きのアルコール飲料向け液体紙容器「DNP低吸着包材(液体紙容器)」を開発した。

2018 09 04 DNP

【開発の背景】

 DNPは、持続可能な社会の実現に向けて、さまざまな課題の解決につながる機能を付与したDNP機能革新パッケージシリーズ「ADJUST PACKAGING」の開発を進めている。そのなかで、食品分野で長年培ってきたフィルム製膜技術とラミネート技術を応用し、医薬品や化粧品などに含まれる有効成分や香気成分が吸着しにくいフィルムを使用した低吸着包材を開発した。また2015年には、同製品に使う低吸着フィルムをポリアクリロニトリル(PAN)系からポリオレフィン系のフィルムに替えることで、フィルム同士の融着強度を2~3倍に引き上げた「DNP低吸着包材」を開発した。この低吸着フィルムをアルコール飲料用の容量の大きい液体紙容器の最内層に使うことで、耐久性を高めることができたが、清酒や焼酎など独特の香りを持つ飲料では、香りを長期間保つために、さらなる包材の低吸着性能が求められていた。

 今回DNPは、従来の「DNP低吸着包材」の樹脂の配合量の見直しなどにより、低吸着性能をさらに向上させ、酒類・飲料などの風味を長期間保持できる「DNP低吸着包材(液体紙容器)」を開発した。

【「DNP低吸着包材(液体紙容器)」の特長】

 ○新たに開発した「DNP低吸着包材(液体紙容器)」は、従来の「DNP低吸着包材」と比較して低吸着性能が向上。例えば、清酒中のカプロン酸エチルの低吸着性能が13.5%向上することで清酒の風味の長期保持を可能にした。

 ○「DNP低吸着包材(液体紙容器)」は、充填機などの既設の生産ラインに対応可能で、設備改修や新規設備導入などは必要ない。

 ○清酒と芋焼酎の風味の保持性を確認するため、「DNP低吸着包材(液体紙容器)」「DNP低吸着包材」および「低吸着でない紙容器」で、充填から10日後の内容物の香り成分の残存率を測定し、比較した。その結果、今回開発した「DNP低吸着包材(液体紙容器)」は、清酒や焼酎の香りの主要成分である酢酸イソアミルやカプロン酸エチルが他の容器に比較して多く残存していることが分かった。

【今後の展開について】

 DNPは同製品を、清酒・焼酎などの酒類業界向けに販売し、2019年度で年間3億円の売上をめざす。また、同製品を「DNP易解体液体紙容器(*1)」や「DNPキャップ・中栓同時開封注出口(*2)」と組み合わせることで、内容物の香りを保持しながら、簡単に開栓できて分別廃棄もしやすく、人にも環境にも配慮した液体紙容器の開発を進めていく。

 なお、本年10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」のDNPブースに「DNP低吸着包材(液体紙容器)」を出展する。

【アクリルゴム】日本ゼオン、タイにアクリルゴムの製造・販売拠点設立

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 日本ゼオン(株)は、アクリルゴムの製造および販売事業を展開するために、タイに子会社を設立することを決定した。
 アクリルゴムは耐熱性、耐油性に優れた特殊ゴムの1つで、その特性を生かし、内燃機関搭載車のシールやガスケット、ホースなどの素材として使用されている。パワートレインの電動化が進む一方、世界の内燃機関搭載車の伸びとターボ搭載車比率の高まりによって、アジア地域を中心に、アクリルゴムの需要増が見込まれる。
<新会社の概要>
1.商 号 :Zeon Chemicals Asia Co.,Ltd(仮称)
2.所在地 :タイ国 ラヨーン県
3.資本金 :1,250百万THB(約41.6億円)
4.事業内容:合成ゴムの製造販売
5.設立時期:2018年10月中旬(予定)
6.株 主 :日本ゼオン 100%

【シリコーン事業】信越化学、設備投資に1,100億円。国内外のシリコーンモノマーから最終製品までの生産能力を拡充

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 信越化学工業(株)は、主力事業の1つであるシリコーン事業で1,100億円近くの設備投資を実施する。シリコーンの中間製品のモノマーとオイル系・樹脂系・ゴム系の様々な最終製品の生産能力を、国内外の主要な拠点で増強する。世界の多くのユーザーから、多種多様な要望を受けており、これに応えていくために一連の投資を行う。これらの投資により、一貫生産体制を更に強化するとともに、顧客の課題解決に貢献できる力を高める。
 今回の設備投資は約2年半にわたり段階的に実施し、モノマーの増強と最終製品の増強を並行して進めていく。投資の内訳は、モノマーなど中間製品の生産能力の増強に約500億円、最終製品の生産能力の増強に約500億円、その他インフラや出荷など付帯設備の増強に約100億円を見込む。モノマーは日本とタイの既存の拠点、最終製品群は日本に加え海外にある6カ国の既存の拠点での能力を増強する。
 シリコーン製品の需要は世界のGDPの平均的な伸びを上回る伸長が見込まれる。このように堅実な伸びが期待されるシリコーン製品の需要を幅広く捉え、かつ柔軟に対応していく。
 シリコーンは、信越化学にとって過去から現在に至るまで戦略的に重要な事業であり、これからもその存在価値を高めていく。今回の生産能力の強化により、顧客とともに成長し、主要シリコーンメーカーとしての地位を強化していく。


【塩化ビニル樹脂】信越化学、10月1日納入分から12円/kg以上値上げ

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  信越化学工業(株)は、塩化ビニル樹脂(塩ビ)の国内向け販売価格を、2018年10月1日納入分から、1kg当たり12円以上値上げする。
 同社は、今年4月にエチレン、ナフサを始めとした原燃料価格の急騰を理由に値上げを実施したが、ナフサ価格はその後も相場が一段と上昇し、不安定な動きを続けた後、ここへきて騰勢を強めている。更にユーティリティや輸送のコストも上昇している。また、既存の生産設備は操業スタートから長期間経過しており、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテナンス費用は従来以上に必要となっている。継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、この度の原燃料価格の上昇は企業努力の限界をはるかに超えるものとなっているため、塩ビの今後の安定供給を維持するためにも、今回の価格改定に至った。
 なお、塩ビの国内外の需要は堅調に推移している。一方、中国で環境規制の強化等により塩ビの供給量が減少していることから、世界の需給は逼迫しており、価格は高値で推移している。

【電子工業用薬品】トクヤマ、10月1日出荷分より値上げ

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  (株)トクヤマは、電子工業用イソプロピルアルコール(以下IPA-SE)、フォトレジスト用現像液(以下SDシリーズ)、電子工業用メチレンクロライド(以下メタクレンSE)の国内価格について、2018年10月1日出荷分より価格改定することを決め、商社および需要家などとの交渉に入った。
 値上げ幅は、IPA-SEが1L当たり9円以上、SDシリーズが1L当たり5円以上、メタクレンSEが1L当たり5円以上。
 IPA-SEの主要原料となるナフサ価格は2018年第3四半期に53,000円/KL程度まで上昇すると予想されており、収益を圧迫している。また、IPA-SE、SDシリーズ、メタクレンSEの物流費も上昇している。いずれも自社の合理化努力のみで吸収することは困難と判断し、価格改定を行うこととした。

【洋上風力発電設備】MHI Vestas Offshore Wind、英国トライトン・ノールプロジェクトでV164-9.5MWを90基受注

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 三菱重工業(株)とデンマークのヴェスタス社(Vestas Wind Systems A/S)の洋上風力発電設備合弁会社であるMHI Vestas Offshore Wind A/S(MHIヴェスタス)は、英国東岸の北海洋上で進む86万kW級のトライトン・ノール(Triton Knoll)洋上風力発電プロジェクト向けに、世界最大出力9,500kW級の洋上風力発電設備V164-9.5MWを90基受注した。2021年の運転開始を予定するもので、併せて5年間のサービス保守契約を締結。MHIヴェスタス設立以来、最大規模の受注となる。
 トライトン・ノール洋上ウィンドファーム(Triton Knoll Offshore Wind Farm)は、リンカンシャー(Lincolnshire)海岸から約32km東方の沖合いに建設されるもの。発電された電力は、英国家庭80万世帯以上の年間消費電力量を賄うことができる。
 MHIヴェスタスは、V164-9.5MWタービン90基を同プロジェクトへ納入するにあたり、ウィンドファームの建設海域に近い英国の港(Seaton港)を活用して、タワー、ブレード、ナセルの保管、ならびにタービン仮組み作業から洋上設置船への積み込みを行う。これにより、一連の出荷業務に関わる40~50人規模の地元雇用が創出できると考えている。
 同事業は、ドイツの再生可能エネルギー・送配電事業会社であるイノジー社(innogy SE)の傘下企業である英国Triton Knoll Offshhore Wind Farm Ltd.が手掛けているもの。
 MHIヴェスタスの納入済みおよび今後納入予定の発電設備の総出力は、8.4GWを超えている。今回の受注をさらなる弾みとして、一層の受注拡大をはかり、再生可能エネルギー由来電力設備の供給を通じて環境負荷低減に貢献していく。

【省エネ・省資源】三菱ケミカル、より薄く高強度なポリプロピレン系多孔質フィルムを開発

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 三菱ケミカル(株)は、薄く高強度なポリプロピレン系多孔質フィルムを開発した。PP系多孔質フィルムの空孔径、空孔率、空孔分布などの構造因子を材料設計とプロセス設計に落し込み、空孔構造を精密に制御することにより、リチウムイオンの透過性を維持しながら、フィルム厚みを3マイクロメートルまで薄膜化し、突刺し強度を単位厚み換算で2~3倍まで高め、従来技術では成し得なかった薄膜化と高強度化の両立に成功した。開発したPP系多孔質フィルムを、リチウムイオン電池のセパレーターに適用すると、機械的変形に対する短絡耐性を維持しながら、セルの20%程度の高容量化につながる。また、分離膜などの各種多孔質フィルムに適用すれば、機器を小型化でき、省エネルギー・省資源化への貢献が見込まれる。

 今後は2020年代前半を目途に、今回の解析手法や材料設計・プロセス設計の指針などをPP系以外のさまざまな高分子多孔質フィルムにも適用して、各種フィルムの性能向上とそれらの用途拡大につなげていく。

 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の1つである「超薄膜化・強靭化『しなやかなタフポリマー』の実現」(伊藤 耕三 プログラム・マネージャー)の一環として取り組んだ研究成果である。多孔質体は、分離、吸着、断熱、吸音などの多機能を有することから種々の用途に展開されている。例えば、紙おむつに使われている透湿防水シート、リチウムイオン電池の主要部材である電気絶縁性・リチウムイオン透過性などの機能を有するセパレーターなどがある。同プログラムにおいては、ポリプロピレン(PP)系の多孔質フィルムであるリチウムイオン電池のセパレーターに着目し、そのタフ化を目指した研究開発に取り組んできた。

 リチウムイオン電池は車載用への需要が高まっているが、現状では、高容量化が重要課題となっている。リチウムイオン電池の高容量化にはいくつかの方法があるが、セパレーターの薄膜化も有効であると言われている。しかし、単に薄くすると機械的強度が下がり、本来のセパレーターの機能を担保できないという問題があった。

 同プログラムでは、セパレーターを構成する多孔質フィルムの薄膜化と高強度化の両立を目指して、各種製法による多孔質フィルムについて、放射光X線散乱法などを用いた高次構造解析と機械的特性試験との結果から、高強度化するための材料設計指針を構築し、それを具現化するため、材料および製膜プロセスの両面から検討を重ねた。その結果、従来の性能(電気絶縁性、リチウムイオン透過性)を維持しながら、厚みを従来の主流であった20~30マイクロメートルから5マイクロメートルまで薄膜化するとともに、単位厚みあたりの突刺し強度を2~3倍まで高めることに成功した。これにより、理論上、電池容量を20%程度向上させることが可能となった。

 今回の材料設計指針やその具現化方法を他の高分子多孔質フィルムにも適用して、各種多孔質フィルムの性能向上、並びにそれらの用途拡大につなげていく。また、各種機器の小型化などによる、省エネルギー化や省資源化を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献していく。

 なお、本研究成果は、群馬大学 河井 貴彦 助教、お茶の水女子大学 奥村 剛 教授、九州大学 高原 淳 主幹教授、東京大学 伊藤 耕三 教授、山形大学 伊藤 浩志 教授らの研究と連携することで得られたものである。

 今回の成果は、以下のプログラム・研究開発課題によって得られた。

 内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)

 URL: https://www.jst.go.jp/ImPACT/

 プログラム・マネージャー:伊藤 耕三

 研究開発プログラム:

  「超薄膜化・強靱化『しなやかなタフポリマー』の実現」

   https://www.jst.go.jp/impact/program/01.html

 研究開発課題:「Li電池セパレーター薄膜化」

 研究開発責任者:玉田 源典(三菱ケミカル株式会社 研究開発企画部 特任マネージャー)

 研究期間:平成26年度~平成30年度

 同研究開発課題では、高分子多孔質フィルムにおいて、従来トレードオフの関係にある、薄膜化と高強度化を両立することに挑戦している。

【燃料電池用フッ素系電解質ポリマー】AGC、耐久性5倍の無補強高性能電解質薄膜を開発

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 AGC(株)は、耐久性5倍の無補強高性能電解質薄膜を開発した。燃料電池の電解質膜において、乾湿サイクル耐久性に影響するタフ化指標を見出し、ポリマー主鎖の柔軟化という新しいコンセプトでポリマー設計をすることにより、薄膜化すると乾湿サイクル耐久性が低下するという、従来の無補強電解質膜が有していたトレードオフの関係からの脱却を実現した。そして、SPring-8等の大型設備で検証しながら、ミクロ構造を制御した燃料電池用のフッ素系電解質ポリマーを開発した。

 電解質の膜厚を従来の5分の1に相当する5マイクロメートルにしても、25マイクロメートルの無補強の従来品に対し、5倍以上の乾湿サイクル耐久性を持たせることに成功した。薄膜化した電解質膜を用いることで、発電出力の向上が達成できる。通常、電解質膜を薄くすると水素の膜透過量が増えるが、新規電解質ポリマーと無機層状化合物の複合により、導電性を保持しつつ水素透過量を減らす技術に目途が得られてきた。

 今後、本件成果に基づく電解質膜の薄膜化により、燃料電池スタックサイズが30%小型化できるだけでなく、加湿器が不要な簡素なシステムが達成でき、水素社会の実現に向けた燃料電池システムの本格普及につながることが期待される。そのため、実用化を目指し、数年内でプロセス開発やシステムの検証を進めていく。

 この発表は、AGCが、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACTの1つである「超薄膜化・強靱化『しなやかなタフポリマー』の実現」(伊藤耕三プログラム・マネージャー)の一環として取り組んだ研究成果。

 近年、地球環境に優しいエネルギー変換デバイスとして固体高分子形燃料電池の実用化が進んでいるが、水素社会の実現に向けた燃料電池の本格普及には、発電出力の向上やシステムの簡素化が強く求められている。膜の低抵抗化による発電出力の向上や、水管理を容易にすることによるシステムの簡素化には、電解質膜の薄膜化が有効。一方で、一般的なフッ素系電解質ポリマーから成る電解質膜には、無補強で薄膜化すると発電時の負荷変動に耐えうる機械的な耐久性(乾湿サイクル耐久性)が大きく低下するというトレードオフの関係があり、樹脂などで補強する必要があった。

 このプログラムでは、このトレードオフの関係からの脱却を目指して、電解質膜の破壊挙動に関する基礎的検討に取り組み、その中で、劣化メカニズムの解明や劣化を支配するマクロな膜物性の抽出、さらにはミクロなレベルでの膜物性の理解を進めた。そして、これらの知見に基づいた新しいコンセプトによる電解質ポリマーを創出した結果、トレードオフの関係からの脱却を実現し、膜厚を従来無補強膜の1/5に相当する5マイクロメートルに低減しても、5倍以上の乾湿サイクル耐久性を持つ新規電解質薄膜の開発に成功した。

 電解質膜を薄くすると、水素の膜透過量が増えて燃料電池システムの燃費性能の低下をもたらすが、このプログラムでは、新規電解質ポリマーと無機層状化合物との複合化による水素透過量低減の検討を進めており、これによって、目標の膜抵抗と耐久性を維持したまま水素透過量を低減する技術に目途が得られてきている。

 開発した電解質薄膜は、次世代燃料電池自動車を始め、ポータブル用および家庭用の燃料電池、再生可能エネルギーからの水素製造に向けた水電解用システムなどへの展開が期待できる。今後は、水素社会の実現に向けて、高耐久・低抵抗・低水素透過な電解質膜の実用化を進め、持続可能な社会の実現に貢献することを目指す。

 なお、この研究成果は、東京大学 伊藤耕三教授、理化学研究所 相田卓三副センター長(東京大学 教授)、高田昌樹グループディレクター(東北大学 教授)、石田康博チームリーダー、山形大学 伊藤浩志教授、松葉豪准教授、弘前大学 澤田英夫教授、九州大学 高原淳主幹教授、小椎尾謙准教授、名古屋大学 岡崎進教授、篠田渉准教授らの先進的な研究と連携することで得られた。

今回の成果は、以下のプログラム・研究開発課題によって得られた。

内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)

https://www.jst.go.jp/impact/ 

プログラムマネージャー: 伊藤 耕三
研究開発プログラム: 「超薄膜化・強靱化『しなやかなタフポリマー』の実現」 https://www.jst.go.jp/impact/program/01.html

研究開発課題: 「燃料電池電解質膜薄膜化プロジェクト」 

研究開発責任者: 立松 伸
(AGC 商品開発研究所 新商品第2部⻑) 

 研究期間: 平成 26年度~平成30年度 本研究開発課題では、高性能かつ高耐久な無補強電解質薄膜の実現に取り組んでいる。 

【商業印刷】共同印刷、NISSHAの子会社の日本写真印刷コミュニケーションズから株式譲渡契約を締結

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 共同印刷(株)は、2018年9月4日、NISSHA(株)およびその子会社で情報コミュニケーション事業を担当する日本写真印刷コミュニケーションズ(株)の3社間において、日本写真印刷コミュニケーションズが東京地区において展開する事業(一部を除く東京地区の商圏およびその事業基盤)を共同印刷に譲渡することについて合意し、同事業を譲渡対象とする株式譲渡契約を締結した。

■背景

 国内の一般印刷市場は情報メディアの多様化による需要の低迷などを背景に市場規模の縮小が続いている。こうした市場環境を踏まえ、2016年3月、共同印刷および日本写真印刷コミュニケーションズは、資本業務提携契約および生産受委託契約の締結により、日本写真印刷コミュニケーションズから共同印刷への生産委託を旨とする協業関係を構築し、生産体制の再編や品質管理体制の確立、購買活動や物流業務の合理化・効率化に取り組んできた。

 今回、両社は2016年から現在に至る協業とその信頼関係に基づき、同事業の譲渡を実行することで一致した。共同印刷は情報コミュニケーション部門の収益基盤を強化すること、日本写真印刷コミュニケーションズは東京地区の事業を縮小し、同社の強みである高精細で高品位な色調再現が活かせる分野を中心として関西地区に事業基盤を集約することを基本方針としている。両社はそれぞれの強みを活かせる市場・事業領域へ経営資源を適切に配分することにより、事業収益の改善を目指す。

■概要

・ 日本写真印刷コミュニケーションズは、新たに設立する子会社に本事業を吸収分割(略式分割)し、2019年1月7日付でその株式の90%を共同印刷に譲渡する。日本写真印刷コミュニケーションズは株式の10%を継続保有する。

・ 譲渡対象となる商圏は日本写真印刷コミュニケーションズの東京地区における現状の売上高の約80%にあたる70億円規模であり、残りの20%は同社が継続する。

・ 譲渡対象となる事業基盤は、日本写真印刷コミュニケーションズの社員(約30名)、および有形無形の資産などから構成される。

■今後の予定

 共同印刷は現在、情報コミュニケーション部門の再構築に取り組んでいる。株式譲渡契約の締結後は、本事業の円滑な移行と合わせ、業務フローの見直し・生産体制の効率化等を推進して事業収益の改善を図るとともに、成長戦略に基づく施策を着実に遂行することで、中期経営計画の達成を目指す。

 なお、新会社の業務開始は2019年1月7日を予定。

【細胞分離・濃度計測デバイス】京セラ、開発に成功。ライフサイエンス分野における検査・分析作業の前工程を自動化

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 京セラ(株)は、自動で血液などから特定の細胞を分離して濃度を計測するチップ型の「細胞分離・濃度計測デバイス」の開発に成功した。開発に成功したデバイスは、ライフサイエンス(生命科学)分野の検査や分析において、血液などから特定の細胞を抽出するなどの前工程作業の自動化に貢献する。例えば、白血球を用いる検査の前工程において同デバイスを用いることで、自動で、血液中の白血球を高精度で分離し、同時に白血球の濃度を計測することが可能。これにより、今後ますます需要が高まるライフサイエンス分野の研究開発での検査・分析などにおいて、作業時間の短縮や省人化を図ることができ、健康寿命などを対象とするライフサイエンス分野の発展に貢献する。また、京セラは同デバイス専用の細胞分離・濃度計測機器もあわせて開発しており、今後は検査・分析の対応範囲を広げて、再生医療や予防医療などに関する多くの研究開発用途に展開し事業拡大を図る。
 細胞分離・濃度計測デバイスのサイズはW75×D35×H8mm、2019年春から滋賀八日市工場で生産する。
 ライフサイエンス分野では、生体中の遺伝子やたんぱく質などを用いた最先端の検査技術の研究開発が世界で盛んに行われている。研究開発された技術が実用化されることで、今後、早期診断や予防医療のための次世代検査が一般的となり、次世代検査の市場は高い成長率で拡大し、10年後にはグルーバルで約1兆5,000億円規模になると見込まれている。一方、研究開発に必要な検査・分析の前工程では、経験を積んだ熟練技能者が専用試薬の調合や研究機器の操作などを行わねばならず、人材の不足や作業の効率化などが大きな課題となっている。
SnapCrab NoName 2018 9 5 14 18 59 No 00 R 細胞分離・濃度計測デバイスは、血液などから遺伝子を含む細胞を分離し、細胞濃度を計測する工程に使用される。例えば、遺伝子を含む白血球を用いる検査の前工程では、超微細な流路を形成するプレート型の同デバイスに血液を流すことで白血球とそれ以外の細胞とを分離して白血球のみを抽出する。同時に、独自開発した受発光デバイスで白血球の濃度を計測する。現在、白血球を抽出するには、熟練技能者が約90分かけて特殊な薬品や遠心分離機を使い作業を行うが、同デバイスを機器にセットすると約30分間で自動で同じ作業を完了することができる。さらに、デバイスを並列に配置して一斉に処理することが可能となり、現状の作業と比べて10倍以上の高い生産性を実現することができる。
 細胞分離・濃度計測デバイスの開発には、印刷機器に搭載されるプリンティングデバイスで培った微細加工技術(フォトリソグラフィ)が活かされている。超微細な流路を樹脂製のプレートに形成することで、細胞のような小さな物質を連続的に分離できるデバイスを開発することができた。また、細胞の計測は、プリンターのトナー濃度検出用の受発光センサを応用し、超小型のLEDとPD(フォトダイオード)を同一のシリコン基板上に形成する独自技術を採用することで、デバイスの小型化に成功した。
 細胞分離・濃度計測デバイスは、9月7日(金)まで幕張メッセ国際展示場で開催中のアジア最大級の分析・科学機器専門展示会「JASIS2018」で展示されている。
 国立大学法人広島大学 大学院医歯薬保健学研究科 副研究科長 田原栄俊教授からのエンドースメント。
 「我々が未病検査としてグローバルな普及を目指すテロメアテストは、少量の白血球を正確にカウントすることが必要です。しかし、手作業では多くの時間を費やし測定誤差も出てくることが大きな課題でした。京セラが開発した本デバイスは、少量の血液からダイレクトに正確な数の細胞を分離精製して集めることが簡単にできることから、その課題が解決できる大きな技術と捉えています。今後、未病検査がグローバルに普及されることによって、世界の健康長寿と医療費削減を狙うための土台となる技術になることが期待されます」


【Packaging】働き方改革・生産性改革を推進する先進企業として富士特殊紙業を安倍首相が視察

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 食品パッケージの印刷・加工を手がける富士特殊紙業(株)は「働きやすい職場環境づくり」に向けた先進的な取り組みを進め成長を続ける企業として、8月30日、安倍首相の視察訪問を受けた。杉山仁朗会長、杉山真一郎社長が社内を案内し、同社が開発した水性グラビア印刷技術やデジタルグラビア印刷機『FUJI・M・O®』、さらに福利厚生制度などについて説明した。
SnapCrab NoName 2018 9 5 15 11 11 No 00 R 
女性や高齢者が活躍できる職場環境づくり

 富士特殊紙業は、地球環境問題、労働環境問題を改善し、包装する食品の安全を図るため、業界で初めて脱溶剤を掲げ「水性グラビア印刷技術」を開発し、実用化に成功したほか、2015年には、富士フイルムとの共同プロジェクトによりデジタルグラビア印刷機『FUJI・M・O®』(フジモ)を開発。この“UVインクジェットと水性グラビアのハイブリッド印刷機”が、昨今急速に進む小ロット・多品種化に対応する革新的な印刷技術であると高く評価されている。また、かねてから推進していた働き方改革や、女性や高齢者が活躍できる職場環境づくりにも「水性グラビア印刷技術」や『FUJI・M・O®』が大きく貢献しているとして、今回の視察につながった。
 同社は、女性や高齢者を含め、誰でもが安心して活躍できる職場環境づくりに長年取り組んでおり、「出産育児、介護支援制度」「66歳定年制」などを実施。また、女性だけでなく男性社員からも高く評価されているのが、事業所内に設置された保育所『あかつきキッズランド』。これは、いわゆるキッズスペースとは違い、乳児から幼児までの保育を目的とした独立した保育施設で、自社だけでなく近隣企業の従業員の子どもも預かっている。これらの取り組みが評価され、富士特殊紙業は「ダイバーシティ経営企業100選」「あいち女性輝きカンパニー」「障害者雇用優良企業」の認定を受けている。
 商品開発面では、食品パッケージ印刷のパイオニアとして、有機溶剤を使用しない低環境負荷の印刷・加工方式を積極的に採用することで、“食の安心・安全”を社会に提供している。経験豊富な高齢技術者の技能を活かし、グラビア印刷技術の中でも極めて難易度の高い水性グラビア印刷の実用化を果たしたことで、より安全性の高い製品づくりが可能になり、 商品価値の向上にもつながったほか、併せて開発した無溶剤ラミネート技術により、印刷からラミネート工程までを含めた有機溶剤フリーを実現した。
 さらに、この水性グラビア印刷の技術を活かして富士フイルム、オリエント総業、ミヤコシと共同開発した『FUJI・M・O®』は、急増する小ロットジョブに効率よく対応でき、ジョブ切り替え時もグラビア印刷用のシリンダー交換が白1版のみで済むため、作業負荷軽減に寄与。工場全体の生産性を大きく向上させているだけでなく、重いシリンダーの交換作業が軽減されたことで女性でも働きやすい職場環境が実現し、働き方改革にもつながっている。
 職場環境改善の取り組みについて、同社の杉山仁朗会長はこう語っている。
 「愛知県は、データからもわかるとおり、求人の難しい地域であることから、職場環境を改善することで、より良い人材を集め、社員の定着率の向上も図りたいという思いがあった。また、当社は20年以上前から定年を66歳としているが、今後、長寿化に伴って定年が延びる傾向は続いていくと考える。さらに女性の活躍も広がっていくだろう。こうしたことからも、“誰もが働きやすい職場環境”を整えることは非常に重要なことだと認識している」

スキルレス化に貢献する『FUJI・M・O®』に期待の言葉
 今回の視察で安倍首相は、まずショールームでさまざまな食品パッケージのサンプルを手に取りながら、水性フレキソ印刷技術などの解説を熱心に聞いた後、印刷現場を見学。杉山真一郎社長から「グラビア印刷は、高度な技能を必要とし、重量物を扱うこともあるため、高齢者や女性には厳しい職場だが、『FUJI・M・O®』は、入社したばかりの女性オペレーターが難なく使いこなしている。食品パッケージの印刷にこのような人材を起用している例は世界で他に例がない」と説明を受けると、「誰もが働きやすい環境を実現されており、まさに“一億総活躍社会”の理念に合致した取り組みだと思う」と評価。また、『FUJI・M・O®』についても「これからの小ロット・多品種の時代に相応しい、画期的な印刷機だ」と述べ、今後のさらなる活用に期待を示した。
 また、安倍首相視察の後、杉山仁朗会長は、次のように語った。
 「当社では、“食品のおいしさを包む”という観点と、社員の健康を守るという目的から、積極的に水性化に取り組んでいる。また、VOCの削減は、東京都がオリンピックに向け重点的に取り組んでいる課題でもあり、“VOCの少ない製品の選択”が全国的に広がりつつある。その点、『FUJI・M・O®』や水性グラビア印刷は、VOCの発生が極めて少なく、社会的な潮流にマッチした技術である。安倍首相には、こうした独自技術の開発経緯や具体的なメリットなどについてご説明し、高く評価していただいた」  同社は今後、人や環境にやさしい印刷機として『FUJI・M・O®』をさらに改良しながら積極的に活用していくほか、グラビア印刷工程・接着工程における有機溶剤の削減にも引き続き取り組み、職場環境のさらなる改善を目指す。

【花粉対策素材】帝人フロンティアの「ポランバリア」、JAPOC認証マーク取得

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 帝人フロンティア(株)が展開している花粉対策素材「ポランバリア」が、花粉問題対策事業者協議会(以下「JAPOC」)の認証マークであるJAPOCマークを取得した。認定番号はJAPOC-0043~0049。衣料用の生地がJAPOCマークを取得するのは初めて。
 JAPOCマークは、JAPOCが制定した花粉問題対策のシンボルマークであるとともに、JAPOCの規格を満たした製品・用品に付与される認証マークで、関連業界の発展および生活の向上に寄与することを目的としている。
 「ポランバリア」は、細い糸を高密度に織り上げ、生地の表面を平滑にすることにより、衣服についた花粉を落としやすくした花粉対策素材で、コート、ジャンパーなどのアウターウェアやスポーツウェアなどの素材として使用されている。
 このたび「ポランバリア」が衣料用の生地として初めてJAPOCマークを取得したのは、衣服に付着した花粉を払い落としやすい性能や衣服着用時の快適性能など、衣料用の生地に対する全ての評価基準をクリアしたことによるもの。

【Package】大日本印刷、リサイクルに適した単一素材(モノマテリアル)のフィルムパッケージを開発

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 大日本印刷(株)(DNP)は、食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージ2種を開発した。

 今回、洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に最適なポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを開発した。

【モノマテリアルパッケージ開発の背景】

 地球温暖化などの環境課題が世界的に広がるなか、パッケージにも環境負荷を低減することが求められている。特に近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、欧州連合(EU)では使い捨てプラスチック容器の禁止やリサイクルを義務づける法案が提出されるなど、全世界で使用後のプラスチックを資源として再利用するためのリサイクルを推進していくことが求められている。それに対して、これまでのフィルムパッケージは、特性の異なる複数の素材を組み合わせることで、保存性や強度などの各種機能を付与しているため、リサイクルがしにくいという課題があった。

 DNPは、環境配慮パッケージシリーズ「Green Packaging」を開発しており、数年前より材料メーカーとともにモノマテリアルによるフィルムパッケージの開発に取り組み、今回その製品化に成功した。

【開発したモノマテリアルパッケージについて】

 洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に適したポリエチレンには、フィルムを貼り合わせる際のシール強度は優れているが、酸素バリア性や耐熱性が弱いという課題があった。また、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレンのフィルムには、用途によっては酸素バリア性が十分でないという課題があった。

 今回DNPは、これらのフィルムに、これまで培ってきたプラスチック基材へのコンバーティング技術や製膜技術、蒸着技術などを活かして必要な性能を付与することで、フィルムパッケージとしての機能を損なうことなく、ポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、ポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを実現した。さらに、地球温暖化防止への取り組みとして、一部に植物由来原料を使用した「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズのフィルムを使用することで、石油由来の原材料の使用を削減するとともに、ライフサイクル全体のCO2排出量の削減にも寄与してく。

 これまで、パッケージの環境配慮に関心があっても、コスト障壁を越えてまで取り組む企業は多くなかった。しかしながら昨今の環境に対する危機感から、コストがアップしても環境配慮の取り組みを推進する企業が増加しています。今後は益々環境配慮パッケージへの要求が高まっていくことが予測される。

【今後の展開】

 DNPは、製造するフィルムパッケージをリサイクルしやすいモノマテリアルパッケージなどに切り替えることにより、2025年度で国内と海外市場において年間500億円の売上を目指す。

 現在DNPは、「ヒトから考えるパッケージイノベーション」を包装事業のビジョンとして掲げ、生活者視点に立ったパッケージの開発を行っている。今後も、モノマテリアルパッケージの性能向上や製品ラインナップの拡充を進めていく。また、フィルムパッケージのリサイクルを推進する技術の開発や、スキーム(枠組み・仕組み)の構築についても、リサイクル業者や食品・日用品メーカー、流通企業などと共同で推進していく。

 なお、本年10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」のDNPブースにて、今回開発したモノマテリアルパッケージを紹介する。

【PVC】AGC、インドネシアで生産能力を75万トンに拡大

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 AGC(株)は、インドネシアの同社グループ会社、アサヒマス・ケミカル社(ASC社)における塩化ビニル樹脂(PVC)生産能力を20万トン増強し、75万トンに拡大する。操業開始は、2021年第2四半期を予定しており、東南アジア地域でのPVC年間生産能力は約120万トンとなる。

 AGCの東南アジアにおけるクロール・アルカリ事業は、インドネシア、タイ、ベトナムで展開している。同地域では製造業やインフラ事業等が経済成長に伴い継続的に拡大しており、今後もクロール・アルカリ事業で手掛けている苛性ソーダやPVCの需要は安定的に伸長することが見込まれている。この旺盛な需要に対応するため、インドネシアのASC社で2016年の苛性ソーダやPVCなどの大規模増強に引き続き、今回のPVC生産能力増強を決定した。

 AGCグループは経営方針 AGC plusの下、東南アジアにおけるクロール・アルカリ事業の拡大に注力しています。今後も更なる能力増強を実施し、東南アジア地域No.1のポジションを確固たるものにすると共に、同地域の経済発展に貢献していく。

参考

■アサヒマス・ケミカル社概要

社名 アサヒマス・ケミカル株式会社

代表者 木下 勝也

所在地 本社:インドネシア・ジャカルタ

    工場:インドネシア・バンテン州チレゴン

資本金 84百万ドル

出資比率 GC 52.5% 三菱商事 11.5% 現地パートナー 36%

設立 1986年

事業内容 苛性ソーダ、二塩化エチレン (EDC)、塩ビモノマー(VCM)、

     塩化ビニル樹脂(PVC)等化学品の製造販売

【Package】大日本印刷、リサイクルに適した単一素材(モノマテリアル)のフィルムパッケージを開発。リサイクル業者等とリサイクル技術や仕組みの構築にも取組み、海洋汚染の低減に貢献

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  大日本印刷(株)(以下:DNP)は、食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージ2種を開発した。
 今回、洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に最適なポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを開発した。

モノマテリアルパッケージ開発の背景

 地球温暖化などの環境課題が世界的に広がるなか、パッケージにも環境負荷を低減することが求められている。特に近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、欧州連合(EU)では使い捨てプラスチック容器の禁止やリサイクルを義務づける法案が提出されるなど、全世界で使用後のプラスチックを資源として再利用するためのリサイクルを推進していくことが求められている。それに対して、これまでのフィルムパッケージは、特性の異なる複数の素材を組み合わせることで、保存性や強度などの各種機能を付与しているため、リサイクルがしにくいという課題があった。
 DNPは、環境配慮パッケージシリーズ「Green Packaging」を開発しており、数年前より材料メーカーとともにモノマテリアルによるフィルムパッケージの開発に取り組み、今回その製品化に成功した。

開発したモノマテリアルパッケージについて
 洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に適したポリエチレンには、フィルムを貼り合わせる際のシール強度は優れているが、酸素バリア性や耐熱性が弱いという課題があった。また、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレンのフィルムには、用途によっては酸素バリア性が十分でないという課題があった。
 今回DNPは、これらのフィルムに、これまで培ってきたプラスチック基材へのコンバーティング技術や製膜技術、蒸着技術などを活かして必要な性能を付与することで、フィルムパッケージとしての機能を損なうことなく、ポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、ポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを実現した。さらに、地球温暖化防止への取り組みとして、一部に植物由来原料を使用した「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズのフィルムを使用することで、石油由来の原材料の使用を削減するとともに、ライフサイクル全体のCO2排出量の削減にも寄与していく。
 これまで、パッケージの環境配慮に関心があっても、コスト障壁を越えてまで取り組む企業は多くはなかった。しかしながら昨今の環境に対する危機感から、コストがアップしても環境配慮の取り組みを推進する企業が増加している。今後は益々環境配慮パッケージへの要求が高まっていくことが予測される。

今後の展開
 DNPは、製造するフィルムパッケージをリサイクルしやすいモノマテリアルパッケージなどに切り替えることにより、2025年度で国内と海外市場において年間500億円の売上を目指す。
 現在DNPは、「ヒトから考えるパッケージイノベーション」を包装事業のビジョンとして掲げ、生活者視点に立ったパッケージの開発を行っている。今後も、モノマテリアルパッケージの性能向上や製品ラインナップの拡充を進めていく。また、フィルムパッケージのリサイクルを推進する技術の開発や、スキーム(枠組み・仕組み)の構築についても、リサイクル業者や食品・日用品メーカー、流通企業などと共同で推進していく。
 なお、来る10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」のDNPブースにて、今回開発したモノマテリアルパッケージを紹介する。

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