DIC(株)は、小牧工場(愛知県小牧市)において、同社がグローバルトップシェアを有するPPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンドの生産設備増設を決定した。投資金額は約8億円で、生産能力を年産3,500t拡大させ、2018年9月の稼動開始を予定している。
スーパーエンジニアリングプラスチックの1つであるPPSコンパウンドは、高い耐熱性や耐薬品性、寸法安定性などが評価され、金属の代替素材として自動車用部品に加え、給湯器などの住設分野で多用されている。特に自動車向けでは、採用部品の拡大や要求スペックの高まりによる他プラスチックからの代替、電装部品での採用などもあり、1台当たりの使用量は年々増加する傾向にある。
このような背景もあり、グローバル需要は年率6~8%で拡大している。PPSコンパウンドの主要な需要地である日本も同様の市場環境にあるが、DICグループとしてこの旺盛な需要に応え、さらに事業を拡大していくため、このたびの増強を決定した。
DICグループでは、現在進行中の中期経営計画「DIC108」においてPPSコンパウンドを成長牽引事業の1つとして掲げ、ポリマからコンパウンドまでの一貫生産体制を強みに順調に実績を上げてきた。近年グローバルで進めてきた生産体制の強化、技術拠点の整備を生かし、現在27%のグローバルシェアを2018年に30%以上にすることで、グローバルリーダーの地位を磐石にする。
<PPS関連生産能力、2018年9月以降>
PPSコンパウンド
日本 小牧 26,500トン(23,000トン+増強3,500トン)
オーストリア 6,000トン
マレーシア 4,500トン
中国 6,000トン
合 計 43,000トン
PPSポリマ
日本 23,000トン
(鹿島・袖ヶ浦)
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【PPSコンパウンド】DIC、生産能力増強
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