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【FPD】2017年大型TFTディスプレイ市場、出荷面積6%増で成長維持。テレビの大型化が要因、IHS Markit調べ

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<2017年9月11日発表(ロンドン)>英調査会社IHS Markit (Nasdaq: INFO)の調べによると、大型TFT(薄膜トランジスタ)ディスプレイ市場は2017年、エンドマーケット需要の鈍化をよそに成長を維持する見通し。2017年の出荷数は前年比1%増の6億8800万枚にとどまるものの、出荷面積は同6%増の1億8000万m2に伸びると見られている。
 9インチ以上のディスプレイのなかでも、タブレットPCディスプレイの2017年出荷数は前年比10%増の9300万枚で、最も高い成長率を記録する分野となりそうだ。「これはティア1のセットブランドが大型スクリーンを備えたタブレットPCモデルを増やしているからで、10.5インチディスプレイ搭載の新iPadがその良い例だ」とIHS Markit主席アナリストのピーター・スー氏は述べている。
 二番目に成長率の高い分野はノートPCディスプレイで、前年比4%増の1億7500万枚が見込まれている。「ティア1パネルメーカーがこの分野のパネル生産から撤退しつつある一方で、中国パネルメーカーはこの市場を拡大しようと積極的に取り組んでいる」とスー氏は解説する。
 反対に、TVディスプレイは2017年、エンドマーケット需要の鈍化を反映し前年比3%減の2億5700万枚に縮小する見通し。「大型ディスプレイ、特にTV用の価格はほぼ1年間高止まりしています。TVブランド各社は事業計画の下方修正を始めており、パネル調達を減らそうとしています」と同氏は述べている。
 一方で、大型ディスプレイの出荷面積は2017年、すべてのアプリケーションで成長を示すと見られている。消費者の間で大きなサイズのスクリーンの人気が高まっているため。大型ディスプレイの出荷面積のうち78%をTV用が占めており、2017年には5%成長が予測されている。
 スー氏は、「ティア1のパネルメーカー、特に韓国メーカーはすでに49インチ以上の大型サイズへ生産をシフトし始めており、それと同時に採算性の低い小型パネルの生産は縮小し財務実績の改善を目指しています。また、中国パネルメーカーもその動きに倣って43インチ以上の大型TVディスプレイの生産を増やし始めている」と解説している。
 TVディスプレイサイズ大型化の背景には、近い将来起こりうる供給過剰状態に備えようというパネルメーカーの姿勢もある。中国では第10.5世代を含む新しい生産ラインが建設中で、供給が大幅過剰に陥ることも考えられる。「パネルメーカーにとっては、サイズ大型化によって面積ベースの消費量を増やすことが供給過剰への対策の1つとなる」とスー氏は説明する。
 メーカー別では、LG Displayが2017年も出荷数シェア21%で首位を維持すると見られる。中国パネルメーカーのBOEは出荷数を大幅に増やし2017年には前年から2%増のシェア20.7%獲得の見通しで、LG Displayに追いつく勢い。
 IHS Markitの最新刊Large area display market Trackerは大型ディスプレイ市場の世界および地域別出荷データを収録。各ディスプレイメーカーの月別および四半期別出荷金額および出荷量を面積別、アプリケーション別、サイズ別、およびアスペクト比別にまとめている。


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