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【経営】コダック、2016年度の純利益1,600万ドルを計上

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<米国ニューヨーク州ロチェスター、2017年3月7日発>イーストマン・コダック社(ニューヨーク証券取引所銘柄コードKODK:以下コダック)が2016年度第4四半期および通期の決算報告を行った。今回の報告では、売上15億ドルに対する純利益1,600万ドルの計上ならびに主力製品ラインの持続的な成長が焦点になっている。

業績概要
・2016年12月期の純利益は前年度から9,100万ドル改善、一般会計原則ベースで1,600万ドル
・2016年度通期の営業活動EBITDAは1億4,400万ドル
・2016年度通期の売上は、前年度の17億ドルから1億6,600万ドル(10%)減の15億ドル
・主力製品ラインの実績は通年で順調に増加
・KODAK SONORAプロセスフリープレートの販売量は9%増
・KODAK FLEXCEL NXプレートの販売量は16%増
・2016年度通期の営業費(販売管理費+研究開発費)は、前年度から3,600万ドル(15%)改善して2億1,200万ドル。3,600万ドルのうち1,500万ドルは年金収入の非現金部分の増加によるもの
・2016年度末時点での現金残高は4億3,300万ドル。営業活動での現金支出は前年度から8,200万ドル改善
2017年度予測
・2017年度については売上を14億ドル~15億ドル、営業活動EBITDAを1億3,000万ドル~1億4,500万ドルと予測。この予測は継続事業部門に基づくもので、非継続事業部門に組み込まれたKODAK PROSPER事業を除外
 コダックのジェフ・クラークCEO(最高経営責任者)は次のように述べている。
 「2016年度は一般会計原則ベースで黒字になり、売上と営業活動EBITDAの目標も達成できて、とても嬉しく思います。今後もSONORAプレートとFLEXCEL NXパッケージング事業の成長を加速させるとともに、利益内容の改善に努めていきます」
 2016年度第4四半期の売上は、前年度同期比8%減の4億400万ドルとなった。為替インパクトを除いた実質ベースでは前年度同期比7%減となっている。その主な要因としては、当初から予測されていたように、従来商品であるコンシューマー向けインクジェットプリンタカートリッジの売上減が続いたこと、ならびにプリント・システムズ事業部でデジタルプレートの価格の低下が起きたことが挙げられる。
 2016年度末の現金残高は、前年度末の5億4,600万ドルに対し、4億3,300万ドルとなった。2016年度の現金の減少幅は、前年度よりも5,300万ドル縮小している。借入債務の繰り上げ返済正味額を除くと、2016年度の現金支出は前年度の1億6,200万ドルから1億3,300万ドル改善して2,900万ドルまで減少した。
 コダックのデビッド・ブルウィンクルCFO(最高財務責任者)は次のように述べている。
 「現金支出が前年度から大幅に改善したことに達成感を感じます。今後は第二順位担保権付社債の全額償還によって利払い用の現金支出が減り、2017年度にはキャッシュが創出できると期待しています」
 コダック最大の事業部、プリント・システムズ事業部(PSD)の2016年度第4四半期売上は、前年度同期から4%減の2億7,900万ドルとなった。今期の営業活動EBITDAは、前年度同期から3%改善して3,800万ドルであった。
  2016年度通期の実績を見ると、売上は前年度比8%減の10億ドル、営業活動EBITDAは前年度から6%改善して1億500万ドルとなった。この売上減の主な要因としては、世界的な価格競争圧力および中南米の不透明な経済環境が挙げられる。PSDで注目すべき事例としては、環境配慮型のKODAK SONORAプロセスフリープレートの販売数量が前年度から9%伸びたこと、KODAK LIBRAプレートKODAK ELECTRA MAXプレートも引き続き順調に伸びていることが挙げられる。
 エンタープライズ・インクジェット・システムズ事業部(EISD)(PROSPER事業が非継続事業部門に組み込まれているため、現在はKODAK VERSAMARK事業を所管)の2016年度第4四半期の売上は、前年度同期の2,200万ドルから1,900万ドルに減少した。営業活動EBITDAは、前年度同期の600万ドルに対して500万ドルとなっている。
 2016年度通期の実績を見ると、売上は前年度の8,400万ドルから7,600万ドルに減少し、営業活動EBITDAは前年度から100万ドル減の1,900万ドルとなった。この結果は、従来型のKODAK VERSAMARKでの減益が続いていることを反映したもの。
 今期の実績を見ると、非継続事業部門からの税引前損失は前年度同期の700万ドルに対して100万ドルとなった。PROSPER事業のEBITDAは400万ドル改善したが、その主な要因としては消耗品・サービスの売上増ならびに印刷機の売上損失の改善などが挙げられる。
 PROSPER事業全体の通期の実績を見ると、売上は6%増、純損失は1,100万ドル減となったが、これは減価償却費の減少、印刷機の契約条件の改善、消耗品・サービス売上の40%増によるもの。コダックではPROSPER事業の売却手続を継続するとともに、次世代のインクジェットライティングシステムKODAK ULTRASTREAMの開発への投資も継続する。
 マイクロ3Dプリンティング&パッケージング事業部(MPPD)は、KODAK FLEXCEL NXシステムおよびプレートならびに銅メッシュ技術によるタッチセンサーフィルムを所管している。2016年度第4四半期の売上は前年度同期から300万ドル増の3,400万ドルであったが、為替インパクトを除いた実質ベースでは前年度同期から400万ドル(13%)増となっている。今期の営業活動EBITDAは前年度同期から400万ドル改善して500万ドルとなったが、為替インパクトを除いた実質ベースでは前年度同期から600万ドル改善している。
 2016年度通期の実績を見ると、売上は前年度の1億2,800万ドルから3%改善して1億3,200万ドルとなった。営業活動EBITDAは前年度から100万ドル改善して1,200万ドルとなったが、為替インパクトを除いた実質ベースでは前年度から800万ドル(73%)改善して1,900万ドルとなっている。
 FLEXCEL NXは売上・販売量とも引き続き順調に推移しており、通期の売上は9%増、為替インパクトを除いた実質ベースで13%増となった。
 MPPDは、マイクロ3D印刷の分野でも顧客による技術評価で好結果を出しており、環境信頼性試験で世界トップクラスのディスプレイ・インテグレーターならびに世界的なブランド企業の両方から高い評価を得ている。
 ソフトウェア&ソリューションズ事業部(SSD)の2016年度第4四半期の売上は前年度同期から400万ドル減の2,300万ドル、営業活動EBITDAは100万ドル減の300万ドルとなった。
 2016年度通期の実績を見ると、売上は前年度の1億1,200万ドルから8,600万ドルに減少した。営業活動EBITDAは前年度から500万ドル減となったが、これは主に中南米で政府との業務委託契約が遅れたことによるもの。
 SSDはKODAK UNIFIED WORKFLOWソリューション(UWS)全体の大幅な強化に取組み、2016年11月にKODAK PRINERGYワークフロープラットフォームVer. 8を発表し、商業印刷における材料費の削減および生産性の向上をさらに推進するとともに、デジタル機器連携強化を図っている。
 コンシューマー&フィルム事業部(CFD)の2016年度第4四半期の売上は、前年度同期の6,300万ドルから4,500万ドルに減少、営業活動EBITDAは1,400万ドルからマイナス200万ドルに減少した。
 2016年度通期の実績を見ると、売上は2億6,500万ドルから18%減の2億1,600万ドルとなったが、これは主に当初から予測されていたコンシューマー向けインクジェットの減収3,200万ドルによるもの。営業活動EBITDAは3,600万ドル減となったが、これはコンシューマー向けインクジェットの減収に加え、KODAK Super 8 カメラおよび将来のカメラプラットフォームをサポートするための投資によるもの。
 CFDは2016年度にKODAK EKTRAスマートフォンを導入したほか、最近ではムービーとスチルの両用途向けにKODAK EKTACHROMEフィルムの再設計および製造を行う計画を発表した。
 知的財産ソリューションズ事業部(IPSD)の2016年度通期の営業活動EBITDAは、前年度のマイナス2,200万ドルから800万ドル改善してマイナス1,400万ドルとなった。この改善は研究プロジェクトの優先順位見直しによるもの。IPSDは3D印刷向け新材料開発ならびに遮光材開発の取組を拡大しており、2017年度もこのまま継続するとしている。
 イーストマン・ビジネス・パーク事業部(EBPD)の2016年度通期の売上は前年度から200万ドル増の1,500万ドル、営業活動EBITDAは前年度から横ばいの200万ドル。今期、EBPDはAIM Photonics(American Institute for Manufacturing Integrated Photonics)のテスト・アセンブリー・パッケージング製造施設をイーストマン・ビジネス・パークのエコシステムに追加したことを発表した。


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