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【スパコン】BASFとHPE、世界規模の化学研究用スーパーコンピューターを共同開発

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 BASFHewlett Packard Enterprise社(NYSE: HPE)は3月17日、BASFのルートヴィッヒスハーフェン本社における世界最大級の工業化学研究用スーパーコンピューターを、共同開発すると発表した。最新世代のHPE Apollo 6000システムをベースとする新たなスーパーコンピューターは、BASFが世界規模で行っている研究におけるデジタル化を加速させる。
 BASF取締役会副会長兼最高技術責任者(CTO)であるDr. マーティン・ブルーダーミュラーは次のように述べている。
 「この新たなスーパーコンピューターは、複雑なモデリングやシミュレーション方法の開発や利用を推進し、BASFの研究における新たな道を切り開いてくれることでしょう。私たちのニーズを正確に満たすように、HPEとBASFの専門家が共同でスーパーコンピューターの設計を進めてきました」
 この新システムにより、複雑な問題に対して答えを導き出すことが可能になり、すべての研究分野において結果を得るまでの数カ月必要だった計算を数日間で終了させることができる。BASFはデジタル化戦略の一環として、このスーパーコンピューターで仮想実験を行う能力を大幅に拡張する予定。これにより、例えば、触媒表面処理のシミュレーションの精度を高めたり、事前に定めた特性を持つ新しいポリマーの設計を加速させることなどができ、市場投入までの時間やコストの削減につながる。
 Hewlett Packard Enterpriseの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるメグ・ホイットマン氏は次のように述べている。
 「現在のデータ重視の経済では、ハイパフォーマンスコンピューティングが、宇宙探査や生物学、人工知能の発展に極めて重要な役割を果たしています。BASFが今回のスーパーコンピューターを利用して超高速で膨大な計算を行うことで、新たな課題を解決し、世界の発展に貢献する幅広いイノベーションを生み出すことを期待しています」
 Intel® Xeon®プロセッサーや、高帯域、低レイテンシのIntel® Omni-Path Fabric、HPEのマネジメントソフトウェアにより、今回のスーパーコンピューターは実効計算能力1ペタフロップス(1ペタフロップス=毎秒1000兆回の浮動小数点演算が可能)を超える単一システムとして機能する。こうしたシステムアーキテクチャにより非常に複雑なタスクについて多数のノードを同時に動かすことが可能で、計算時間が大幅に短縮される。
 Intel社のAccelerated Workload Groupのジェネラルマネージャーを務めるバリー・デイヴィス氏は次のように述べている。
 「お客様は常に、最適な総所有コストで最高のパフォーマンスを提供するシステムを探しています。Intel® Omni-Path Architectureは、優れたパフォーマンスを提供すると同時に、エントリーレベルの高性能演算クラスタから、10,000以上のノードを持つ巨大クラスタまで、コスト効率の高い形で拡張するよう設計されており、いずれの場合でも大きなメリットをもたらします」
 HPEと共同で開発、構築を行う新たなスーパーコンピューターは、数百のコンピュータノードで構成されることになる。HPE Apollo Systemsを活用することで、管理機能を簡素化して効率が高まるだけでなく、ソリューションをワークロードに合わせることができるという柔軟性ももたらす。


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