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【3Dプリンタ用樹脂】UL、日本初の認証をアスペクトに発行

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 米国の第三者安全科学機関であるUL.Incは、粉末床溶融結合法(PBF)の3Dプリンタおよび材料メーカーの(株)アスペクトの3Dプリンタ用樹脂材料(グレード名:ASPEX-PA2FR, ポリアミド12)が、日本初のUL認証(ブルーカードプログラム)を取得したことを発表した。

2020 05 29 ul

RaFaEl II 300C-HT(写真左)と3Dプリンタによる造形サンプル

 ULは、2017年4月、射出成型などの従来の成形手法に対する認証制度(イエローカードプログラム)を拡張し、積層造形(AM)という名称でも知られる3Dプリンタで使用する樹脂材料向けUL認証プログラムとして、ブルーカードプログラムを導入した。
 3Dプリンティングによる造形方法は、材料押出法(FDM)や、粉末床溶融結合法(PBF)など多岐にわたり、従来の成形方法と異なる3Dプリンタの造形方法は、試験片の出力方法により、サンプルの燃焼性、着火性、電気特性などの樹脂材料の性能に影響を及ぼす。ブルーカードプログラムでは、3Dプリンタや3Dプリンタで造形した部品/製品に用いられる材料に関して、一貫性と有用性を高める上で必要なデータを提供する。
 (株)UL Japanの山上英彦代表取締役社長は、次のように述べている。「付加造形技術は、従来の成形加工を補完する技術として世界的に普及してきており、研究開発や試作品製造の枠を超えて、幅広い製造プロセスにおいて採用が進んでいます。既存と新技術の融合が、より複雑でカスタム対応を必要とする製品設計やより進化した製造の実現に寄与することが期待されています。今回のアスペクト様への認証発行が、3Dプリンティング技術の発展の一助になるとともに、製造者の間で3Dプリンタ用の認証樹脂材料が広がることを願っています」。
 また、アスペクトの早野誠治代表取締役社長は、「当社では、粉末床溶融結合装置と粉末樹脂材料の開発・販売及び受託造形サービスなどを提供しています。今回、当社が開発したRaFaEl II 300C-HTを使って作製した試験片を用いた3Dプリンタ用樹脂材料の試験の結果、ULから難燃グレード V-0 (最小厚:3mm)を取得したことは、弊社が長年取り組んできた研究開発の成果であり、お客様のご要望を反映するものと受け止めており、大変嬉しく思っております。我々は、これからも日本のAM技術の発展に向けて明るい未来を切り開くべく、PBF技術の担い手として邁進していきます」と語っている。

株式会社アスペクトのブルーカード認証の詳細
ULの3Dプリンタ用樹脂材料に関する調査研究をまとめた白書
ULの樹脂材料の認証プログラム(イエローカード及びブルーカード)
3Dプリンタ用樹脂材料を含UL認証製品・材料に関する詳細


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