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【セルロースナノファイバー】NEDO、新製品開発の即戦力人材を育成する講座開講

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 セルロースナノファイバー(CNF)は、鋼鉄の1/5の軽さで、5倍以上の強度を有する、軽量・高強度のバイオマス由来の高性能素材で、石油由来の素材の代替となる植物由来の新材料として、幅広い分野への活用が期待されている。国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2013年より「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」プロジェクト※1において、木質系バイオマスから化学品までの一貫製造プロセスとして、「高機能リグノセルロースナノファイバーの一貫製造プロセスと部材化技術開発」を推進しており、自動車や家電などへの利用を実現するリグノCNF※2の一貫製造プロセスを世界に先駆けて開発し、パイロットプラント(京都プロセス※3)を構築した。また、同時にCNFの安全性評価基盤技術や、効率的に高性能CNFを製造できる原材料評価手法の開発を実施している。
 このような背景のもと、NEDOは、NEDO特別講座※4の一環で、このプロジェクト成果を活用し、CNFの社会実装を拡大、促進するため、企業においてCNFの新製品開発の中核となる即戦力人材を育成することを目的に、人材育成講座を2020年度より開講する。本講座は、国立大学法人 東京大学、国立大学法人 京都大学、地方独立行政法人 京都市産業技術研究所、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST)を、拠点として実施する。受講生は半年間で、講義を通じて、CNF関連の各種製造技術や分析・評価技術を体系的に習得するとともに、実習を行うことで、製品開発に必要な各種技術を身につけることができる。
 NEDOは、産業界のニーズに応えるため、最新のCNF関連技術に関して、実践的かつ即戦力となる人材の育成を目指します。
 
講座内容
(1)人材育成講座
 本講座は、以下に示したプログラムで実施する(年2回実施)。
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(2)受講者参加の合同ワークショップ
 人材交流、技術交流を目的に、4つの実施機関合同のワークショップを行う。合同ワークショップでは、企業によるCNF関連製品の紹介や大学などの公的機関に所属する研究者の成果・技術紹介、受講者による講座全体の振り返りや所属企業での今後の展開についての意見交換などを行う。
(3)周辺研究などの実施
 東京大学ら実施機関は、希望する受講企業に対して、拠点を活用してサンプル提供や分析・評価手法の検討などの周辺研究を行い、これまで想定していなかった新しい分野や用途への活用を目指す。これら取り組みを通じ、さらに本格的に研究開発の検討を希望する企業に対しては、その企業と連携可能な企業、大学、公的機関などとのマッチングなどを行い、個別の共同研究へと繋げていく。

受講方法
 3月16日より、AISTのウェブサイトから申し込み受付中。

<注釈>
※1 プロジェクト
 事業名:非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発
 事業期間:2013~2019年度
※2 リグノCNF
 CNFはセルロースナノファイバーの略語であり、パルプなどの植物繊維をナノレベルまで解すことで得られる、径が3~100nmのセルロース繊維のこと。軽量、高強度、低線熱膨張など優れた特性を示すことから、プラスチックの補強用材料として期待されている。リグノCNFは、京都プロセスにおいて得られるCNF強化樹脂複合材料中に均一分散している、表面にリグニンを残したCNF。
※3 京都プロセス
 原料である木材や竹などの木質バイオマスからリグノパルプを製造し、それを化学処理(アセチル化処理)後に、樹脂と溶融混練して、高耐熱CNF強化樹脂材料を連続的に製造するプロセスのこと。アセチル化リグノパルプが溶融混練時にナノ化し樹脂中に均一に分散することで、高性能のプラスチック材料を効率的に製造できる。
※4 NEDO特別講座
 日本の産業技術の発展のために、先端分野や融合分野の技術を支える人材の育成と人的交流の面から産学連携を促進するための「場」の形成を目的として、NEDOが実施する講座。

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