<2020年2月21日、米国カリフォルニア州アナハイム>ソルベイは、PDIヘルスケア社が実施した同社の医療用消毒剤とソルベイの各種ポリマーとの適合性研究結果を発表した。感染予防関連製品の市場をリードするPDIヘルスケア社は、ソルベイの協力を得て、ソルベイの高性能特殊ポリマーに対し、性能試験および外観評価試験を実施した。ソルベイの特殊ポリマーにSani-24®、Sani-HyPerCide™、Sani-Prime®、Super Sani-Cloth®など、PDI社のいくつかの消毒剤を使用する試験を行った。医療機器には院内感染のリスク抑制のために強い消毒剤が繰り返し使われるが、そこにはソルベイのポリマーが広く使用されている。試験結果の詳細はPDIヘルスケア社のウェブサイトで閲覧できる。
この発表の時点で、ソルベイのポリマーの93%は高い引張強度を維持し、薬剤曝露による環境応力割れ特性への重要な耐性指標とされる耐衝撃特性については100%が維持されていた。外観評価試験では、試験対象となったいずれのソルベイの材料にも表面損傷や表面劣化は認められなかった。
「有害なバクテリアを除菌消毒できるほど強力で、しかも医療機器へのダメージを引き起こさないような消毒剤を提供する為には微妙なバランスを取る必要があります」と、PDIヘルスケア社のSean Gallimore上級副社長兼ゼネラルマネージャーは述べている。「ソルベイとの協力は、医療機器の開発過程で消毒剤とポリマー材料の適合性を保証するための前向きな一歩であり、さらには医療施設におけるコスト削減と院内感染のリスク軽減に役立ちます」。
PDIヘルスケア社の性能試験は、ソルベイのアモデル®ポリフタルアミド(PPA)、レーデル®ポリフェニルサルホン(PPSU)、ベラデル®ポリエーテルサルホン(PESU)、ユーデル®ポリサルホン(PSU)を使用して行われた。近い将来には、Ixef®ポリアリールアミド(PARA)やKalix®高性能ポリアミド(HAPPA)にも試験を行う予定。外観評価試験は、ソルベイの6種類すべてのポリマーについて実施した。各試験では、各種抗菌活性を有する複数のPDIヘルスケア社製消毒剤にソルベイのポリマー材料を曝露した。引張強度およびノッチ付きアイゾット衝撃特性の試験を、それぞれASTM D543「プラスチックの化学試薬に対する体制を評価するための標準試験方法」およびASTM D638「プラスチックの引張特性に関する標準試験方法」に従って実施した。外観評価試験では、サンプル材料を消毒剤で2週間、毎日12回ずつ拭き、この試験に関与していない3人のPDI従業員が表面の変化を評価した。
「ソルベイのお客様が医療業界のトレンドに適応していくためのお手伝いとして、ソルベイは製品に関するテクニカルデータをお客様のエンジニアや設計担当者に提供するなど、広範な支援をしてきました」と、ソルベイ特殊ポリマー事業部の医療担当グローバルビジネスマネージャー、Jeff Hrivnak氏は述べている。「PDIヘルスケア社がソルベイの材料を使って行った今回の試験のように、第三者による試験から得られたデータは、十分な情報に基づく材料選択を可能にし、設計プロセスの迅速化、機器の耐用年数の最適化、そしてコスト抑制に寄与するものと期待しています」。
これらの試験結果について、ソルベイとPDIヘルスケア社は、国際見本市MD&M West 2020のそれぞれのブースで解説した。同時に、Sani-HyPerCide™、Sani-24®、Sani-Prime®およびSuper Sani-Cloth®に反復曝露されたソルベイのIxef® PARA、レーデル® PPSUおよびKalix® HPPAを使用した部品も展示された。
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【特殊ポリマー】ソルベイとPDIヘルスケア、感染予防の医療用消毒剤耐性試験で連携
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