SEMI(本部:米国カリフォルニア州サンノゼ)は、2016年の日本地区SEMIスタンダード各賞の受賞者を下記の通り発表した(所属はSEMIスタンダード活動時の在籍企業)。
■ SEMIジャパン・スタンダード賞(SEMI Japan Standards Award)
(株)SUMCO 中井哲弥氏
■ 国際協力賞(International Collaboration Award)
Tokyo Electron U.S. Holdings, Inc. Lauren Crane氏
東京エレクトロン(株) 村田尚子氏
グローバルウェーハズ・ジャパン(株) 竹田隆二氏
■「功労賞」(Honor Award)
大日本印刷(株) 法元盛久氏
日清紡メカトロニクス(株) 石川 誠氏
SCREENビジネスサポートソリューションズ(株) 西口直克氏
個人 荻原秀氏
授賞式は、12月14日(水)~16日(金)に東京ビッグサイトで開催される世界を代表するマイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2016」において、12月15日の「SEMIスタンダード授賞式・フレンドシップパーティ」の席上で執り行われる。
「SEMIジャパン・スタンダード賞」は、日本地区においてスタンダード活動に特段の貢献があった個人またはグループを表彰するもので、日本地区におけるSEMIスタンダードの最高栄誉賞であり、本年度は中井哲弥氏に授与される。
選考委員会は、中井氏のSEMIジャパン・スタンダード賞受賞の理由を以下のように述べている。
「中井氏は、2010年9月から現在に至るまで、シリコンウェーハ委員会の委員長として日本の活動を取りまとめてこられました。SEMIスタンダードの中でも最も歴史の長いシリコンウェーハ委員会の活動は常にグローバルな視点で展開されていますが、氏はその実現のために常に尽力されています。各地区で開催されるタスクフォース(標準文書素案策定グループ)や委員会に欠かすことなく出席し、常に議論の中心的存在として活躍するとともに、スタンダード活動の全体最適の観点から、PI&C(フィジカル インターファイス&キャリア)委員会や3DS-IC(三次元積層集積回路)委員会との連携を深めることに力を尽くされました。また、関連する文書との矛盾解決、読み手にとっての分かりやすさを意識した改訂の提案など、シリコンウェーハの仕様であるSEMI M1の文書としての質の向上にも大きく貢献されてきました。氏は、450㎜ウェーハ仕様開発活動にも初期段階から参画され、意見調整などその開発過程において大きく貢献されました」
「SEMI国際協力賞」はLauren Crane氏、村田尚子氏および竹田隆二氏に授与される。
本賞は言語・文化の違いを克服し国際組織間の調整、国際間の大きな課題解決に特段の貢献があった個人またはグループに贈られる。
Crane氏は、長きにわたり製品安全および環境スタンダードの活動を常に牽引してきた。広い視野を持つ氏は、特に日米間のコミュニケーションの円滑化と協業に力を入れてこられました。以下2つの文書が氏の強力なサポートのもと、出版承認に至った。
・SEMI S23: GUIDE FOR ENERGY, UTILITIES, AND MATERIALS USE EFFICIENCY OF SEMICONDUCTOR MANUFACTURING EQUIPMENT(半導体製造装置におけるエネルギーと資源の効率的な仕様のガイド(仮))
・SEMI S2: 半導体製造装置の環境、安全に関するガイドライン(19章地震保護)
村田氏は、業界の意見を先取りして、デバイスメーカーと装置メーカーとの協調の上、ウェーハのジョブ管理のための文書開発に貢献された。現世代の通信スタンダードは複数枚のロットと呼ばれる単位で管理しているが、将来的に微細化やこまめな管理の要求が予想される。今のロットのスタンダードを活かしながら、ウェーハでの管理も可能にするためのSEMI E175: ウェーハジョブ管理のための仕様(WJM)は2016年11月に出版された。
専門的な知識を持つ竹田氏は、シリコンウェーハ委員会下の国際テストメソッドタスクフォースリーダーとして、長年にわたり、日本国内の活動、国際的な活動の両方を取りまとめてこられた。SEMI M85: 誘導結合プラズマ質量分析法によるシリコンウェーハ表面の微量金属汚染の測定ガイドの開発に加え、2016年3月にJEITA(電子情報技術産業協会)の半導体技術委員会・シリコン規格管理小委員会の解散を受けて、多くのJEITA規格をSEMIスタンダードに移管するための作業にNA・EUのメンバーと調整を図りながら取り組んでいる。
「JRSC功労賞」は日本地区スタンダード委員会委員また技術委員会幹事を表彰するもので、委員会の新設・改廃・再編もしくは多くのタスクフォースの設立、長年にわたり技術委員会委員として、また、幹事として活躍された方に贈られる。本年度は以下4名の方に授与される。
法元盛久氏は長年にわたりマイクロパターンニング委員会委員として活動に尽力、2013年からは委員長も務められた。
石川誠氏は現オートメーション・テクノロジー委員会の前身PVオートメーション委員会委員長として、また、タスクフォースリーダーとしてユーザー観点からPV製造装置における通信スタンダードの策定に尽力された。
西口直克氏は安全ガイドライン策定に多大な貢献をされた。SEMI S26:FPD装置システムの環境、健康および安全に関するガイドラインの策定、東日本大震災を受けて始まったSEMI S2:半導体製造装置の環境、健康、安全に関するガイドラインの19章地震保護改訂にあたりタスクフォースリーダーとして長期化する意見集約に努めるなど取りまとめに尽力された。
荻原秀昭氏は長年にわたりインフォメーション アンド コントロール委員会の活動、特にオブジェクトモデル、センサーバスのスタンダード化に貢献された。
なお、「JRSC特別賞」(Special Award)は、本年は該当者がなかった。
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【People】SEMIの日本地区におけるスタンダード各賞受賞者発表。2016年度SEMIジャパン・スタンダード賞はSUMCOの中井哲弥氏が受賞
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