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【機能性化学品】NEDOプロ、オンデマンド型連続精密生産プロセスの構築に着手

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 2016年4月、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)において、「エネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI2050)」が策定され、国として温室効果ガスの抜本的削減を実現する革新技術の研究開発を強化する方向が打ち出された。そして、同戦略における有望技術の1つとして、革新的生産プロセスが挙げられている。
 それに伴い、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、高性能な触媒と省エネルギーな分離精製法に関する研究開発を進めることで、エネルギー消費を抑えつつ廃棄物排出量の削減が見込める革新的生産プロセスを実現するため、今般、固体触媒と反応器を組み替えることで多品種の機能性化学品の生産に対応可能なオンデマンド型連続精密生産プロセスの構築に着手する。
 同プロジェクトを開始するにあたり、公募を行い、委託予定先を決定した。機能性化学品の分野において、従来主流の生産方式でエネルギー消費量と共生成物の排出量が多いバッチ法※1から、日本が強みを持つ不均一系触媒※2の技術を用いた省エネルギーで効率的な連結フロー法※3(図参照)に置き換えることにより、触媒との分離操作が不要になるなど、分離・精製に要するエネルギーが減少し、オンデマンドで必要な量の製品が無駄なく生産可能となる。これにより、同プロジェクトでは大幅な省エネルギーと廃棄物排出量およびコストの削減を実現するとともに、海外に依存している機能性化学品生産の国内回帰を目指す。
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 委託予定先:国立研究開発法人 産業技術総合研究所、東京理化器械(株)、東和薬品(株)、富士フイルム(株)、国立大学法人 東京大学
 事業期間:2019年度~25年度
 事業予算:2億円(2019年度)

※1 バッチ法:原料などを反応容器に投入し、反応が終了した後に生成物を取り出す方法。
※2 不均一系触媒:反応液や反応ガスと接触して働く固体触媒のこと。触媒の分離、回収、再使用が容易で、連続して反応容器で運転可能。
※3 連結フロー法:不均一系触媒を利用した反応モジュールと分離・精製モジュールを複数連結し、多段階システムとしたフロー合成法。

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