2019年第1四半期
・売上高は162億ユーロ(前年同期比3%増)
・特別項目控除前営業利益は17億ユーロ(前年同期比24%減)
・主としてマテリアル、ケミカル事業セグメントの不振による減益
・アグロソリューション事業セグメントの力強い成長
2019年の見通し
・若干の売上増
・特別項目控除前営業利益は前年比微増
BASFは5月3日に2019年第1四半期の業績を発表した。ドイツ、マンハイムのローゼンガルテンコングレスセンターで開かれた年次株主総会において、BASF取締役会会長のDr.マーティン・ブルーダーミュラーは、「2019年第1四半期のBASFグループの売上高は、前年同期比3%増の162億ユーロでした」と述べた。特別項目控除前営業利益は、前年同期比5億4900万ユーロ減の17億ユーロとなった。「予測通り、これは主として、マテリアル、ケミカル事業セグメントの不振によるものです。これらの事業セグメントでは、前年同期にはイソシアネートの非常に高いマージンと、力強いクラッカーのマージンの恩恵がありました」とブルーダーミュラー会長は続けた。「その他」に分類される事業および、ニュートリション&ケア事業セグメントの特別項目控除前営業利益は大幅な減益となったが、利益はサーフェステクノロジー事業セグメントにおける利益は前年同期の水準に匹敵するものとなった。アグロソリューションとインダストリアル・ソリューション事業セグメントでは、大幅に利益が改善された。
2019年第1四半期の世界経済の成長は、地政学的展開と、特に米国と中国の貿易摩擦に影響を受けた。全般的に力強さを欠く市場のセンチメントが、多くの顧客の静観的な姿勢に反映されている。その結果、BASFグループでは、主要な顧客業界、特に自動車業界からの需要が低迷した。
価格は前年同期比で2%下落したが、この下落の主因はイソシアネートとクラッカー製品事業によるものであった。サーフェステクノロジー、アグロソリューション、インダストリアル・ソリューションズの各事業セグメントにおける価格の上昇は、マテリアルとケミカル事業セグメントにおいて予測されていた価格の下落を部分的に相殺するに留まった。全体的に慎重な顧客の発注姿勢により、BASFグループの販売量は4%減少した。売上増の主因は、BASFが2018年8月にバイエルから大規模な事業と資産の買収を行ったアグロソリューション事業セグメントにおけるポートフォリオ効果であった。為替の影響もまた、すべての事業セグメントの売上高にプラスの影響を及ぼした。
2019年第1四半期の特別項目は通算で利益が費用を上回り、前年同期のマイナス1800万ユーロから2600万ユーロとなった。アグロソリューションとインダストリアル・ソリューション事業セグメントの事業分離による特別利益が、統合、事業再編措置による費用およびその他の特別費用を上回った。
営業利益(EBIT)は、前年同期比で5億500万ユーロ減少し、18億ユーロとなった。税引前利益は、5億2000万ユーロ減少して16億ユーロであった。税率は24.1%から25.4%に上昇した。
継続事業からの税引後利益は、4億1500万ユーロ減少して12億ユーロとなった。BASFの石油・ガスの事業活動から成る非継続事業による税引後利益は、9700万ユーロ増加し、2億7400万ユーロとなった。これは主として、大幅に販売量が増加、特にロシアにおいて増加したこと、および2018年第3四半期に処分グループが認識されて、それ以降有形固定資産と無形固定資産の減価償却が停止したことによるもの。
純利益は2億7300万ユーロ減の14億ユーロとなった。2019年第1四半期の1株当たりの利益は、前年同期の1.83ユーロに対し、1.53ユーロであった。特別項目および無形資産償却分調整後の1株当たり利益は、前年同期の1.93ユーロに対し、1.65ユーロであった。
2019年第1四半期の営業活動によるキャッシュフローは、前年同期比8億5800万ユーロ減の3億7300万ユーロとなった。フリーキャッシュフローは、主に営業活動によるキャッシュフローが減少したことから、前年同期の6億400万ユーロからマイナス3億6800万ユーロとなった。
・特別項目控除前営業利益は17億ユーロ(前年同期比24%減)
・主としてマテリアル、ケミカル事業セグメントの不振による減益
・アグロソリューション事業セグメントの力強い成長
2019年の見通し
・若干の売上増
・特別項目控除前営業利益は前年比微増
BASFは5月3日に2019年第1四半期の業績を発表した。ドイツ、マンハイムのローゼンガルテンコングレスセンターで開かれた年次株主総会において、BASF取締役会会長のDr.マーティン・ブルーダーミュラーは、「2019年第1四半期のBASFグループの売上高は、前年同期比3%増の162億ユーロでした」と述べた。特別項目控除前営業利益は、前年同期比5億4900万ユーロ減の17億ユーロとなった。「予測通り、これは主として、マテリアル、ケミカル事業セグメントの不振によるものです。これらの事業セグメントでは、前年同期にはイソシアネートの非常に高いマージンと、力強いクラッカーのマージンの恩恵がありました」とブルーダーミュラー会長は続けた。「その他」に分類される事業および、ニュートリション&ケア事業セグメントの特別項目控除前営業利益は大幅な減益となったが、利益はサーフェステクノロジー事業セグメントにおける利益は前年同期の水準に匹敵するものとなった。アグロソリューションとインダストリアル・ソリューション事業セグメントでは、大幅に利益が改善された。
2019年第1四半期の世界経済の成長は、地政学的展開と、特に米国と中国の貿易摩擦に影響を受けた。全般的に力強さを欠く市場のセンチメントが、多くの顧客の静観的な姿勢に反映されている。その結果、BASFグループでは、主要な顧客業界、特に自動車業界からの需要が低迷した。
価格は前年同期比で2%下落したが、この下落の主因はイソシアネートとクラッカー製品事業によるものであった。サーフェステクノロジー、アグロソリューション、インダストリアル・ソリューションズの各事業セグメントにおける価格の上昇は、マテリアルとケミカル事業セグメントにおいて予測されていた価格の下落を部分的に相殺するに留まった。全体的に慎重な顧客の発注姿勢により、BASFグループの販売量は4%減少した。売上増の主因は、BASFが2018年8月にバイエルから大規模な事業と資産の買収を行ったアグロソリューション事業セグメントにおけるポートフォリオ効果であった。為替の影響もまた、すべての事業セグメントの売上高にプラスの影響を及ぼした。
2019年第1四半期の特別項目は通算で利益が費用を上回り、前年同期のマイナス1800万ユーロから2600万ユーロとなった。アグロソリューションとインダストリアル・ソリューション事業セグメントの事業分離による特別利益が、統合、事業再編措置による費用およびその他の特別費用を上回った。
営業利益(EBIT)は、前年同期比で5億500万ユーロ減少し、18億ユーロとなった。税引前利益は、5億2000万ユーロ減少して16億ユーロであった。税率は24.1%から25.4%に上昇した。
継続事業からの税引後利益は、4億1500万ユーロ減少して12億ユーロとなった。BASFの石油・ガスの事業活動から成る非継続事業による税引後利益は、9700万ユーロ増加し、2億7400万ユーロとなった。これは主として、大幅に販売量が増加、特にロシアにおいて増加したこと、および2018年第3四半期に処分グループが認識されて、それ以降有形固定資産と無形固定資産の減価償却が停止したことによるもの。
純利益は2億7300万ユーロ減の14億ユーロとなった。2019年第1四半期の1株当たりの利益は、前年同期の1.83ユーロに対し、1.53ユーロであった。特別項目および無形資産償却分調整後の1株当たり利益は、前年同期の1.93ユーロに対し、1.65ユーロであった。
2019年第1四半期の営業活動によるキャッシュフローは、前年同期比8億5800万ユーロ減の3億7300万ユーロとなった。フリーキャッシュフローは、主に営業活動によるキャッシュフローが減少したことから、前年同期の6億400万ユーロからマイナス3億6800万ユーロとなった。
WintershallとDEAの統合
すべての関係当局の承認を受けて、BASFとLetterOne(レターワン)は、2019年5月1日にWintershall(ヴィンタースハル)とDEAの統合を完了した。BASFの取締役会副会長であるDr. ハンス‐ウルリッヒ・エンゲルは、2019年第1四半期の業績を発表する電話会議で、「Wintershall Deaの設立により、中核となる地域で国際的な事業を展開するヨーロッパ有数の独立系探査・生産会社が生まれました。ドイツを拠点とする2つの事業体を統合することにより、BASFとLetterOneはWintershall Deaの強力な収益拡大の基盤を築きました」と述べている。
すべての関係当局の承認を受けて、BASFとLetterOne(レターワン)は、2019年5月1日にWintershall(ヴィンタースハル)とDEAの統合を完了した。BASFの取締役会副会長であるDr. ハンス‐ウルリッヒ・エンゲルは、2019年第1四半期の業績を発表する電話会議で、「Wintershall Deaの設立により、中核となる地域で国際的な事業を展開するヨーロッパ有数の独立系探査・生産会社が生まれました。ドイツを拠点とする2つの事業体を統合することにより、BASFとLetterOneはWintershall Deaの強力な収益拡大の基盤を築きました」と述べている。
1株当たり3.20ユーロの配当金を提案
取締役会と監査役会は年次株主総会において、1株当たり0.10ユーロ増額した3.20ユーロの配当を提案した。「BASFの株式は2018年末の株価60.40ユーロに基づき、5.3%の魅力的な配当利回りを提供します」とブルーダーミュラー会長は述べている。年次株主総会による関連決議の採択後、5月8日に合計29億ユーロの配当金がBASFの株主に支払われる予定。
取締役会と監査役会は年次株主総会において、1株当たり0.10ユーロ増額した3.20ユーロの配当を提案した。「BASFの株式は2018年末の株価60.40ユーロに基づき、5.3%の魅力的な配当利回りを提供します」とブルーダーミュラー会長は述べている。年次株主総会による関連決議の採択後、5月8日に合計29億ユーロの配当金がBASFの株主に支払われる予定。
2019年の見通し
2019年の世界経済環境に対するBASFの予測は変わらず据え置く。
・GDP成長率:2.8%
・工業生産の成長率:2.7%
・化学品生産の成長率:2.7%
・ユーロ/ドルの平均為替レート:1ユーロ=1.15ドル
・年間平均ブレント原油価格:1バレル=70ドル
BASFは、BASF Report 2018に記載したBASFグループの売上高と利益の予測に相違がないとし、若干の増収と特別項目控除前営業利益の微増、増加の範囲は1%から10%となる可能性を見込んでいる。また、投下資本利益率(ROCE)は資本コスト率を若干上回るが、2018年の水準よりやや下がる見込み。
2019年の世界経済環境に対するBASFの予測は変わらず据え置く。
・GDP成長率:2.8%
・工業生産の成長率:2.7%
・化学品生産の成長率:2.7%
・ユーロ/ドルの平均為替レート:1ユーロ=1.15ドル
・年間平均ブレント原油価格:1バレル=70ドル
BASFは、BASF Report 2018に記載したBASFグループの売上高と利益の予測に相違がないとし、若干の増収と特別項目控除前営業利益の微増、増加の範囲は1%から10%となる可能性を見込んでいる。また、投下資本利益率(ROCE)は資本コスト率を若干上回るが、2018年の水準よりやや下がる見込み。
2019年第1四半期の事業セグメント別業績
ケミカル事業セグメント(石油化学品事業本部および中間体事業本部)の売上高は、前年同期比で13%減の25億ユーロであった。特に石油化学品事業本部の売上高が大幅に減少したが、中間体事業本部の売上高は微減に留まった。売上減は両事業本部の販売量の減少と価格の下落によるもの。
特別項目控除前営業利益は前年同期比で1億6900万ユーロ減少し、3億600万ユーロとなった。両事業本部とも減益となり、特に石油化学品事業本部の利益が大幅に減少した。特別項目控除前営業利益の減少は、主に石油化学品事業本部における利益率の低下、特にスチームクラッカー製品の利益率の低下と、両事業本部の販売量の減少によるもの。また、固定費は両事業本部とも微増となった。原因は、石油化学品事業本部では、主として修繕費の増加、中間体事業本部では、主に為替によるマイナスの影響であった。
マテリアル事業セグメント(パフォーマンスマテリアルズ事業本部およびモノマー事業本部)では、売上高は前年同期比で15%減の29億ユーロであった。売上高の減少は、モノマーおよびパフォーマンスマテリアルズの両事業本部で見られたが、モノマー事業本部管轄のイソシアネート価格の下落が主な要因であった。
特別項目控除前営業利益は両事業本部とも大幅に減少し、前年同期の8億1600百万ユーロと比較して3億2300万ユーロとなった。これは主に、モノマー事業本部のイソシアネート利益率の低下によるもの。パフォーマンスマテリアルズ事業本部では、主に自動車部門において利益率は高かったものの、販売量の減少を相殺できなかった。両事業本部の固定費は、前年同期をわずかに上回った。これは主として為替の影響によるもの。
インダストリアル・ソリューションズ事業セグメント(ディスパージョン&ピグメント事業本部およびパフォーマンスケミカルズ事業本部)の売上高は22億ユーロで、前年同期比で2%減となった。ディスパージョン&ピグメント事業本部の売上高は前年同期と同水準であったが、パフォーマンスケミカルズ事業本部の売上高は若干減少した。原因は主に、これまでパフォーマンスケミカルズに含まれていたBASFの製紙用薬品、水処理剤事業をSolenisグループに譲渡したこと。
インダストリアル・ソリューションズ事業セグメントの特別項目控除前営業利益は前年同期比で15%増の2億6400万ユーロとなった。これは主に、価格の上昇、販売量の増加および為替のプラス効果により、パフォーマンスケミカルズ事業本部の特別項目控除前営業利益が大幅な増益となったから。ディスパージョン&ピグメント事業本部も、価格の上昇と為替のプラス効果により、特別項目控除前営業利益が微増となった。同事業セグメントの営業利益には、BASFの製紙用薬品、水処理剤事業をSolenisグループに移譲したことによるパフォーマンスケミカルズ事業本部の特別利益が含まれる。
サーフェステクノロジー事業セグメント(触媒事業本部、コーティングス事業本部および建設化学品事業本部)の売上高は前年同期比で13%増の36億ユーロとなった。触媒事業本部は特に大幅な増収となり、建設化学品事業本部も大幅増収となった。コーティングス事業本部は前年同期並みの水準。売上高の増加は、すべての事業本部における価格の上昇と、触媒事業本部と建設化学品事業本部における為替のプラス効果と販売量の増加によるもの。
同事業セグメントの特別項目控除前営業利益は1億5900万ユーロで前年同期並み。建設化学品事業本部の特別項目控除前営業利益は、主に利益率の上昇により大幅に改善した。触媒事業本部では、売上高の増加により、若干増益となった。一方、コーティングス事業本部の特別項目控除前営業利益は大幅に減少した。これは主として自動車業界の低迷によるもの。
ニュートリション&ケア事業セグメント(ケア・ケミカルズ事業本部およびニュートリション&ヘルス事業本部)の売上高は16億ユーロで、前年同期と同水準であった。ニュートリション&ヘルス事業本部の大幅な増収は、ケア・ケミカルズ事業本部の若干の減収により相殺された。
同事業セグメントの特別項目控除前営業利益は、前年同期に報告された2億5400万ユーロを13%下回る2億2200万ユーロであった。これは主に、ニュートリション&ヘルス事業本部における固定費の増加によるもので、その主因は、2017年の操業停止に対する保険金を前年同期に受領したことによるもの。また、飼料添加物事業では利益率が低下した。その結果、ニュートリション&ヘルス事業本部の利益は全体的に大幅に減少した。しかしながら、ケア・ケミカルズ事業本部の利益率の上昇による利益の改善で相殺された。
アグロソリューション事業セグメントの売上高は、前年同期比53%増の26億ユーロであった。これは主に、2018年8月にバイエルから大規模な事業と資産の買収を行ったポートフォリオ効果によりもたらされた。旧来の事業でもBASFは高い価格水準を達成したが、販売量は主に天候に関連した要因によって前年同期比で大幅減となった。
同事業セグメントの特別項目控除前営業利益は7億4000万ユーロで、前年同期比75%増となった。この利益増は主に買収事業によりもたらされた。営業利益は、バイエル事業の買収の過程で反トラスト法取締当局により課された条件に従って事業の一部を売却したことによる特別利益を含む。2019年第1四半期には、これらの利益が買収事業の統合に関する特別費用を上回った。
その他に分類される事業の売上高は前年同期比で大幅に増加した。これは主に、BASFの製紙用薬品、水処理剤事業のうちSolenisへの事業譲渡の対象外となった部分の活動によるもの。この対象外となった部分は、当該事業譲渡以降「その他」に分類されている。特別項目控除前営業利益は前年同期の数字から大幅減益となった。この減益の主因は、為替の影響とBASFの長期インセンティブ制度における評価替えによるもの。
ケミカル事業セグメント(石油化学品事業本部および中間体事業本部)の売上高は、前年同期比で13%減の25億ユーロであった。特に石油化学品事業本部の売上高が大幅に減少したが、中間体事業本部の売上高は微減に留まった。売上減は両事業本部の販売量の減少と価格の下落によるもの。
特別項目控除前営業利益は前年同期比で1億6900万ユーロ減少し、3億600万ユーロとなった。両事業本部とも減益となり、特に石油化学品事業本部の利益が大幅に減少した。特別項目控除前営業利益の減少は、主に石油化学品事業本部における利益率の低下、特にスチームクラッカー製品の利益率の低下と、両事業本部の販売量の減少によるもの。また、固定費は両事業本部とも微増となった。原因は、石油化学品事業本部では、主として修繕費の増加、中間体事業本部では、主に為替によるマイナスの影響であった。
マテリアル事業セグメント(パフォーマンスマテリアルズ事業本部およびモノマー事業本部)では、売上高は前年同期比で15%減の29億ユーロであった。売上高の減少は、モノマーおよびパフォーマンスマテリアルズの両事業本部で見られたが、モノマー事業本部管轄のイソシアネート価格の下落が主な要因であった。
特別項目控除前営業利益は両事業本部とも大幅に減少し、前年同期の8億1600百万ユーロと比較して3億2300万ユーロとなった。これは主に、モノマー事業本部のイソシアネート利益率の低下によるもの。パフォーマンスマテリアルズ事業本部では、主に自動車部門において利益率は高かったものの、販売量の減少を相殺できなかった。両事業本部の固定費は、前年同期をわずかに上回った。これは主として為替の影響によるもの。
インダストリアル・ソリューションズ事業セグメント(ディスパージョン&ピグメント事業本部およびパフォーマンスケミカルズ事業本部)の売上高は22億ユーロで、前年同期比で2%減となった。ディスパージョン&ピグメント事業本部の売上高は前年同期と同水準であったが、パフォーマンスケミカルズ事業本部の売上高は若干減少した。原因は主に、これまでパフォーマンスケミカルズに含まれていたBASFの製紙用薬品、水処理剤事業をSolenisグループに譲渡したこと。
インダストリアル・ソリューションズ事業セグメントの特別項目控除前営業利益は前年同期比で15%増の2億6400万ユーロとなった。これは主に、価格の上昇、販売量の増加および為替のプラス効果により、パフォーマンスケミカルズ事業本部の特別項目控除前営業利益が大幅な増益となったから。ディスパージョン&ピグメント事業本部も、価格の上昇と為替のプラス効果により、特別項目控除前営業利益が微増となった。同事業セグメントの営業利益には、BASFの製紙用薬品、水処理剤事業をSolenisグループに移譲したことによるパフォーマンスケミカルズ事業本部の特別利益が含まれる。
サーフェステクノロジー事業セグメント(触媒事業本部、コーティングス事業本部および建設化学品事業本部)の売上高は前年同期比で13%増の36億ユーロとなった。触媒事業本部は特に大幅な増収となり、建設化学品事業本部も大幅増収となった。コーティングス事業本部は前年同期並みの水準。売上高の増加は、すべての事業本部における価格の上昇と、触媒事業本部と建設化学品事業本部における為替のプラス効果と販売量の増加によるもの。
同事業セグメントの特別項目控除前営業利益は1億5900万ユーロで前年同期並み。建設化学品事業本部の特別項目控除前営業利益は、主に利益率の上昇により大幅に改善した。触媒事業本部では、売上高の増加により、若干増益となった。一方、コーティングス事業本部の特別項目控除前営業利益は大幅に減少した。これは主として自動車業界の低迷によるもの。
ニュートリション&ケア事業セグメント(ケア・ケミカルズ事業本部およびニュートリション&ヘルス事業本部)の売上高は16億ユーロで、前年同期と同水準であった。ニュートリション&ヘルス事業本部の大幅な増収は、ケア・ケミカルズ事業本部の若干の減収により相殺された。
同事業セグメントの特別項目控除前営業利益は、前年同期に報告された2億5400万ユーロを13%下回る2億2200万ユーロであった。これは主に、ニュートリション&ヘルス事業本部における固定費の増加によるもので、その主因は、2017年の操業停止に対する保険金を前年同期に受領したことによるもの。また、飼料添加物事業では利益率が低下した。その結果、ニュートリション&ヘルス事業本部の利益は全体的に大幅に減少した。しかしながら、ケア・ケミカルズ事業本部の利益率の上昇による利益の改善で相殺された。
アグロソリューション事業セグメントの売上高は、前年同期比53%増の26億ユーロであった。これは主に、2018年8月にバイエルから大規模な事業と資産の買収を行ったポートフォリオ効果によりもたらされた。旧来の事業でもBASFは高い価格水準を達成したが、販売量は主に天候に関連した要因によって前年同期比で大幅減となった。
同事業セグメントの特別項目控除前営業利益は7億4000万ユーロで、前年同期比75%増となった。この利益増は主に買収事業によりもたらされた。営業利益は、バイエル事業の買収の過程で反トラスト法取締当局により課された条件に従って事業の一部を売却したことによる特別利益を含む。2019年第1四半期には、これらの利益が買収事業の統合に関する特別費用を上回った。
その他に分類される事業の売上高は前年同期比で大幅に増加した。これは主に、BASFの製紙用薬品、水処理剤事業のうちSolenisへの事業譲渡の対象外となった部分の活動によるもの。この対象外となった部分は、当該事業譲渡以降「その他」に分類されている。特別項目控除前営業利益は前年同期の数字から大幅減益となった。この減益の主因は、為替の影響とBASFの長期インセンティブ制度における評価替えによるもの。