台湾貿易センター(TAITRA)は、4月16日、COMPUTEX TAIPEI 2019について台湾初の記者発表会を行った。記者発表会では、正式に出展社リストを発表したほか、会期中に国際的なテクノロジーリーディングカンパニーのエグゼクティブによる講演も数多く予定していることを発表した。AMD、IBM、Intel、Microsoft、Nvidia、Qualcommなどが、テクノロジー・イノベーション発展のトレンドにおいてそれぞれの見解を述べ、産業の最新動向と施策を説明する。COMPUTEXというプラットフォームは、これまでに蓄積された台湾関連産業における整った産業チェーンを踏まえ世界のテクノロジー関連事業社のコミュニケーション、交流を深め、無限のテクノロジー・エコシステムの可能性を引き出す。
COMPUTEX出展募集の成果を発表、イノベーション・エコシステムを構築
COMPUTEX TAIPEI 2019は5大テーマで展示会を構成しており、AI&IoT(人工知能とモノのインターネット)、5G(第五世代移動通信技術)、ブロックチェーン(分散型台帳技術)、Innovations & Startups(イノベーション&スタートアップ)とGaming & XR (ゲーミング&仮想現実)という5つの展示内容となっている。現在、出展社数1,685社、出展ブース数5,508に達しており、2018年に比べてそれぞれ5.1%、9.8%増加している。
今年初めて追加した南港展示ホール2(TaiNEX 2)は、IoT、通信、5Gをテーマとして、至る所に存在するスマートテクノロジーを示す未来のライフスタイルを展示する。 成長の勢いを見せるゲーミング産業はVRや、AR、XRなどを融合した展示を用意している。台湾国内外の100社近くの主要メーカーが、ゲーミングブランドの最新動向と進化しつつある商品の新しい体験を提供する。台湾は世界でゲーミング産業における最も重要なポジションを目指し、基礎を固めていく。
4年目に入ったCOMPUTEX InnoVEX(イノベーション・スタートアップエリア)は、すでにアジア最大の影響力を誇るプラットフォームとなり、今年は5月29~31日、台北国際貿易センター展示ホール1にて展示し、世界から402社のベンチャー企業およびチームが出展する。ポーランド、香港、ハンガリー、ブラジルは、初のパビリオン出展を決定した。また、4年連続出展のオランダ、フランス、韓国を含む11カ国・地域のパビリオンは国際ベンチャーチームを率い、COMPUTEXのプラットフォームを通じて台湾の優秀なスタートアップチームと共に競争しあい、スタートアップへの世界の注目を集める。共同でテクノロジー・イノベーションの更なる可能性を引き出すことが期待されている。
AI&IoTの展示、多彩、多元的なアプリケーションが勢揃い
COMPUTEX TAIPEI 2019は初めてAI&IoT(人工知能とモノのインターネット)というテーマをもとに、「システムとソリューション」「産業のIoTソリューション」「SmarTEX」「InnoVEX(メーカー)」という展示エリアにわたり展示し、スマートホーム、スマート交通、ウェアラブル、ヘルステックなどのソリューション施策までに及ぶ。
記者会見に出席したサイバーリンク(CyberLink)は、目下台湾で最も正確な顔認識エンジンである「FaceMe」によって、Windows、Linux、Android、iOS等のプラットフォームをAIoT(AI + IoTを組み合わせた造語)エッジコンピューティングデバイスに「スマートリテール」「スマートファイナンス」等のソリューションが導入できることを紹介した。さらにAMDは、長年にわたりハイパフォーマンス、グラフィックスおよびビジョンテクノロジーの革新を推進してきたと述べ、ハイパフォーマンスの分野では今後も改善を続けていくと紹介した。そしてベンキュー(BenQ)は「BenQ Intelligent Qube」が今年のCOMPUTEXのメイン展示だと紹介し、合計10社の共同パートナー企業と進める複数の革新的なAIoTスマートソリューションを紹介した。スーパーマイクロ(Super Micro)は、ストレージシステムが、より優秀で、より速く、より環境に優しいソリューションを提供する、独自のリソース・セービング・アーキテクチャを備えた新世代のサーバーを紹介した。
COMPUTEXシリーズフォーラム、著名講師陣が集結
今年のCOMPUTEX前に開催された国際記者会見では、CEO基調講演が初めて追加され、AMDプレジデント兼CEOリサ・スー氏を招いて「次世代のハイパフォーマンス・コンピューティング」と題した基調講演を開催することを発表した。講演の中では、ハイパフォーマンス技術の開発と産業構造を語ってもらう予定。展示会初日に開催されるインテルによるオープニング基調講演(COMPUTEX 2019 Industry Opening Keynote by Intel)には、インテルのシニアバイスプレジデント兼カスタマーコンピューティングビジネスグループ ゼネラルマネージャーであるグレゴリーM.ブライアント氏が講演を行う。さらに展示会の2日目には、マイクロソフトによる基調講演も予定されており、業界の期待が高まっている。
台湾貿易センターは、初めて経済部新世代通信技術推進室(5G Office)と協力し、第6回TAIPEI 5G SUMMITを開催する。大手通信機器メーカーのエリクソン(Ericsson)、大手半導体メーカーのクアルコム(Qualcomm)、亜太電信(Asia Pacific Telecom)、クアンタ・コンピュータ(Quanta Computer)等の専門企業が、5G商用化後に、5G通信技術と新たなIT技術をいかに統合していくか、革新的な市場と新しいアプリケーションとビジネスモデルを創造していくかを討論する。
さらに会期中に最も人気のあるCOMPUTEXフォーラムでは、「パーベイシブ・インテリジェンス」(Pervasive Intelligence)をテーマに、IBM、Intel、Micron、NVIDIA、SAP、Siemens等の企業から18名の著名講師陣を招く。「未来の技術を探る」「スマート化された未来の創造」「スマート化されたIoTの構築」という3つのテーマに沿って、将来を見据えた技術の探り、将来の産業構造の発表し、革新的な新世代製品と技術トレンドも発表する。
台湾貿易センターのPresident & CEO、葉明水氏は、次のように語っている。
「技術発展と市場での応用には連動性があります。技術の進歩は、様々な技術の発展を促進します。今年のCOMPUTEXでは、技術のクロスボーダー的な統合がいたるところで見られます。AIとIoTという2大テクノロジーの結合により、絶え間なく変化するスマートアプリケーションが生まれ、5G商用化後、このトレンドは、より多くの産業と領域に広がり、次世代の技術革新を推進します。国際的な通信業界の指標的な展示会として、COMPUTEXが今後も世界の技術トレンドと密接に連動し、世界レベルのエリートパートナーの参加を促し、世界規模のテクノロジー・エコシステムを共同で構築していきます」
COMPUTEX 2019は、5月28日~6月1日まで台北南港展示センター ホール1、ホール2、台北世界貿易センター ホール1(InnoVEX展示エリア、会期5月29日〜31日)、台北国際会議センターで開催される。この5日間にわたる展示会は、国内外の電気通信メーカーと新しい起業家が集まり、革新的なソフトウェアとハードウェア技術の境界を越えて統合された最新技術と製品が紹介される。COMPUTEX 2019は、テクノロジー・エコシステムの着実な発展の基礎となるICT業界における最高レベルの展示会を目指す。
■その他の情報
● COMPUTEX2019日本語サイトはこちら http://www.computextaipei.jp/
● COMPUTEX2019参加申し込みはこちら https://www.computextaipei.jp/guide