BASFジャパン(株)と菊水化学工業(株)は、4月より、建築用塗料における耐久性の重要性認知向上のための共同ブランディングを開始する。この取り組みは、高性能樹脂の共同開発に成功し、菊水化学工業が製造販売する、高耐候性アクリルシリコーン樹脂塗料「水系ファインコートシリコン」を通じて実施する。BASFが開発・供給する、コアシェル技術を活用した、多層構造のポリマー粒子からなるアクリルディスパージョンに、紫外線による経年劣化を防ぐBASFの光安定剤「Tinuvin®(チヌビン)」を配合した専用樹脂を採用したことで、「水系ファインコートシリコン」は、建物の長期にわたる美観維持に寄与する。
菊水化学工業の山口 均代表取締役社長は、「当社は、光安定剤の世界的先駆者であるBASFと提携し、より長い耐久性を備えた高性能水性塗料を開発できたことを非常にうれしく思います。この水性塗料は、建築物の期待耐用年数を、一般的なシリコーン樹脂塗料の10~12年から12~16年へと効果的に延長することができます。日本においては、住民の高齢化や空室問題などで、マンションの大規模修繕費用の不足が課題となっており、延長により、日本の不動産管理会社や住宅所有者にとって環境に優しく、コスト削減につながるソリューションとなります」と述べている。
外壁塗装は、建物を保護するために施されている。しかし、日光、雨、ほこり、風に直接さらされることで、一部の塗料は徐々に割れてはがれ、時間の経過とともに保護機能を失う。菊水化学工業の水系ファインコートシリコンに使用されるTinuvin®ヒンダードアミン系光安定剤(HALS:ハルス)は、有害な紫外線から塗膜を保護し、光沢低下、ひび割れ、チョーキング(白亜化)のような塗膜劣化を最小化する。
「私たちは、この素晴らしい菊水化学製品の開発において、重要な役割を果たしたことを誇りに思います」と、BASFジャパンの窪田浩三副社長執行役員は述べている。「この協業を通じて、建築物の長寿命化を実現する効果的な方法の1つとして、建築塗料の耐久性にTinuvin®が貢献していることを広く認識してもらいたいと考えています。また、共同ブランディングによって、菊水化学工業のお客様に新たな選択肢を提供することができればうれしく思います」。
山口社長は、「おかげさまで、当社は2019年5月に創業60年を迎えます。この特別な節目にBASFとより強い関係性を築くことができうれしく思います。この連携は、日本の塗料業界における私たちのポジションを強化するだけではありません。Tinuvin®がもたらすメリットは、塗装業者、デザイナー、さらには住宅所有者などのエンドユーザーの皆さまにも自信を持って提案することができます」と述べている。
窪田副社長執行役員は、「BASFの持つ高い技術力を活かし、今後も、弊社の尼崎研究開発センターならびに三重県四日市のアクリルディスパージョン生産拠点で、菊水化学工業と密接に連携しながら、日本のお客様のために、より革新的かつ持続可能な塗料ソリューションの開発に取り組んでいきます」と述べている。
環境に配慮した水性塗料のパイオニアとして、菊水化学工業は2018 年に「水系ファインコートシリコン」の改良を行った。2019年4月より、順次BASFロゴと光安定剤Tinuvin®の使用を示した「水系ファインコートシリコン」の製品パッケージやパンフレットを展開していく。また、パッケージには塗料の耐久性に寄与するTinuvin®のメカニズムなどを紹介したウェブサイトのQRコードを表示し、ユーザーの理解を促進する。
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【建築用塗料】菊水化学工業とBASFジャパン、建物の外観の耐久性と美観維持に寄与する重要性を共同ブランディングで訴求
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