ヘレウス(株)は、ヘレウス・ノーブルライト社(ドイツ・ハーナウ市、代表取締役社長 ヴォルフガング・シュタング)の英国子会社が開発した、炭素繊維複合材料(CFRP)の自動繊維積層(AFP)・自動テープ積層装置(ATP)向けの加熱光源「humm3(和名 ハムスリー、以下、同製品1)」を、日本国内の航空・宇宙や自 動車産業用に積極的に提案していく。同製品は、航空・宇宙や自動車産業で用いられる炭素繊維複合材料の自動繊維積層・自動テープ積層装置向けの加熱光源。40年にわたりフラッシュランプの研究、開発、製造に従事してきたヘレウス社 のノウハウを結集し開発されたもの。現在、AFPメーカーではその熱源として、レーザ、赤外線、高温ガスのいずれかを選択している。同製品は、それらに替わるものとして使用することができる。主な特長は以下の通り。
・レーザ光源と同等の急速かつ均一加熱が可能2)
・難しいとされる熱制御パラメータを3つ設定可能
・狭い範囲から300mm以上の範囲まで加熱ゾーンを拡張可能
・レーザ光源同等の出力にもかかわらず、レーザ機器管理者や、レーザ管理区域を設ける必要がない
・作業者の安全性が向上
ヘレウスでは、同製品を用いて、ドイツ航空宇宙センター(Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt、 略称および以下、DLR)との共同研究を進めている。DLRでは、2017年以来、宇宙および航空機の 構造に用いられる新しい複合材料に関する研究に先行して従事している。この共同研究は、AFPおよびATLの炭素繊維複合材料の工業製造プロセス用として、高出力ながら制御可能で安全な加熱技術を確立することを目的としている。共同研究の試験結果は、同製品を用いることで、幅広い温度領域にわたり高度に熱制御が可能であることを示している。大掛かりな工業用装置への組み込みの際に懸念される性能と安全性については、同製品が適切であることが証明されている。
2019年3月12日から14日にかけて、ヘレウスは、フランス・パリで開催されたヨーロッパ有数の複合材見本市であるJEC ワールドにDLRと共同出展し、同製品を紹介した3)。当社では日本国内において、2019年 4月17日から19日まで愛知県名古屋市にあるポートメッセなごやで開催される、第 3 回航空・宇 宙機器 開発展に出展し、航空・宇宙産業に対し、同製品での加熱技術を提案する。また、4月19日午後 12時30分からは、出展社による製品・技術PRセミナーにおいて、同産業から要求される製造工程の速度向上およぼ複雑形状への対応に同製品がどのように対応でき」るのか、AFPおよびATLに実装可能な加熱光源 humm3の特長と優位性を他の熱源との比較を交えて説明する。
1):同製品が炭素繊維複合材料テープを積層している様子
humm3®加熱技術
https://www.heraeus.com/jp/hng/products_and_solutions/arc_and_flash_lamps/humm_3.aspx
2):8 列積層時の均熱性
3)DLR の出展ブース https://www.dlr.de/dlr/en/desktopdefault.aspx/tabid-10204/296_read-32665/#/gallery/33691