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【プリンテッドエレクトロニクス】大陽日酸、銅ナノ粒子を用いた導電性ペースト開発。「新機能性材料展2019」で展示

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 大陽日酸(株)は、PETなどのフィルム基材へ印刷・焼成することで導電配線を形成することが可能な銅ナノ粒子を用いた導電性ペーストの開発に成功した。
 従来、PET(ポリエチレンテレフタレート)などのフィルム基材上に導電配線を形成する手法としては、エッチングプロセス(※1)が一般的だが、工程が煩雑かつ、真空蒸着装置などの高価な設備が必要であるため、安価で簡便なプロセスが求められている。
 銅ナノ粒子などの金属ナノ材料は、バルク金属よりも低温で焼結できることから、耐熱性の低いPETなどのフィルム基材上に金属ペーストを印刷・低温焼成することで導電配線を形成することが可能であるため、RFタグや微細配線、感圧センサーなどへの用途展開が期待されている。
 一方、金属ナノ材料を利用した導電性ペーストは熱焼成法においては数十分程度の長い焼成時間が必要であったり、短時間で焼成できる光焼成法においては、基材との密着性に課題があり、短時間の焼成で基材との密着性に優れた導電性ペーストが必要とされていた。
 同社は、独自開発した酸素燃焼による金属ナノ粒子の合成技術(※2)を有しており、同プロセスで合成した銅ナノ粒子 (※3)は、粒子径100nm程度で、表層が亜酸化銅で被膜された粒子(乾粉)であって、従来の湿式プロセスで合成されたものとは異なり有機保護膜が無いため、焼結時のアウトガスが少なく極めて焼結性が高く、かつひび割れの少ない焼結膜を得ることができる。
 今回、この銅ナノ粒子を用い、バインダーおよび溶媒の配合を最適化させることで、基材への密着性が良好な導電性ペーストの開発に成功した。このペーストを用いて、PETフィルムなどの基材にスクリーン印刷し光焼成することで、比抵抗10-5Ω・cm前半レベルの導電性を確保しながら、屈曲耐性やテープ剥離耐性があることを確認した。
 同ペーストは、プリンテッド分野におけるRF タグ用途や感圧センサー用途での利用が期待できる。
 今後、ペーストサンプルの提供およびPRを進めていく。
 なお、この成果に関しては、1月30日~2月1日に東京ビッグサイトで開催される「新機能性材料展2019」の大陽日酸ブース(2T-14)において展示する。
※1 エッチング
 腐食作用を利用した表面加工技術。使用する部分に防食処理を施し、不要部分を処理剤で除去する。
※2 2014 年1月14 日付ニュースリリース「酸素燃焼による画期的な金属ナノ粒子合成技術を開発
※3 2015 年1月23 日付ニュースリリース「低温焼成可能な高純度銅ナノ粒子を開発


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