創包工学研究会では、来る9月19日(水)午前9時15分~午後5時15分まで、フォーラムミカサ エコ7Fホール(東京都千代田区内神田1-18-12 内神田東誠ビル)において、第72回講演会「医薬品の流通・包装とGDP」を開催する。
プログラムは次の通り。
(1)09:15~10:15
テーマ:最近のGDPの動向と国内GDPガイドラインへの対応について
講 師:松永 匠 氏(中外製薬(株)信頼性保証ユニット品質保証部 プロダクトマネジメントグループ マネジャー)
要 旨:医薬品の製造から流通までの一貫した品質保証の観点からGDPへの対応は極めて重要である。国内においてもPIC/S GDPに準拠した国内GDPガイドラインが導入されようとしており、最近の偽造医薬品流通問題も踏まえ、規制面でもGDPの重要性が高まっている。このような背景から、国内においてもGDP対応は必須な状況になりつつある。一方で、GDPに対応した品質システムの構築、物流業者の適正管理、輸送時の温度保証など課題は多い。本講演では、最近のGDPの動向とPIC/GDPのポイントと共に、国内GDP導入に向けた対応について当社での事例も交え紹介する。
(2)10:15~11:15
テーマ:人手不足時代の物流改革
講 師:渡辺庸介 氏(船井総研ロジ(株)ライン統括本部ロジスティクスコンサルティング事業部部長)
要 旨:国内物流環境がいま大きく変わり始めた。この流れは止めることは容易なことではない。これからの日本国内の物流の方向性を考察し、先手を打つ物流体制構築が必要とされている。本講演では、業界に関係なく直面する国内物流の方向性と企業が取るべき施策についてお伝えする。
(3)11:15~12:15
テーマ:GDP・偽造防止対策省令による医薬品物流及び包装への影響
講 師:豊浦基雄 氏((株)エムエステイ)
要 旨:ハーボニー配合錠の偽造品流通防止として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が発せられたことから、卸企業及び薬局の医薬品物流が変わり始めている。本講演ではその内容及び医薬品包装への影響を解説する。さらに希少疾病の医薬品における返品管理や温度管理の可能性についても解説する。
(4)13:00~14:00
テーマ:医薬品流通と偽造問題
講 師:秋本義雄 氏(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 特任准教授、薬学博士)
要 旨:2017年にハーボニー配合錠の偽造品流通事案が発生し、我が国における偽造医薬品問題は個人輸入事案であり一般の流通過程には混入しない、という従来の考えが根底から覆された。そのため、医薬品医療機器等法の規則改正や医薬品の適正流通基準ガイドライン(GDPG)の公表により、偽造医薬品の流通防止が諮られている。偽造医薬品とは何か? 世界の偽造医薬品による健康被害は我が国には無関係なのだろうか? 我が国の偽造医薬品対策は万全か? 医薬品の流通に関わる者はどう考え、何をすべきか? これらの課題について時間が許す限り述べる。
(5)14:00~15:00
テーマ:日本版GDPに対して運送会社がすべきこと
講 師:山下康明 氏(DPネットワーク(株)総務部総務課長兼品質管理課長)
要 旨:日本版GDPの発出を控え、医療用医薬品配送センターから出荷される医薬品の輸送業務の現状と、今後、大きな課題となると思われる点について、発表する。
(6)15:15~16:15
テーマ:再生医療等製品の最適物流の実現を目指して~実例紹介と課題~
講 師:片野雅彰 氏(SPLine(株)代表取締役社長)
要 旨:メディパルHDにて流通対応しているJCRファーマ『テムセルHS注』(再生医療等製品)についての2年間の実務を中心に、実例紹介をさせていただく。
(7)16:15~17:15
テーマ:医薬品流通におけるGDPに対応するための温度管理・温度校正の現状と展望
講 師:山川峰征 氏( (一財)日本品質保証機構 中部試験センター 師勝試験所 計量計測課 主査)
要 旨:近年、様々な製品に対する温度管理の要求が厳しくなってきており、医薬品、あるいはその流通のシーンにおいても例外ではない。GDPの要求事項の中には温度管理に関する部分が多く存在し、大きな関心のひとつとなっている。そこで本講演では、温度管理に用いられる温度計の校正について、その考え方や適合性評価、トレーサビリティが確保されていることの重要性について示すことにする。また、温度管理、温度校正の現状を踏まえた上で、今後の展望についても触れておく。
参加費は27,000円/人(消費税込み)。