DIC(株)は、地球温暖化防止への取り組みとして、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目的に、インドネシアの100%子会社であるPT.DICグラフィックス(PT.DIC Graphics、本社:ジャカルタ)で顔料を生産するカラワン工場において、場内で使用する熱エネルギーを得るボイラ用燃料の一部を石炭からパーム椰子殻(Palm Kernel Shell、以下PKS)に置換する取り組みを2018年1月から本格開始した。
再生可能エネルギーであるPKSは、カーボンニュートラルの観点からCO2排出を抑制する有効な手段としてグローバルに注目されている。インドネシアは、世界第二のパームオイル生産国であり、オイルを抽出した後のPKSが豊富に発生しする。
同社グループは、現用の石炭よりもコストはかかりますが、PKSが石炭と同じ固形燃料であるとともに、発熱量がほぼ同等であることから採用した。
同工場は、同社が連結子会社化した2012年以降、右肩上がりの増産に伴う消費エネルギーの増大によるCO2排出量増加が課題であった。同工場では、2017年、エネルギーマネジメントシステムの国際規格である「ISO-50001」認証を取得し、PKS試用に続いて石炭使用量の約12%をPKSに置換することで年間約5000tのCO2排出量削減を実現するなど、環境負荷低減への取り組みをスタートした。
今年度からは同活動を本格化し、PKS比を25%まで引き上げることでCO2排出量を年間約10,000t(2016年比15%)削減しており、同社グループ全体の約2%削減に寄与している。
同社グループは、「2013年を基準年として2020年時点にCO2排出量を7.0%削減する(年平均1.0%削減)」とする目標を掲げて、省エネルギーと低炭素化の推進に取り組んでいる。これまでも国内外において、バイオマスボイラ、風力発電、太陽光発電、コージェネレーションシステム(熱と電力の併給設備)の導入といった地球温暖化防止につながる投資を実施してきた。
今後も引き続き、グローバルで温室効果ガスの削減に努め、サステナブルな社会の実現に貢献していく。