<ジョージア州アルファレッタ、2018年4月18日>特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、中国に拠点を置く人工関節分野の先駆者、Okani Medical Technology社が、ソルベイのZeniva(r) ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用して全樹脂製人工膝関節インプラントを開発したことを発表した。Okani社の画期的なORGKnee(tm)インプラントは、従来の金属製インプラント製品よりも低コストで長い埋植寿命を提供する。
Okani社は、人工膝関節インプラント用の大腿骨および脛骨トレーコンポーネントに対するZeniva(r) PEEKの適合性を、10年間にわたる通常の歩行行動をシミュレートするISO 14243-1:2009に従って評価した。結果は、300百万サイクルの間に生じる材料の損失によって測定した摩耗が、Zeniva(r) PEEKを使用したORGKnee(tm) インプラントの方が金属製インプラントよりも50%少ないことを示している。 Okani社がORGKnee(tm) インプラントにZeniva(r) PEEKを選択した理由の1つに、脊椎インプラントにおけるZeniva(r) PEEKの成功がある。コバルトクロムまたはチタニウム合金製のインプラントとは異なり、Zeniva(r) PEEKから成形したこのようなインプラントは皮質骨に類似した弾性率を示す。膝関節補綴物全体の摩耗が大幅に減少するため、患者の快適性が向上し、時間が経過しても安定した固定状態が維持され、インプラントの埋植寿命が延びる。
「PEEKの射出成形性により、金属製インプラントに比べて数分の1の時間とコストでORGKnee(tm) を大量生産できるようになります。金属製インプラントの場合は、製造に従事する作業者と環境の両方にリスクが生じる可能性のある製造、切削、仕上げ工程を経て、3か月程度の製造期間が必要です」と、Okani社のChief Technology OfficerであるZhonglin Zhu氏は述べている。 Okani社がソルベイとの協力を決めたもう1つの動機は、このポリマーサプライヤーが非常に革新的な医療機器メーカーとのパートナーシップで高い評価を受けていること。
「Okani社のインプラントによって、Zeniva(r) PEEKの材料固有の特性だけではなく、私たちのお客様である医療機器メーカーの技術革新の促進と技術の最適化をお手伝いするといった協力的アプローチをとるソルベイのオープンイノベーションビジネスモデルを示すことができました」と、ソルベイのSpecialty Polymers Business UnitでGlobal Business Managerを務めるJeff Hrivnak氏は述べている。 Okani社のORGKnee(tm) インプラントはこの4月に前臨床試験に入り、その後、2018年9月に中国の国家食品薬品監督管理総局(CFDA)による標準臨床試験を受ける。CFDAによる承認を受けた後、同社は2020年にORGKnee(tm) ソリューションの販売を開始する予定。
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【PEEK】ソルベイのZenivaでOkani Medical Technology社が耐久性の高い全樹脂製人工膝関節インプラントを実現
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