凸版印刷(株)は、シート型生体センサーにより心拍・呼吸データなどを取得し、リアルタイムに睡眠状態を解析できる見守りサービス「SensingWave(TM)(センシングウェーブ)介護見守りシステム」を介護業界向けに2018年4月より販売開始する。
同サービスは、ベッドマットレスの下などに設置するシート型生体センサーで利用者の心拍や呼吸などの生体信号を非接触で取得し、睡眠状態をリアルタイムに解析するもの。山形大学工学部応用生命システム工学科の新関久一教授の協力のもと開発した独自のアルゴリズムを用いて生体信号を解析することで、覚醒や就寝、寝返りの有無など睡眠状態の把握が可能。また、複数人の睡眠状態や入床・離床の「見える化」が可能なため、本サービスを導入することにより、職員は介護対象者の就寝時間中に適切なタイミングでの声掛けができたり、離床時などにはモバイル端末で通知を受けられるなど、介護負担の軽減や業務効率の改善が期待できる。
SensingWave 介護見守りシステム
© Toppan Printing Co., Ltd.
SensingWave 介護見守りシステムの概略図
© Toppan Printing Co., Ltd.
なお、同サービスは、社会福祉法人ときわ会(所在地:宮崎県小林市、理事長:坂口四郎)が運営する介護福祉施設「有料老人ホーム ソレイユの丘」と、長崎県小値賀町での独居高齢者見守りサービスとして採用、2018年4月から運用が開始される予定。
■開発の背景
超高齢化が進み介護サービスの整備・充実が求められる中、介護現場における介護従事者の負荷軽減が大きな課題となっている。そのような状況において、生活行動として不可欠な要素である「睡眠」の状態把握や解析への取り組みが求められている。
従来、睡眠状態を計測するセンサーとしては身体装着型の製品はあったが、睡眠中に外れてしまったり、煩わしく感じてしまったりといった課題があり、また睡眠状態を高精度にリアルタイムで取得できる機能が求められていた。
凸版印刷は今回、シート型生体センサーにより利用者が装着することなく、睡眠状態をリアルタイムに取得・解析し、データをクラウド上で管理する見守りサービス「SensingWave 介護見守りシステム」を開発。複数人の睡眠状態や入床・離床の「見える化」を実現した。
■サービスの特長
・複数人の睡眠状態を一元管理
複数人の睡眠状態や入床・離床の「見える化」が可能なため、就寝時間中の適切なタイミングでの声掛けができたり、離床時などにモバイル端末で通知を受けられるなど、介護負担の軽減や業務効率の改善が期待できる。
・睡眠状態を独自のアルゴリズムにより解析
山形大学・新関教授の協力により開発した独自のアルゴリズムにより、心拍・呼吸データをもとに生体信号を解析することで、覚醒や就寝、寝返りの有無など睡眠状態の把握が可能。
・睡眠データをリアルタイムで活用可能
利用者の睡眠状態をリアルタイムに把握できるため、施設スタッフが適切なタイミングでサポートできるだけでなく、クラウド上に集積された睡眠データにより日々の睡眠の質を確認、活用できる。
・利用者が装着することなく生体情報の入手が可能
利用者の生体信号を電気信号として取得できるセンサーのため、利用者が装着することなく生体情報が入手できる。また、薄いシート形状のため、設置のための特別な施工が不要。
■今後の目標
凸版印刷は本サービスを拡販、2018年に関連受注を含めて約5億円の売上を目指す。また、今後もシート型生体センサーの用途開発を進め、宿泊施設やエンターテインメント業界向けにも展開していく予定。
■今回の採用事例について
・社会福祉法人ときわ会
施設名:有料老人ホーム ソレイユの丘
住所:宮崎県小林市堤3702番地2
対象:施設に入居されている高齢者
台数:10台
運用開始日:2018年4月
概要:睡眠状況をモニタリングすることで、高齢者の生活リズムの見える化を行い、生活リズムを整えていくとともに、施設内で働く介護士の負担軽減や業務効率化を実現。
・長崎県小値賀町
対象:小値賀町に在住の独居高齢者
台数:10台
運用開始日:2018年4月
概要:
独居高齢者などのベッドに設置することで、睡眠状態の見守りを行う。
また、見守り者は離床時などに通知を受け取る。
*「SensingWave」は、凸版印刷株式会社が登録商標出願中。