三菱ガス化学(株)とコスモエンジニアリング(株)(CEC)は、インドネシアの接着剤メーカー、P.T. Gelora Citra Kimia Abadi(GCKA)からの発注を受け、三菱ガス化学が保有するホルマリン製造プロセスのライセンス供与、およびプラント設備の設計ならびに工事資器材一式の納入を実施した。プラントは2017年12月から商業運転を開始した。
ホルマリンは、メタノールの誘導品のひとつで、接着剤、樹脂、塗料の原料として利用されている。GCKAが製造するホルマリンは、主に合板向けの接着剤原料として使用され、同社グループ企業およびインドネシア国内企業に接着剤として販売される。
このプロセスは、銀を触媒とするホルマリン製造プロセスで、他のプロセスに比べて初期投資が小さく、運用が容易なことが大きな特徴。三菱ガス化学は、1950年代から本技術によるホルマリン装置建設および他社への技術販売を行っており、国内外60件以上の技術販売実績がある。このうち3件はGCKAへの技術販売で、今回の件が4基目。
ホルマリンは、中国・アジア各国を中心に接着剤や塗料などの工業原料として消費量も延びており、今後のプラント需要も期待される。三菱ガス化学とCECは、今後もライセンス供与、およびプラント建設工事等により、アジアで拡大するホルマリン需要に積極的に貢献していく。
■GCKA社の概要
名称:P.T. Gelora Citra Kimia Abadi
本社所在地:インドネシア ジャカルタ
取締役社長:Freddy Limawan
■ホルマリン製造プラントの概要
建設地:インドネシア テマングン(ジャワ島中部)
生産能力:日産130トン
商業運転:2017年12月から実施