帝人(株)は、感染性廃棄物収集運搬事業を展開する(株)日本シューターの感染性廃棄物処理システム「サイクルペールシステム」向けとして、世界で初めてポリカーボネート(PC)樹脂とポリプロピレン(PP)樹脂をコンパウンドすることにより、耐熱性と強度に優れ、繰り返し使用することができる樹脂製の感染性廃棄物収納容器を開発した。
医療機関で発生する感染性廃棄物は、一般的にPP樹脂製の容器を用いて回収され、焼却・溶融などにより処分されているが、環境負荷軽減の観点から、加熱滅菌することで繰り返し使用可能な収納容器が求められていた。
しかし、従来のPP樹脂製の収納容器は耐熱性が低いため、高温で変形しやすく、滅菌処理に対応できないことが課題となっていた。また、強度が低い容器は、注射針など鋭利なものが貫通する可能性もあり、安全性にも問題があった。
こうした中、帝人は独自のコンパウンド技術を駆使することにより、高温での滅菌処理に対応可能で、高強度を有する、PC樹脂とPP樹脂とのコンパウンド樹脂を世界で初めて開発し、これにより、日本シューターの感染性廃棄物収納容器の滅菌・リサイクルシステム「サイクルペールシステム」が実現した。
このたび開発したPC/PP製の感染性廃棄物収納容器は、従来のPP樹脂製の収納容器に比べて耐熱温度が約30℃高く、高温での滅菌処理を100回以上行っても変形することがない。
また、従来のPP樹脂製の収納容器に比べて2倍以上の注射針貫通強度があり、回収時の注射針による事故防止につながるなど、安全性の向上に寄与する。
高温での滅菌処理が可能となり、繰り返し使用できることから、医療機関における感染性廃棄物処理費の削減効果も期待できる。
このたび開発したPC/PP製の感染性廃棄物収納容器は、11月20日~22日に東京ビッグサイトで開催される「HOSPEX Japan 2017」の日本シューターのブースにおいて初めて展示される。ブースは、東4ホールの205ブース。
日本シューターは、このPC/PP製の感染性廃棄物収納容器を主として医療機関に向けて提案し、積極的に拡販を図っていく。
帝人は、独自のコンパウンド技術を活かすことにより、顧客ニーズに応える高付加価値樹脂製品の創出を強力に推進しており、今後はこのたび開発したPC/PPコンパウンド樹脂を、医療用途に加え、インフラ用途や住宅用途などへと幅広く展開していく。
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【感染性廃棄物】帝人、世界初のPC/PPコンパウンドで耐熱性・強度に優れた収納容器開発
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