帝人(株)が展開する、高機能繊維を使用した木造建築物用集成材*(AFRW:Advanced Fiber Reinforced Wood)が、9月30日~10月30日に開催される「第72回国民体育大会 愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」および「第17回全国障害者スポーツ大会 愛顔(えがお)つなぐえひめ大会」のメイン会場となる、愛媛県総合運動公園「みきゃん広場」内の「おもてなし北側ゲート」の梁材として採用された。AFRWを使用した構造物が、建築基準法に基づく審査を経て使用されるのは初めて。
*集成材:木材の大きな節や割れなどの欠点を取り除き、その繊維方向を平行に揃えて、厚さ、幅、および長さの方向に補強材を接着した木質材料。人工素材にはない木の良さを活かした材料であり、形状や長さを自由に選べることから、品質の安定した木質材料として、和室用の部材から大型建築物まで幅広く利用されている。
高機能繊維を用いた複合材料を集成材に貼り合わせたAFRWは、帝人が2015年に開発したもの。その剛性は木材の2倍以上で、建築材の梁などに使用すると、建築物の曲げ性能や意匠性が向上することから、幅広く活用されることが期待されている。
このたびAFRWが採用された「おもてなし北側ゲート」は、高機能素材を活用し、成長市場を目指して経済産業省四国経済産業局が展開する「次世代マテリアル・クラスター四国」により、愛媛県産やその他国産の木材を有効活用するための1事例として制作されたもので、愛媛県産のスギ材を使用した集成材を炭素繊維複合材料で補強したAFRWが用いられている。
帝人は、今後、AFRWの木造建築物への適用に向けたノウハウを集積し、持続可能な資源を活用することにより、従来にはない安全で快適な木造建築空間を実現することで、建築の発展に貢献していく。
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【木造建築物用集成材】帝人のAFRW、「えひめ国体・えひめ大会」のゲートに採用
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