創包工学研究会では来る9月28日（木）午前9時30分～午後5時まで、フォーラムミカサ エコ7Fホールにおいて、第68回講演会「医薬品の偽造防止の現状とその展望」を開催する。
最近、偽造医薬品が発見され大々的にマスコミ報道された。我が国では従来、流通システムが完備されているため、ネットによる購入を別とすれば偽造医薬品により被害を受ける危険はほとんどないとされてきた。今回の問題の背景には、いわゆる“現金問屋”が介在していることが指摘されている。一方、海外では偽造医薬品は頻繁に流通しておりアジアも例外ではない。医薬品の偽造防止については、製剤自身に工夫を凝らすことは困難で、どうしても材料・包装・容器に頼らざるを得ないのが現状。そこで、医薬品包装と偽造について取り上げ、徹底的に議論することにした。
プログラムは次の通り。
09:30～10:30
テーマ：医薬品偽造防止技術の現状と展望
講 師：渡部貴紀 氏（凸版印刷(株)セキュア販促部 係長）
要 旨：本講演では、さまざまな「セキュアデバイス」と「ICT技術」を連動させた、トレーサビリティやCRMなど利便性・拡張性を持ったソリューションを紹介する。また、最新の偽造防止デバイスとその活用事例を紹介予定する。講演資料の方向性としては、偽装防止技術全般、RFID採用事例、包装資材向けのダイレクト印刷、ダイレクトナンバリングなど偽造防止デバイスの搭載方法などを紹介する予定である。
10:30～11:30
テーマ：日本における偽造薬等の流通は？（ハーボニー事件から考える）
講 師：高梨 宏 氏（（一社）偽造医薬品等情報センター 事務局長)
要 旨：偽造品の流通は、ネット社会も反映し、財布・バッグ等の装飾品から社会問題となったダッコ紐やイベントチケットまで幅広く流通している。医薬品は、その目的から一度偽造品が流通すると治療効果が得られないだけでなく、患者さんに被害を及ぼす可能性があり、製薬業界にとっても深刻な問題である。有効成分の過不足のみならず、有害物質を含むケースもある。また、包装だけが偽造されているというものも考えられる。今年1月に国内で発生したハーボニー偽造品事件をもとに諸外国の例も参考にしながら、日本における偽造薬等の流通を考えてみたい。
12:30～13:30
テーマ：バーコード及び二次元シンボルを用いた医薬品の偽造防止
講 師：寺浦信之 氏（(株)テララコード研究所 所長）
要 旨：従来、二次元コードに秘匿領域を設けたり、収容するデータを暗号化することにより、偽造防止に適用する試みがあった。しかし、これらの方法では、複写が可能であり、正規品を元に複写品（偽造品）を製造することができた。そこで、当社では、バーコードや二次元シンボルの黒モジュールを通常黒と特殊黒で符号化（二重符号化）した複写不可能な二次元シンボル等（二重符号化コード）を開発した。二重符号化コードの特徴は、「互換性」「データ付加」「秘匿性」である。二重符号化により追加された領域は、誤り訂正機能を有する第二のコード領域であり、秘匿化されている。これらの特徴を活かして、医薬品の偽造防止のお役に立てれば、と考えている。
13:30～14:30
テーマ：開封防止ラベル、テープ等医薬品包装の偽造防止
講 師：伊丹一海 氏（(株)タカラ 東京メディカル推進部 次長）
要 旨：タカラは、長年培ってきた粘着加工技術と印刷技術を最大限に活用した製品開発を行っている。またタカラは、消費者に安心・安全を提供するという観点から、他社に先駆けてセキュリティー包装に取り組んできた。1981年「改ざん防止用カートン」で実用新案を取得して以来、当社は改ざん防止、いたずら防止、荷抜き防止や、現在、世界的に大きな問題となっている模倣・偽造対策のための偽造防止技術に至るまで、様々なニーズにお応えすべく品揃えを増やしており、この機会に紹介させていただく。
14:45～15:45
講 師：牧野智成 氏（シャチハタ(株)新規事業部 部長）
テーマ：画像技術を利用した偽造防止技術
要 旨：近日中に掲載予定
15:45～16:45
テーマ：ホログラムなどによる医薬品偽造防止
講 師：林田康輔 氏（大日本印刷(株)包装事業部メディカル・ヘルスケア本部営業第1部 部長）
要 旨：近日中に掲載予定
参加費は27,000円／人（消費税込み）。