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【ナノメッシュ電極】JST、皮膚呼吸が可能な皮膚貼り付け型センサーの開発に成功

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2017 07 20 JST科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業で、染谷隆夫博士(東京大学大学院工学系研究科教授、理化学研究所染谷薄膜素子研究室主任研究員、同研究所創発物性科学研究センターチームリーダー)を中心とした研究チームは、天谷雅行博士(慶應義塾大学医学部教授、理化学研究所統合生命医科学研究センターチームリーダー)らとの共同研究で、1週間皮膚に貼り続けても明らかな炎症反応を認めず、装着していることを感じないほど超軽量で極薄のナノメッシュ電極の開発に成功した。

 この電極は生体適合性の高い金と高分子(ポリビニルアルコール)に、ナノサイズのメッシュ構造を持たせたものナノメッシュ電極で、少量の水で簡単に皮膚に貼り付けることができる。20人の被験者に対して1週間のパッチテストを実施したところ、明らかな炎症反応を認めないことが示された。このような高い生体適合性は、今回のナノメッシュ構造が高いガス透過性を持っていることによって自然な皮膚呼吸が実現されたことによるもので、従来のフィルム型やゴムシート型では実現することはできなかった。

 さらに、このナノメッシュ電極を用いて金属などの導体に触れたり、離したりしたときの抵抗変化や温度、圧力センサーの動作実証、また、腕の筋電計測を実施し、生体計測への適用可能性も実証した。1週間貼り付けても炎症反応を起こさず、装着感がない電極は、医療の現場での長期測定や、スポーツにおける動作の詳細な分析を実現する上で必要不可欠な技術で、今後さまざまな応用が期待される。写真は、皮膚貼り付け型ナノメッシュ電極を人差し指に装着し、フレキシブルバッテリーから電力を供給して発光ダイオードを点灯させたところ。

 今回の研究成果は、2017年7月17日(英国時間)に英国科学誌「Nature Nanotechnologyのオンライン速報版で公開された。


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