富士フイルムグループの富士ゼロックス(株)は、デジタル印刷市場のさらなる拡大を目指し、今後成長が見込まれる(*1)デジタルパッケージ印刷の分野で、自社の海外販売網を活用し、紙器パッケージ印刷・製作の国内リーディング企業である(株)共進ペイパー&パッケージ(本社:兵庫県神戸市、鍛治川清司社長、以下 共進ペイパー&パッケージ社)の海外進出を支援する。
商品の多品種化や商品サイクルの短期化に伴い、小ロット・短納期でのパッケージ製作の需要が伸びており、印刷業界ではこの市場ニーズに応える迅速な事業化が求められている。また、国内の印刷市場全体が伸び悩むなか、印刷会社は海外への進出を狙うものの、単独での海外進出へ投資することに躊躇する企業が多く、リスクを最大限回避しながら市場変化を捉えたスピードで事業展開することに課題がある。
今回、富士ゼロックスのプレミアパートナー(*2)である共進ペイパー&パッケージ社と、海外におけるプレミアパートナーで、パッケージ印刷へ事業拡大することに関心のある印刷会社とのビジネスマッチングを行う。両社の契約締結までの商談プロセスを仲介し、言語面を含め全面的に支援することで、富士ゼロックスのプロダクションプリンターなどを使いながらデジタルパッケージ印刷市場に新規参入する企業を増やし、市場活性化を狙う。また、契約締結後は、富士ゼロックスの現地販売会社が、両社間のコミュニケーションやその他印刷に関する支援を行う。
共進ペイパー&パッケージ社は、富士ゼロックスのグローバルな販売網を活用することでスピーディに海外市場へ進出、海外の印刷会社に対し、「紙器パッケージ製造・販売に関するコンサルティング」および紙器パッケージのオンライン見積もりシステムを搭載し、日本で実績のある「印刷パッケージ通販サイト『ハコプレ』の海外ローカライズ版」をフランチャイズ提供する。今後同社は、富士ゼロックスの支援を通じて2年間で5カ国への進出を目指す。
海外進出を目指す共進ペイパー&パッケージ社が、富士ゼロックスと組むことにより、スピーディな海外進出を実現するとともに、富士ゼロックスは、自社のプロダクションプリンターを使用している印刷会社に「ハコプレ」事業を紹介することで、パッケージ印刷に関するノウハウを蓄えることや、アジア・パシフィック地域のプリントオンデマンドのパッケージ市場拡大を目指す。この協業を通じ、双方向にアイディアやノウハウを共有し、今後新たな印刷システムの共同開発など長期的なパートナーシップを視野に入れている。
展開先の第一弾として、Xerox iGen 5 150 Pressをはじめとする富士ゼロックスのプロダクションプリンターのユーザーであり、プレミアパートナー(*2)でもある、韓国の印刷会社DPLUS(株)(本社:韓国 ソウル、社長:Eunhyun Kwon、以下DPLUS社)に対し、共進ペイパー&パッケージ社が紙器パッケージ製造・販売に関するコンサルティング、および韓国版「ハコプレ」システムを提供。DPLUS社は韓国で「ハコプレ」のサービスを8月28日より開始する。
DPLUS社は、ウェブ受発注やプリントオンデマンド・パッケージが日本ほど浸透していない韓国市場で、ノウハウを持つ共進ペイパー&パッケージ社の「ハコプレ」を活用することや、富士ゼロックスの現地販売会社である富士ゼロックスコリアが支援することで、効率よく新規ビジネスの立ち上げを図り、今後2年間で15億ウォン(約1億5000万円)の売上(*3)を目指す。
*1 Smithers Pira社の調査「The Future of Digital Print for Packaging to 2020」によると、デジタル印刷による折り畳みパッケージ市場はアジア(インド含む)で年複利成長率36.9%(2015~2020年)で成長し、2020年には10.8億ドル(USD)規模になる見込み
*2 富士ゼロックス商品を使ってビジネスで成功を収めている顧客(Premier Partner)を主体としたユーザー会
*3 「ハコプレ」を通じた韓国市場での売り上げ
■共進ペイパー&パッケージ社について
2011年にハコプレ事業を立ち上げ、紙箱や貼箱などを小ロットで、インターネットから発注できるサービスを提供。ウェブブラウザーから箱の形状、サイズやデザインを決めることができ、富士ゼロックスのデジタル印刷機Xerox iGen 4や富士フイルムのB2サイズ対応のデジタル印刷機Jet Press 720Sなどで印刷。ハコプレ事業は、サービス開始から約3年半で年間売上5億円を突破し、5年後の2022年には年商20億円を目指している。
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【デジタル印刷紙器】富士ゼロックス、共進ペイパー&パッケージ社の海外進出を支援。第一弾として韓国へ
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