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【グラビア印刷】Bobst Italia、技術革新イベントで盛況博す

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 2017年5月11日、12日の2日間、イタリア、サン・ジョルジョ・モンフェッラート(San Giorgio Monferrato)のBobst Italiaにて、「グラビア印刷の新たな可能性を切り拓く新技術」と題したグラビア技術革新イベントが開催された。期間中、会場では「衝撃的」そして「ダイナミック」という言葉がよく聞かれた。これらの言葉が示すとおり、同社は、エキサイティングでドラマチックなプログラムを多数取り揃え、製品ラインナップの絶え間ない進化を通じて技術革新を先導してきた同社の優位性をアピールした。
 「私たちが持っている素晴らしい情報を皆様にも知っていただけるよう、スペクタクルなショーを演出しました」と、グラビア印刷・ラミネーション輪転印刷部門責任者兼Bobst Italia最高経営責任者のミケーレ・ヴィティエッロ氏は語っている。「このイベントが2つの意味において成功したことを誇りに思います。1つは、このイベントが当社の革新的技術の質の高さをアピールできる内容であったこと、もう1つは、ご来場いただいた皆様にうまく情報がお伝えできる形態にできたことです」。
 技術の部は午前の半ばにモンフェッラートの丘で始まり、ミケーレ・ヴィティエッロ氏はそこで、参加者への挨拶に続いて装置とサービスに関する2つのプレゼンテーションを行った。
 その後、Bobst Italiaグラビア印刷・ラミネーション輪転印刷部門の販売・マーケティングディレクターであるジョヴァンニ・カプリオリオ氏が、BOBSTのグラビア印刷機のラインナップを概説したのち、最新のRS 6003C HSグラビア印刷機について2つの主な改善内容を詳しく説明した。1つは新しい乾燥技術、もう1つは改良されたインキングシステム。これらはいずれも性能、経済性および安定性、環境持続可能性、そして、省エネルギーという4つの主要な要件を満たすべく開発されたもの。
 その後、午後のマシンデモで検証したデータをもとに、ジョヴァンニ・カプリオリオ氏は、新しいツインフロー乾燥システムの量子効率により、乾燥機の長さを短くすることが可能になり、輪転機に残る溶剤の量が業界内でかつてないレベルにまで下がり、さらに連鎖的にその他の機能の性能が向上し、最終的にトータルでの印刷性能が向上することを示した。
 最新の高速計測(HSM)および多目的インキング(MPI)設計のプレゼンテーションは、それぞれの技術仕様やメリットに加えて、BOBSTのアプローチや世界中のお客様との密接なつながりをこれまで以上に広く示すものであった。「私たちは、テクノロジーというものは、『ノウハウ』、つまり『どうすれば良いか』が、『ノウホワイ』、つまり『何故そうするのか』によって裏付けられて初めて本当の効果を発揮すると考えています。これらのテクノロジーは、インキングシステムなど、私たちが企画する新たな開発の1つひとつに対する地域のニーズを踏まえつつ、当社が製品を供給しているそれぞれ市場において、真の価値を創造することに力を注ぎ続けた結果です」と、ジョヴァンニ・カプリオリオ氏は語っている。彼は、その日の午後に予定されていた3つのマシンデモの詳細を説明し、プレゼンテーションを終えた。
 サプライチェーンおよび業務部門責任者のジュリアン・ララン氏と技術開発部門責任者のマシュー・ロビエ氏によるBOBSTサービスのプレゼンテーションもまた、技術革新と卓越性の追求に重きを置いたものであった。
 BOBSTサービスは、輪転機ユーザーのお客様により迅速にサービスが提供できるよう、機能を強化している。改革プログラムの一環として、今後3~4年で技術者を50%以上増員する予定。BOBSTサービスの中核となるのは、生産性を最適なレベルに保つためのサポートを顧客に提供すること。オープンハウスでは、熱心な観客に、革新的で一貫性のある新しいサービスをご紹介した。新しい監視アプリケーションは、離れた場所から生産を監視したり、現場のすべてのマシンについて、ダウンタイムをリアルタイムで監視したりすることを可能にする。生産データは、携帯電話、タブレット、コンピュータその他のモバイル機器によって、いつでもどこからでもアクセスし、解析することができる。
 昼食後、参加者はBobst Italiaの製造工場に移動し、印刷幅1,300mmの9色RS 6003C HSグラビア印刷機の紹介が始まった。
 このデモでは、まず、あっという間に500m/minの印刷速度に達し、溶剤ベースのインキを使って17ミクロンのBOPPフィルム上に裏刷印刷することにより、一般的なハイエンドの菓子包装材が大量に製造できる印刷機が紹介され、次いで巻取装置上でのフルスピードの自動スプライスのデモが行われた。観客は、マシンを高速で稼働させた際のノイズの低さに注目した。乾燥器に新しい防音技術を導入することにより、ノイズを5dB低減することができた。セミフロートタイプ乾燥機のツインフロー空気循環設計は業界初のもの。デュアルインピンジメント技術やフロート技術はBOBSTにとって目新しいものではなく、それらはすでに、同社のラミネーターやコーティング機の特徴の1つになっている。今回、BOBSTはそれをメーカーとして初めてグラビア印刷機に応用し、乾燥性能を最大15%向上させることに成功した。その後、印刷を中断してサンプルを切り取り、切り取ったサンプルをラボに持ち込み、溶媒の保持レベルを測定した。
 ボード上で事前洗浄シーケンスを行い、柔軟なジョブ準備が可能であることとツイントロリーにおけるインキの流れを実演して見せた。マシンは、BOBSTの定評ある自動プリセットシステムであるTAPSシーケンスによって印刷を再開し、その後、印刷速度は500m/minにまで急上昇した。その間、さまざまなオンボード操作のクローズアップが、作業原理を解説したアニメーションとともにライブで巨大なスクリーンに映し出され、観客に公開された。さらに、マシン上の専用画面には、ランプアップ/ダウン時のレジスタ精度と補正速度の驚異的な性能と、印刷時のエネルギー消費量の少なさを示すデータが表示された。その後、印刷が中断され、プレゼンターが上の2つのデッキに上っていき、ラボによる印刷サンプルの解析結果を読むまでもなく、オペレーターが直接キャットウォークから乾燥器にも換気システムにもアクセスできることを示した。イベントの両日とも、溶媒の保持レベルは6.6mg/m2未満という優れた数値を示した。
 その後、Bobst Italiaコンピテンスセンターに会場を移し、さらに2つのデモが行われた。
 RS 6003C HSが、最初のデモにおいて、もっぱらその画期的な開発自体に注目を集めたとすれば、昨年のdrupaで発表され、今回のオープンハウスで初めてデモが行われたRS 6002Cシャフトレスグラビア印刷機は、その能力に大きな関心を集めることに成功したと言える。RS 6002Cは、とりわけその作業用途と17ミクロンのLDPEフィルムが処理可能であることによって特徴付けることができる。
 デモは、RS 6002Cの標準装備の一部であるTAPSシステムによる印刷準備から始まった。次いで印刷速度を300m/minまで上昇させ、巻取装置でスプライスを行い、停止させた。そして、シリンダーの前洗浄シーケンスとシリンダーの交換が観客に示された。
 全体を通じて、レジスタは極めて正確に維持されていた。このことは、このマシンが、グラビア印刷の工程においてとりわけ重要な、デリケートな素材の高速印刷にも、また、生産コストが低く、完全にリサイクル可能な包装材の製造に欠かせない、より薄い材料の扱いにも最適であることを示している。
 最後に、CL 850Dのデモは、現在の市場ニーズを反映した、付加価値の高い装飾包装用途にも焦点を当てたものであった。技術的な観点から見て、プリラミネートされた複合素材(17μm印刷BOPPおよび15μmメタライズドBOPPフィルム)への見当合わせ用つや消しラッカリングは、速度変動に対するBOBST Registron®システムの優れた応答性を強く印象付けるものであった。フルスピードでのスプライスの後でも、レジスタはわずか60m空走しただけで元に戻ることができました。
 1日を終え、Bobst Italiaでの満足度はとても高いものであった。「このイベントを素晴らしいと褒めてくださり、さらに、次のイベントを楽しみにしているとおっしゃってくださったお客様がいらっしゃったことが、このオープンハウスが成功したことの何よりの証拠です」とミケーレ・ヴィティエッロ氏はコメントしている。「BOBSTがどうやって技術的優位性を維持してきたのかをお客様にお見せできただけでなく、私たちのノウハウ、経験、そして当社の企業価値向上への取り組みがどれだけお客様からのご愛顧につながっているかを知ることができ、とても幸せです」と、彼は結んでいる。
 Bobst Italiaのグラビア印刷技術革新フォーラムおよびオープンハウスには、150社の加工企業を含め、世界各国から180名の顧客が参加した。


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