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【SGCNT系水性塗料】産総研、単層カーボンナノチューブで高い電磁波遮蔽能を持つ膜を形成する水性塗料を開発

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国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研、理事長 中鉢良治)ナノチューブ実用化研究センター(研究センター長 畠 賢治)CNT用途チーム 阿多誠介研究員、堅田有信特定集中研究専門員、物理計測標準研究部門(研究部門長 中村安宏)電磁気計測研究グループ 加藤悠人 研究員らは、スーパーグロース法で作製した単層カーボンナノチューブ(SGCNT)を用いて、高い電磁波遮蔽能を持つ膜を形成する塗料を開発した。

2017 06 13 aist

開発したSGCNT系水性塗料を用いてポリイミドシートへ形成した塗布膜

 さまざまな電子機器の電磁波を遮蔽する方法として、電子機器やそれに接続する部品を金属の筐体に収納する方法が従来用いられている。最近では、電子機器の多様化や小型軽量化に伴い、樹脂やゴムの複雑な形状の筐体やそれらの材料で覆われた部品が用いられることも多くなっており、複雑な形状の筐体や部品を基材として電磁波遮蔽塗料を塗布し、電磁波遮蔽能を付与する方法が注目されている。しかし、既存の電磁波遮蔽塗料は、基材の選択性に制限があったり、付与できる電磁波遮蔽能が低いなどの課題があった。

 今回、電磁波遮蔽能を持つ塗布膜を形成できる、SGCNTを用いた水性塗料(SGCNT系水性塗料)を開発した。この塗料は、基材の選択性が高く、バーコート法、スプレー法、ディップ法などのさまざまな塗布方法が利用できる。そのため平面ばかりではなく複雑な形状の基材にも塗布膜を形成することができる。さらに形成した塗布膜は高い電磁波遮蔽能と高温での耐久性を持ち、柔軟性があり、基材の変形にも追随できる。今後、高温環境で使用される自動車用ワイヤーハーネスや、可動部や複雑形状を持つ産業用ロボットなど、さまざまな分野での電磁波遮蔽対策への活用が期待される。

 なお、この技術は、2017年6月14日〜15日にタワーホール船堀(東京都江戸川区)で開催されるプラスチック成形加工学会第28回年次大会の特別展示ブースで展示される。


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