日立化成(株)は、自動車・航空機・産業用途の断熱部品を製造・販売するISOLITE GmbH (本社:ドイツ連邦共和国(以下、ドイツ) ラインラント=プファルツ州、 CEO:Christian Eck、以下、イゾライト社)の株式100%を、ドイツのプライベート・エクイティ・ファンド、Equita GmbH & Co. Holding KGaAおよびその他の株主から取得する契約を締結した。
日立化成は、2018年度を最終年度とする「2018中期経営計画」の下で自動車部材事業について、「グローバルトップサプライヤーになるための基盤強化」を基本方針とし、海外における開発・製造・営業拠点の拡充等に取り組んでいる。一方イゾライト社はドイツに開発・製造・営業拠点を有し、自動車・航空機・産業用途の断熱部品事業を展開する企業で、独自の材料技術で開発した「ダイレクト・インシュレーション製品」※1は、燃費向上の観点で近年欧州を中心に自動車への搭載が進んでいるターボチャージャー※2に接続する配管の断熱部品として、大手自動車メーカーに採用されている。今後米国や日本等欧州以外の地域でもターボチャージャー搭載車が普及すると予想されており、イゾライト社の断熱部品事業はグローバルに拡大することが見込まれる。
今回の株式取得により日立化成は、国内での既存の販売網を通じてイゾライト社の断熱部品を日本の自動車メーカーへ拡販するとともに、イゾライト社の有する欧州での販売網や製造拠点を活用して日立化成の自動車部材の欧州展開を加速する。またイゾライト社と日立化成の断熱技術のシナジーにより、今後拡大が見込まれる、低燃費や環境対応等の市場ニーズに対応した断熱部品の開発を加速し、自動車エンジン・排気系部品等の熱マネジメントに関するソリューション提案を進めていく。
*1 エンジン等の自動車の高熱部分に密着させ、熱を遮断する製品。「ダイレクト・インシュレーション製品」を用いると、高熱部品と密着させずに遮熱板を設ける従来の方法より高い断熱効果を発揮し、また少ないスペースでの断熱が可能。
*2 エンジンで発生した排気ガスでタービン(風車)を回し、タービンとともに回転するコンプレッサーにより圧縮した空気をエンジンに送り込む自動車部品。ターボチャージャーを使用すると、エンジンに送り込む空気の量が増えるため、従来と同等の動力性能を確保したままエンジンを小型化・軽量化することができ、自動車の燃費を向上することができる。エンジンで発生した排気ガスを温かいままターボチャージャーに送る必要があるため、エンジンとターボチャージャー間の配管の周りには、熱を逃がさないための断熱材が用いられる。
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【自動車】日立化成、断熱部品メーカーのドイツISOLITE社の株式取得
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