アメリカ・ニューヨークにあるソロモン・R・グッゲンハイム美術館で、2017年3月24日から展示されているダグ・ホイーラーによる作品「PSAD Synthetic Desert III」に、BASFのメラミン樹脂発泡品「Basotect®(バソテクト)」が使用され、静寂の時間を提供している。
ダグ・ホイーラーの作品展示は、BASFがスポンサーとなり、グッゲンハイム美術館で実現した。高い吸音性と柔軟性を持つオープンセルのメラミン樹脂発泡品であるバソテクトが、この展覧会の無響性に貢献している。錐体のバソテクト400個、V字型のバソテクト600個(写真参照)が無響室の床、壁、天井を覆い、静寂を演出している。展示されている部屋は、周囲の音を最小限に抑えるよう設計された「準無響室」で、音、光、空間を巧みに操る仕掛けとなっている。通常は音響工学の分野での実験や試験に用いられる騒音防止技術も、このインスタレーションに使用されている。無限の空間であるかのような視覚的印象をもたせる設計や構成が取り入れられている。ホイーラーは、「Synthetic Desert III」の視覚面、音響面の印象を、北アリゾナの砂漠での実体験に例え、ほぼ無音の状態が視覚的な距離感に大きく影響するよう表現している。
BASF北米のメラミン樹脂発泡品担当エキスパートであるドイル・ロバートソン氏は、 「一般的に静寂は30デシベルですが、ホイーラーの準無響室は10~15デシベルです。あまりに静かなので自分の心音を聞くこともできるほどです」と述べている。
バソテクトは、ニューヨークの超高層ビルなど、様々な建築物、構造物の他、工業用途にも用いられている。北米で最速のエレベーター(時速最高23マイル=約37km/h)にも使われており、騒音の遮断に貢献している。
いかなる形状にも加工可能な柔軟性と高い吸音性を持つバソテクトは、様々な建築家、デザイナー、音響エンジニアなどによって、スポーツアリーナやコンサート会場、レコーディングスタジオなど、適切な音響特性と美しい空間を作り出すために使用されてきた。また、優れた防火特性を兼ね備えており、非常に軽量で施工も容易。
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【メラミン樹脂発泡品】BASFのBasotect、グッゲンハイム美術館で「静寂」を演出する無響空間の作品展示に貢献
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