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【自動車】BASF、内装用ポリウレタンシステムの発泡シミュレーション提供開始

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◎シミュレーションツールのUltrasim®(ウルトラシム)により、半硬質 システムが使用されるインストルメントパネルのバーチャル設計が可能に
◎Yanfeng Automotive InteriorsはBMW X1のインストルメントパネル用にBASFの新しいサービスを利用
◎部品の開発時間を短縮し、プロセス安定性が向上
 BASFは、自動車の内装に使用されるポリウレタン(PU)システム向けの新たなシミュレーションツールUltrasim® (ウルトラシム)の提供を開始した。このサービスはオープンモールドとクローズドモールドの両方の金型で、発泡中のPUシステムの挙動を確実に予測することを可能にし、特に半硬質システムのElastoflex® E(エラストフレックス® E)が使用されるインストルメントパネルで有効性が実証されている。現在、グローバル自動車サプライヤーのYanfeng Automotive Interiors(本社:中国上海)が、BMW X1など最新モデル用のインストルメントパネルを製造する際に、このバーチャル設計を利用している。各パネルのCAEモデルとUltrasim® の半硬質システムの新たな材料定義に基づいて発泡シミュレーションが作成され、部品の設計と製造に潜在する問題を、金型の製作前の段階で発見することができる。そのため、Elastoflex® Eが使用されるインストルメントパネルの開発と製造にかかる時間が短縮され、コスト削減が可能になる。
 インストルメントパネルは安全に関わる複雑で大掛かりなコンポーネントであり、自動車メーカーがそれぞれのモデルごとに承認を行います。基材、スキン、ポリウレタン発泡体、個別のエアーバッグの設計をスムーズに組み合わせるためには、製造中の発泡工程が極めて重要。BASFの定評ある技術サポートに加えてUltrasim®を活用することで、工程や部品に応じて効率良くポリウレタン発泡体を製造できる。本サービスは、プロジェクト初期のバーチャル段階から工程設計が開始されるプロセスで使用されることが重要で、これにより開発時間の短縮、金型設計の最適化、コスト効率のよい総合的な開発作業の計画に大きく役立つ。

プロジェクトの初期段階で特に効果を発揮するシミュレーション
 BASFのシミュレーションツールでは、部品の製造工程が部品の挙動を予測するうえで重要な要素になる。Ultrasim®はPUシステム向けにカスタマイズされた材料モデルに対応しているため、ポリウレタンの注入、発泡、硬化を正確に予測することができる。そのため、解析では温度依存の反応過程、発泡、その結果としての密度プロファイルや発泡中の流動性といった、材料の典型的な特性が考慮される。これにより、完全な金型充填による注入から最終的な密度まで、発泡工程のあらゆる段階で予測を行うことができる。
 適切な処理パラメータを設定することは、材料の挙動を正確に把握することと同様に重要。発泡のシミュレーションでは、注入位置、ミキシングヘッドの経路、金型の向きだけでなく、流動補助、通気設計、型閉め時間も分析することができる。そのため、オープンモールドとクローズドモールドの両方の金型で発泡工程が明確化され、バーチャル拡大鏡を使った検証が可能になる。クローズドモールドの場合は、空気の細孔やウェルドラインを防止するために、シミュレーションの結果を利用してさまざまな注入設計を評価できる一方、オープンモールドでは一連のバーチャルシミュレーションによって、PUシステムの注入ラインを最適化することが可能。全体的な開発時間が短縮されるため、こうしたシミュレーションはプロジェクトの初期段階で実施することが特に効果的。問題が検出された場合は、部品の形状や通気の設計を追加費用なしで調整できる。

Elastoflex® E素材の成形品を採用した安全で快適な自動車内装
 半硬質システムのElastoflex® Eを使用して、自動車内装用の背面発泡成形をカスタマイズすることができる。コストと性能が最適化されたこの発泡体は低発泡密度と低エミッションを特徴としており、世界中で数多くの自動車メーカーに承認されている。耐老化性を備えるほか、PVC、TPO、PUといったさまざまな表面や基板への密着性も優れている。また、脱型時間の短縮、材料使用量の削減、処理の安全性の向上が実現するため、費用対効果という点でもメリットがある。流路の長い複雑な形状の部品を一度の注入で成形したり、薄肉成形したりすることが可能。

次のステップ:柔軟性が高く不可欠な発泡体が素材の自動車部品向けのUltrasim®
 現在、エンジンフードやハンドルなどの部品に使用されるインテグラルフォームや軟質フォーム対象に、顧客のプロジェクトでUltrasim®が利用されている。この新たなシミュレーションサービスの中期的な目標は、金型に対するあらゆるPUシステムの理想的な処理パラメータを決定し、それぞれの金型に理想的なPUシステムを特定すること。これを実現するには、発泡工程のバーチャルマップだけでなく、特定の機械部品の性質を確実にシミュレーションすることが必要。BASFは、長年にわたって繊維強化エンジニアリングプラスチックを扱っている顧客のプロジェクトで、すでにこのサービスの適用を成功させている。
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■K 2016への出展
 アイデアを理想的ソリューションに:BASFは、2016年10月19日~26日にドイツの デュッセルドルフで開催されるK fair(国際プラスチック・ゴム産業展)に出展する。

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