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【R&D】BASF、インド・ムンバイで新たな「イノベーション・キャンパス・アジア・パシフィック」を始動

 BASF(本社:ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェン)は3月3日、インドのムンバイにおいて、新たな研究開発拠点である「イノベーション・キャンパス・アジア・パシフィック」を始動させた。このプロジェクトには、南アジアにおけるBASFの研究開発で最大となる、約5,000万ユーロの投資が見込まれている。この拠点は、上海に続く2つ目の「イノベーション・キャンパス・アジア・パシフィック」で、ここで行われるグローバルな研究活動はBASFの100%子会社であるBASF Chemicals India Private Limitedのもと運営される。新しいイノベーション・キャンパスでは、インドにおけるBASFの既存の研究開発活動を拡大し、広範な特殊化学品に関する世界と地域の研究開発を網羅することになる。パーソナル/ホームケア、プロセス開発、有機合成、作物保護などを含む幅広い領域が研究対象。
 BASF取締役会副会長兼最高技術責任者(CTO)であるDr. マーティン・ブルーダーミュラーは次のように述べている。
 「地球上の資源が限りある中、世界人口は増加し、エネルギーや食品、きれいな水に対するニーズは拡大しています。これは極めて大きな課題をもたらしています。それらの課題に対して、化学に基づくイノベーションこそが、新たな解決策をもたらすでしょう。BASFは研究開発ネットワークを、特にアジアの新興市場へ拡大し、早い段階でお客さまや市場のニーズに対応するイノベーションを推進したいと考えています。ムンバイの拠点は力強い成長を遂げているインド市場に寄り添う、BASFにとって新しく強力なイノベーションハブとして機能する予定です」
 インドにおけるBASFの研究活動は2005年に開始され、2014年には農業分野の研究、有機合成、分子設計、高度なプロセス研究に対象範囲が広がった。キャンパスの敷地内には化学合成、応用、プロセス開発、分析のための最先端のラボが設置され、ムンバイでの既存および新規の研究開発活動が1カ所で実施される。同施設で、広範に及ぶ最新の開発活動と組み合わせ、グローバルなノウハウを共有し、お客さま、産業界やアカデミアのパートナーとの協力関係を促進します。最大300人を収容できるこのキャンパスには、インドをはじめとする世界各地の優秀な科学者が集結する予定。
 BASF取締役でアジア太平洋地域を担当するサンジブ・ガンジー氏は次のように述べている。
 「インドには自動車のほか、食品や栄養など多くの業界で、革新的なソリューションに対する需要があります。また、インドはさまざまな分野の優秀な科学者や、卓越した研究機関の宝庫でもあります」
 BASFは現地での生産のほか、自動車、住宅、環境保護、衛生に関する課題に向けたテーラーメイド・ソリューションの提供を通して、ここ数年間でインドでの事業展開を拡大させてきた。これらの機会の実現に向けて積極的な投資を行っており、現地法人である、BASF India LimitedやBASF Chemicals India Private Limited、BASF Catalysts India Private Limitedを通して、BASFは過去4年間にわたりインド国内での生産と研究開発に約3億ユーロを投資している。
 約20,000平方メートルの新キャンパスには、科学研究施設、技術研究施設、最新のオフィス、大規模なホール、食堂、社員向け設備が整備されている。また、直射日光による過熱を最小限に抑える二重ファサード、エネルギー効率に優れたLED照明、雨水貯蔵施設が設備されているほか、太陽光電池パネルつきの反射屋根や、再生可能なエネルギーを生成する風車も設置されている。建物内の50%以上の照明には再生可能資源が利用され、BASFの革新的なソリューションが多く活用されている。さらに、グリーンビルディングのための第三者認証として最も広く利用されているLEED(Leadership in Energy and Environmental Design:エネルギーと環境に配慮したデザインにおけるリーダーシップ)のシルバー基準(最上位から3番目のレベル)を満たすよう、建物は設計されている。
 2016年、BASFの研究パイプラインはおよそ3,000件のプロジェクトを網羅し、研究開発費は18億6,300万ユーロにのぼる。また、およそ10,000人の従業員が世界で研究開発に従事している。さらに、世界中の600におよぶ優秀な大学、研究機関、企業との連携ネットワークも確立されている。
 BASFの3つの主要なテクノロジー・プラットフォームのひとつである先進材料&システムリサーチの本部は、2016年1月から上海のイノベーション・キャンパス・アジア・パシフィックに設置され、テクノロジー・プラットフォームのプレジデント兼アジア太平洋地域リサーチ責任者を務めるDr. ハラルド・ラウケが統括している。他の2つのテクノロジー・プラットフォームである、プロセスリサーチ&ケミカルエンジニアリングとバイオサイエンスリサーチは、ヨーロッパと北米にそれぞれ本部を構えている。ムンバイのイノベーション・キャンパス・アジア・パシフィックでは、これらのプラットフォームと関連する研究活動が実施される予定。また、BASFはBASF Indiaを通して、2015年、プネに農業研究所を、2014年にマンガロールに研究開発センターを開設し、自動車塗装に従事している現地や世界中の顧客に、技術・製品開発のサポートを提供している。これらの研究開発施設は、地域と世界の両方における革新的なプロジェクトの推進と支援に向けた、強力なネットワークを構築している。
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2017 03 06 BASF R


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