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【事業譲受】大王製紙、日清紡の紙製品事業を譲受

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大王製紙(株)は、2月10日に開催された取締役会で、日清紡ホールディングス(株)日清紡HD)における紙製品事業の譲受を目的とした子会社の異動を伴う株式の取得に関する株式譲渡契約の締結を決議した。譲受価格は約250億円で、4月3日に事業を譲受する予定。

【事業譲受の理由】

 大王製紙は、昭和18年の設立以降、主に新聞用紙と段ボール原紙等の生産・販売を行ってきたが、昭和50年代に印刷用紙、家庭紙等の分野に進出し、総合製紙メーカーとして成長してきた。今日までに、紙おむつ等の家庭紙の吸収体製品、段ボール、印刷、粘着紙、ラベル等の周辺分野に事業を拡大している。特に「エリエール」ブランドを中心として展開している家庭紙分野では、昭和54年に家庭紙の紙製品事業へ参入し、7年間で家庭紙トップメーカーに躍進し、市場において確固たる地位を築いている。

 現在は、平成27年5月に公表した「第2次中期事業計画(Step-up~飛躍と拡大)」に基づき、洋紙事業の構造転換、板紙・段ボール事業の強化、ホーム&パーソナルケア事業の更なる成長と加速、徹底したコストダウン、人材活用の効率化・多様化、更なる財務体質の強化といった施策に取り組んでいる。

 一方、今回の譲受事業は、70年の歴史を有し、ティッシュペーパーやトイレットペーパーといった家庭紙分野から、ファインペーパーや合成紙を中心とする洋紙分野、電報やパッケージ等の紙加工品分野、ラベルシステム分野に至るまで、幅広い紙製品を製造・販売している。いずれの分野においても「環境と人にやさしいものづくり」をコンセプトに、高付加価値商品の企画・開発に注力した事業戦略を展開している。そして、日本製紙は今回の譲受事業における家庭紙、洋紙、紙加工品、ラベル関連製品の全てをグループ内に保有しているメーカーであり、今回の譲受事業の経営資源(人材、設備、ブランド)を最大限活用し、家庭紙、洋紙、紙加工品、ラベル関連製品全ての価値を高め、発展させていくことができる。今回の譲受事業の洋紙分野は、日本製紙にないファインペーパーや合成紙に特化しており、同社グループの製品ラインナップの補完・拡充ができ、洋紙事業の構造転換という事業戦略にも合致する。さらには、同社第2次中期事業計画における家庭紙製品の競争力強化と高付加価値商品の拡販戦略にも繋がることから、本件を実施するに至った。

 今回の事業譲受により、日清紡HDの持つ「コットンフィール」「シャワートイレのためにつくった吸水力が2倍のトイレットペーパー」等の高機能ティシュー、トイレットペーパーを日本製紙の製品ラインナップに加えることが可能となる。日本製紙のエリエールブランドの持つ高い市場認知度により、そうした高付加価値商品の販売機会を拡大させるとともに、今後さらに需要が拡大し多様化する市場および顧客のニーズに対応できる体制とする。

 さらに、平成30年10月予定の日本製紙川之江工場家庭紙新マシン稼動により、紙製品全カテゴリーシェアNo.1達成を早期に実現させる。

譲受事業の内容】

 今回の譲受事業を営む日清紡HDの国内子会社(日清紡ペーパープロダクツ(株)(日清紡PP。なお、日清紡PPは大和紙工株式会社および東海製紙工業株式会社を子会社としてその発行株式の全部を保有している)および日清紡ポスタルケミカル(株)(日清紡PC)の株式、中国子会社(上海日豊工芸品有限公司)の持分、ならびに日清紡HDが保有する紙製品事業に関する不動産その他の設備、知的財産権等の資産。

 譲受の方法は、日清紡HDが、日清紡PPに対して、日清紡PCの株式および上海日豊工芸品の持分、ならびに譲受事業に関する不動産その他の設備、知的財産権等の資産を吸収分割により承継させた上で、大王製紙が、日清紡HDから、日清紡PPの全株式を譲り受ける。


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