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【シートセンサ】JAPERA、印刷技術で圧力と温度を同時検出できるフレキシブルシートセンサを開発。センサによる人の皮膚感覚実現への道を拓く

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nedo0208 NEDOプロジェクトで、次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)は、フレキシブルデバイスの基盤となる高度TFT※1アレイ印刷製造技術を開発し、全印刷連続一貫生産ラインによるフレキシブルTFTアレイシートの製造工程を確立してきた。印刷によるデバイス製造は、真空や高温を駆使して多量のエネルギー・資源を消費する既存のデバイス製造プロセスからの脱却を図り、省エネルギー・省資源化を実現するとともに、大面積・薄型・軽量の多種多様なフレキシブルデバイスの生産を可能にする。

 今回、JAPERAは、印刷製造したフレキシブルTFTアレイシート上に、感圧層※2と感温層※3をパターン印刷することによって、微細な感圧部と感温部を面内に高密度に配列した、圧力・温度同時多点検出シート型センサーの開発に世界で初めて成功した。フレキシブル、軽量かつ高解像度という特徴を生かし、例えば、靴底やベッドなどに装着することによって、運動時の荷重バランス・疲労度センシングや、リハビリ・介護支援センサなどへの応用を目指す。将来、圧力と温度以外にも摩擦等の物理センサーやバイオセンサーを開発し、組み合わせることができれば、センサーによる人の皮膚感覚を備えたロボットスキンの実現が近づく。
 まずは、多様なセンサを開発することで、IoT社会に求められる様々なデバイス群に展開できるプラットフォームの構築と社会実装を目指す。具体的には、フレキシブルTFTアレイ製造技術をベースとして、同一基板上に複数の機能を集積化したフレキシブル多機能デバイスの設計および製造プロセス技術の開発を行い、開発技術をプラットフォーム化し、ヘルスケア分野、物流分野など様々なユースケースに適用することで、実用化実証に供していく。
 将来、圧力と温度以外にも摩擦等の物理センサーやバイオセンサーを組み合わせることができれば、センサーによる人の皮膚感覚の実現が近づきます。これにより、人と同じ感覚をもった優しいロボットを実現することで、人とロボットの共感社会の可能性が拡がる。

なお下記展示会のNEDOブースで実物が紹介される。

(1)「nano tech 2017 第16回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」
日時:2017年2月15日(水)~17日(金)場所:東京ビッグサイト
nano tech 2017 第16回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(公式サイト)

(2)「ドイツ国際情報通信技術見本市(CeBIT2017)」
日時:2017年3月20日(月)~24日(金)場所:ドイツ・ハノーファー
CeBIT - Global Event for Digital Busines(公式サイト)

 
<用語解説>

※1 TFT
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)の略で、3端子スイッチング素子であるトランジスタの構造を概ね1μm以下の厚さの薄膜を積層することによって形成したもの。従来のSiに代わり、半導体に有機材料を用いた有機TFTは印刷形成可能性や低温プロセス性の点で注目されているが、実用的な製造技術は確立されていなかった。

※2 感圧層
圧力の印加によって、物性値が変化する材料からなる層。ゴム材の中に導電粒子を配合した感圧ゴムが抵抗方式の代表的なものとして知られている。このほかに、静電容量方式、電磁誘導方式などがある。

※3 感温層
温度によって物性値が変化する材料からなる層で、代表的なものとして金属酸化物からなるサーミスタが知られている。


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