住友化学(株)と、トリンセオ S.A.の100%子会社であるトリンセオホールディング B.V.(以下、トリンセオ)は、このたび、両社の合弁会社「住化スタイロンポリカーボネート株式会社」(以下、SSPC)について、トリンセオが所有する全株式を住友化学に売却する契約を締結した。株式の譲渡完了は2017年1月31日の予定。
SSPC は、愛媛県新居浜市にある製造プラントにおいて、ポリカーボネート(PC)樹脂を生産し、日本およびアジアを中心に事業を展開しており、株式譲渡後は住友化学の100%子会社としてPC事業を強化していく。また、両社は、SSPC がトリンセオのパフォーマンスプラスチック事業向けにPC樹脂を継続して供給することで合意しており、今後ともSSPC およびトリンセオ間の戦略的関係を維持することになる。なお、SSPCは会社名を「住化ポリカーボネート株式会社」と変更する予定。
トリンセオの上級副社長のティム・ステッドマン氏は次のように述べている。
「住友化学が、日本に立地しているSSPC のポリカーボネート製造プラントの所有者となることは自然なことです。同社は、日本・アジア地域の化学業界のリーダーであることから、より有利な立場でポリカーボネートプラントを運営し、付加価値を生み出していくことができます。一方、アジア・太平洋地域は、トリンセオにとって引き続き重要な成長マーケットであり、当社は、今後もこの地域でのパフォーマンスプラスチック事業の成長に積極的に取り組んでいきます」
住友化学の代表取締役専務執行役員の大野友久氏は次のように述べている。
「当社は、トリンセオとの長年にわたる関係を高く評価しており、トリンセオによる決定に敬意を払いたいと思います。当社の石油化学部門は幅広い製品を有しており、長年培ってきた技術力を活用してポリカーボネート事業のさらなる発展を図ります」
SSPCは1996年に、住友化学とダウケミカル社が折半出資し、住友ダウ株式会社としてスタートした。その後、2010年にスタイロン(現トリンセオ)がダウケミカル社の持分を継承し、住化スタイロンポリカーボネートと社名変更されたもの。
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【ポリカーボネート】住友化学とトリンセオ、合弁会社の株式譲渡契約締結
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