日本包装学会は、2月28日(火)、東京・品川のきゅりあん6階大会議室で、第72回シンポジウム「美しき機能パッケージを目指して—魅力・感動あるパッケージデザインする方法を考える—」を開催する。視覚や触覚などを通じて人間の感性に訴える美しく魅力・感動ある機能性パッケージデザインの実現のために、包装・容器分野においても設計・評価のCAE(Computer Aided Engineering)化が進みつつ、デジタル印刷や3Dプリンターによる迅速な試作品製作や工業生産が行われている。その先進的な事例をデザインプロセスの視点、3Dデジタルデータ処理と3Dプリンターによるモノづくりの革命の視点、感性付加価値を創造できる素材や加飾技術の視点と、デザイナー視点での3D-CAD・3Dプリンターを活用したデザインアプローチについて講演する。
参加費は、維持会員15,000円、企業に属する個人会員1万2000円、その他の個人会員及び学校・公的機関の会員7000円、エキスパート会員 2000円、学生2000円、非会員2万円。同協会HPから申し込みできる。締切は平成29年2月17日(金)。問い合わせはTel. 03-5337-8717まで。
プログラムは以下の通り。
10:00~11:10「仕事の仕方・デザインプロセスの革命 ~デライトデザインのすすめ~」
講師:東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻 特任研究員 大富浩一氏
要旨:ものづくりにおいてデザイン(創る)、設計(作る)、生産(造る)は三位一体で進めるべきものである。一方、21世紀に入って物質的充足が限界に達し、精神的充足にものづくりの重心が移るにつれ、デザインの比重が増している。デライトデザインはこれを具現化する考え方、手法であり、これを実践するには仕事の意識改革が必要である。
11:20~12:20「3Dデジタル技術が可能にする美しい機能性加飾技術の追求」
講師:(株)ケイズデザインラボ 代表取締役 原 雄司氏
要旨:3Dデジタルデータをフル活用し、プロダクト製品に多彩な質感表現を施す表面加飾技術「D3テクスチャー®」を開発し企業へ提供している。デザイン検討から試作検証、金型成型までデータを活かすフルデジタル化により、美しさやデザイン性・機能性の追求ができるようになった。その強みと開発の歩みを紹介する。
13:20~14:20「美しいデザインには理由がある」
講師:澄川伸一デザイン事務所 代表 澄川伸一氏
要旨:人が美しいと感じる形や色には、そのデザインを掘り下げていくと必ずそれぞれの理由があることに気づく。実例を紹介しながら、いろいろなデザインを考察していく。
14:30~15:30「モノづくりのプロセスを革新する3Dプリンティングソリューション」
講師:(株)ストラタシス・ジャパン 代表取締役社長 片山浩晶氏
要旨:スピードと競争力が求められるマーケットにおいて、3Dプリンターは試作品そのものをプリントするという従来の利用法から、モノづくりのためのツールとして広がりを見せている。デザイナーの想像力と柔軟な発想であらたに活用が進む3Dプリンターのメリットを国内外のトレンドや活用事例を交えて紹介する。
15:40~16:40「視覚・触覚に訴える感性価値を実現できる色・素材と加飾技術」
講師:長瀬産業(株) カラー&プロセシング事業部 営業課 課統括 福田浩之氏、カラーコーディネーター 水科智美氏
要旨:最近のモノづくりにおいて『感性価値』に着目が集まっている。感性価値がある商品は、人の五感に働きかけ、満足感や安心感ドキドキ感を与える。創業から180年以上に渡り化学品商社として蓄積してきた情報を駆使し、視覚や触感で感性価値を感じるプレミアムな色・素材や加飾材料の実例を紹介する。