Quantcast
Channel: コンバーティングニュース
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7252

【CNF】丸富製紙、芯なしトイレットペーパーの芯孔強度を改善

$
0
0

 家庭紙メーカーである丸富製紙(株)は、芯なしトイレットペーパーの製造過程において、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を芯なしトイレットペーパーの中心部に使用して強度を20%高める技術を開発し、特許(特許番号 2020-011509「芯無しトイレットペーパーロールとその製造方法」)を出願した。
 芯なしトイレットペーパーは、多くの人が利用する公共・娯楽施設で重宝されており、近年のインバウンド需要が後押しすることで、年々需要は高まっている。また、取り替え頻度の削減といったメリットがあることで、一般家庭にも浸透しつつある。同社は、創業当初から、芯なしトイレットペーパーへの製造・販売に注力しており、2015年には、超長尺と呼ばれる、通常の約5倍の長さ(※)を巻いた芯なしトイレットペーパーの販売始め、19年には5年前の約1.8倍へ成長。現在では、自社内の全生産量の約35%を占める主力カテゴリーとなっている。
SnapCrab NoName 2020 2 26 11 50 17 No 00 R                                   通常の5倍の超長尺250mシングルトイレットペーパー
 芯なしトイレットペーパーは、巻き芯を使用しないため省資源であり、また長尺仕様のため、物流時のCO2排出量の削減など環境へのメリットも大きい製品設計。しかし、一方で、硬いため、製造や輸送の過程で力が加わり、つぶれると形を復元するのが難しく、また、変形するとホルダーに入らなくなったり、ペーパーを引き出すときにカラカラと音が鳴ったりしてしまう弱点があった。
 同社は、こうした弱点を補うため、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」に着目。一般的に、芯なしトイレットペーパーは、鉄の棒に紙を巻き付け、水を吹いて芯孔を固めるが、水の代わりにCNFを使用することで、芯孔の強度を20%高めることに成功。CNFの軽くて強い特長を生かし、中心部が変形しやすい芯なしトイレットペーパーの欠点を補う技術を開発し、合わせて、特許を出願した。
SnapCrab NoName 2020 2 26 11 53 11 No 00 R
 同社は今後、超長尺製品への新技術の本格採用に向け、CNFの生産設備を増強するため、トイレットペーパーの製造過程で出る端材(損紙)を原料にしてCNFを作る設備を3月に増設する。CNFの生産能力を現在の毎時2kgから15倍の毎時30kgに引き上げる。
 また、 地元富士市のものづくり戦略の一貫として、地域に根ざした原料の開発や、異業界との連携を通じた非木材原料の採用検討など、持続可能な開発目標SDGsの達成に向け、より一層、技術開発へ注力していく。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7252

Trending Articles