リオ・ティントは、9,800万米ドルを投資し、西オーストラリア州・ピルバラ地区のクダイデリ鉄鉱山に自社初の太陽光発電プラントと、同地区全体の電力網への電力供給に使われるとリチウムイオン蓄電システムを建設することを承認した。この34MWの太陽光発電プラントは、太陽光発電のピークの時間帯にクダイデリの電力需要すべてと同鉱山の平均電力需要の約65%を供給すると見込まれている。
同社は、自社保有太陽光発電施設の第1号となるこのプラントで105haの敷地をカバーするために必要な太陽光パネルは約10万枚と試算している。政府の最終承認を受けたのち、今年後半に工事を始め、2021年に完成する予定。
安定的で信頼性の高い電力網を維持するため、同じピルバラ地区のトム・プライス鉱山に建設する12MWh規模の蓄電システムが、瞬動予備力によってこの太陽光発電を補完する。この太陽光発電プラントと蓄電システムは、従来のガス火力発電に比べて年間の二酸化炭素排出量を、乗用車28,000台の排出量に相当する約9万トン削減する。
リオ・ティントの鉄鉱石部門チーフ・エグゼクティブのクリス・ソールズベリー氏は、「リオ・ティントは2050年までに全世界で大規模な脱炭素化を行うことを明言しています。ピルバラ地区における当社初の太陽光発電プラントの建設は私たちにとって大きな意味をもつ節目であり、同地域での炭素削減の歩みの重要な一歩です。当社はピルバラでさらなる再生可能エネルギーの利用機会を検討しており、2008年以降の温室効果ガス排出絶対量の43%削減に加え、グローバル・ポートフォリオ全体を見渡して他の排出量削減の機会の検討も進めています」と語っている。
リオ・ティントは、2050年までに自社のグローバルビジネスを大幅に脱炭素化する⾧期計画の一環として、2020年以降の新しい排出削減目標の設定に取り組んでいる。
リオ・ティントが100%所有するクダイデリ鉱山は、同社のヤンディクジーナ鉱山から北西約35km、西オーストラリア州ピルバラ地区のニューマンから約110kmに位置している。この太陽光発電プラントとバッテリーの資金は、同社の鉄鉱石ビジネスの現行の生産能力を維持するための設備投資計画に含まれている。約26億ドルのクダイデリ鉄鉱山は2019年11月に承認され、今年上旬に工事が開始される予定。生産量は年間4,300万トンで、2021年末に生産開始の予定。クイーンズランド州にあるリオ・ティントのウェイパの操業は現地の太陽光設備で電力を賄っている。
■リオ・ティントについて
リオ・ティントは、ロンドンとニューヨークの証券取引所に上場するRio Tinto plcとオーストラリア証券取引所に上場するRio Tinto Limitedからなる二元上場会社で、本社は英国にある。国際的大手鉱業グループとして探鉱、鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とするリオ・ティントの主要生産品目は、鉄鉱石、アルミニウム、銅、ダイヤモンド、ウラン、金、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩など)が挙げられ。豪州と北米を重要なビジネス拠点とする一方事業活動は世界にまたがり、南米、アジア、欧州、アフリカに及ぶ。4つのプロダクトグループ(アルミニウム、銅&ダイヤモンド、エネルギー&ミネラルズ、鉄鉱石)に加え、成⾧イノベーション部門及びコマーシャル部門が横断的かつ補完的に役割を果たす組織編制になっている。
■リオ・ティントと日本について
日本はリオ・ティントにとって最も重要かつ⾧期にわたる取引パートナーの1つ。同社の鉄鉱石ビジネスは1960年代に日本の製鉄会社による⾧期の購入契約を背景に発展を遂げ、日本の高度経済成⾧期を良質な原料資材の安定供給で支えてきた。リオ・ティントは日本に対する鉄鉱石の最大のサプライヤーであり、これまで50余年にわたり18億トン以上を出荷。金属・鉱物資源においても同社は日本最大のサプライヤーの1つとして、250社を超える日本の顧客企業へアルミニウム、銅、モリブデン、ダイヤモンド、ウラン、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩など)を輸出している。また、日本企業は同社の大切なパートナーであり、世界中の合弁事業やバリューチェーン、技術革新に欠かせない存在。
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【太陽光発電】リオ・ ティント、初の自社所有施設を西オーストラリア州に建設。鉄鉱山へ電力供給
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