大日本印刷(株)(以下:DNP)は、第5世代通信規格(5G)スマートフォン向け放熱部品事業に本格参入する。5Gスマートフォン向けに、従来品に比べて、同等以上の放熱性能を保持しながら、厚みを約3割薄くした0.25mm厚の放熱部品「べーパーチャンバー」を開発した。放熱部品の薄型化により、バッテリー容量の大型化に必要なスペースを確保する事が可能になり、スマートフォンの薄型化と発熱対策を両立するソリューションをスマートフォンメーカーに提供する。
【背景】
5Gに対応したスマートフォンの普及が見込まれるなか、大容量・高速通信によるデータ処理量の増加にともなうアプリケーションプロセッサや通信用IC等の過熱への対策が課題となっている。また、5G化によって搭載部品の点数が増え、消費電力の増加によりバッテリーサイズが大きくなる一方で、消費者から薄型スマートフォンへの強いニーズがあり、より薄い放熱部品「べーパーチャンバー」が求められている。
【べーパーチャンバーの概要】
べーパーチャンバーは、平板状の金属板を貼り合わせた中空構造で流路が配置され、内部には純水等の液体が封入されている。この液体が蒸発と凝縮を繰り返しながら熱を輸送する事で、IC等の熱源部分の温度上昇を抑制する機能がある。
【今後の展開】
DNPは、2020年秋までに今回開発した0.25mm厚の超薄型べーパーチャンバーの量産を開始し、さらに薄い0.20mm厚の製品開発を行い、2025年度に年間200億円の売上を目指す。