BASFは、低粘度グレードである「Ultrason®(ウルトラゾーン)P」の製品ラインアップを拡充している。Ultrason® P2010は新しいポリフェニルスルホン(PPSU) で、Ultrason® Pの優れた機械特性を維持しつつ、射出成形における流動性が向上している。これにより、外食産業や航空機内での使用に適した洗練されたデザインの食器や耐熱容器など、より大きく複雑な形状の部品を製造することが可能になる。さらに、低い射出圧力と温度で充填できるため、原材料を加工する際のエネルギー消費量と部品重量を減らすことができる。Ultrason® P2010ナチュラル(透明色)が、現在グローバルに販売されている。
この新素材は、高い耐薬品性と134℃までの過熱蒸気滅菌への耐性、耐火性ならびに既存のUltrason® P3010がもつ優れた衝撃耐性と安定性をも兼ね備えている。ノッチ付き衝撃強度は他の非晶質構造を持つ耐熱素材と比較して約10倍であり、高温でも耐性を発揮するため、洗浄と消毒を繰り返してもUltrason® P2010にはほとんど影響がない。さらに、透明高耐熱プラスチックはEUおよび米国において食品の接触に対する適合性が認められている。
Ultrason® P2010に最適な用途の1つが、外食産業や航空機用設備です。BASFのPPSUで製造された容器や鍋は調理だけでなく、食品の保存や保温にも使用できる。ホテルやレストランでは滅菌と洗浄剤に対する高い耐性が求められ、航空機内においては耐火性が特に重要。そのため、火災時に熱や有害物質の放出が少ない難燃性の特殊プラスチックは、食器だけではなく、座席や照明器具、通気孔、頭上の荷物棚などにも理想的。
Ultrason®は、ポリエーテルスルホン(Ultrason® E)、ポリスルホン(Ultrason® S)、ポリフェニルスルホン(Ultrason® P)を含む、BASFのスルホン系樹脂製品群の登録商標。この高性能素材は、電子機器、自動車、航空宇宙産業にとどまらず、ろ過用メンブレンや、温水や食品と接する部品にも使用されている。Ultrason®ブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替として利用することができる。
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【プラスチック】BASF、流動性が向上した新しい「Ultrason P」で、より複雑な部品成形を可能
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